【プレイバック2014】ドイツ撃破のメキシコに見る2014コスタリカの憧憬

席巻した”5-4-1”は秀逸な弱者の兵法

 『5レーン』という現代浸透し始めた、ピッチを縦に5分割する考え方を忠実に守ったのが2014年のコスタリカだった。実力のあるGKナバスをベースに、5人のDFが与えられたポジションを守りきり、好きに侵入させなかった。相手DFをずらして侵入してくる強国最新鋭の戦術相手に真っ向から挑み、攻撃を瓦解させることで『カウンター戦術』は機を熟した。
 唯一プランニングが瓦解したのは、決勝トーナメント初戦のギリシャ戦だった。日本と同グループだったギリシャもまた身の丈にあった守備から入る戦術で弱者の兵法を用い、グループを突破してきた。
 結果としてコスタリカは勝利したものの、後半AT捨て身の覚悟で攻め入ったギリシャの圧力を跳ね返す力は既に残されていなかった。ソクラティス・パパスタソプーロスに決められてしまった。
 それでも、ベスト8オランダ戦に『失点』の流れを持ち越すことはなく、120分間戦い抜いてスコアレスドロー。快進撃はPK戦で潰えたが510分間で2失点と史上屈指の守備力で勝ち上がった姿を世界中はたたえた。

 今大会のコスタリカは、欧州最新モードのセルビアを前に、初戦0-1で散るも、ディフェンスは変わらずに機能した。ただしグループ自体が前回同様のセットアップではないため、異なる策略が必要となる。

 新たな戦術『アイソレーション』で穿ってきたメキシコは、今大会の台風の目となる可能性がある。両サイドで役目が異なる強豪国にとっては対策を講じることが最も難しい。日本やスイスと言った両サイドのバランスが取れている国には効かないが、片側のサイドに集めて崩落させれば、気づけば砂上の楼閣となるアシンメトリー。メキシコの左サイドとチチャリートがなす新戦術を見逃すのはもったいない。

 



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