▽これまで元イタリア代表GKディノ・ゾフや元イタリア代表FWアントニオ・ディ・ナターレなど数多くの名選手を輩出しているウディネーゼ。なぜウディネーゼは名選手をコンスタントに輩出し続けられるのだろうか?
▽その理由は世界中に散らばっているスカウトにあった。実にスカウトにかける予算はイタリア王者ユベントスの5倍以上にあたるという。
▽今回、かつてウディネーゼに在籍していた選手、どれだけウディネーゼがイタリアサッカー界に大きな影響を与えているかを検証してみた。
*現役選手のみです。
*1ユーロ=120円で計算
*移籍金は「Transfer Market」を参考にしています。
● サミル・ハンダノビッチ(Samir Handanovič)
代表:元スロベニア代表
Pos :GK
生年月日:1984/7/14(35歳)
身長/体重:193cm/92kg
現所属:インテル
ウディネーゼ在籍期間:04年夏~12年夏
ウディネーゼ通算:212試合260失点
加入時:フリー
移籍時:1500万ユーロ(約18億円)
▽35歳にして第一線で活躍する世界屈指のPKストッパー。母国の古豪ドムジャレの下部組織出身で、04年夏トップチームに昇格してから1年足らずでウディネーゼに引き抜かれた。レンタル移籍から復帰した2007-08シーズンから5シーズンに渡ってウディネーゼで正GKを務めた。特にウディネーゼ在籍最終年であった2011-12シーズンのパフォーマンスは圧巻であった。38試合でわずか35失点、さらにクリーンシートはおよそ半分の試合数にあたる17試合で記録。チームをセリエA3位に導く原動力となり、シーズン終了後にジュリオ・セーザルの後釜としてインテルに引き抜かれた。インテルへ移籍後もその勢いは留まることを知らず、13年から15年にかけてはセリエA記録である6本連続PKセーブを記録。現在セリエA通算で24本のPKを止めており、レジェンドGKジャンルカ・パリュウカの保持するPKストップ記録に並んだ。
▽元インテルの長友佑都とは非常に仲がよく、長友がガラタサライ移籍後も会うなど今でも交流を続けている。
● アレックス・メレト(Alex Meret)
代表:イタリア代表
Pos :GK
生年月日:1997/3/22(22歳)
身長/体重:190cm/82kg
現所属:ナポリ
ウディネーゼ在籍期間:2012年~2018年夏(2016年夏~2018年夏はレンタル移籍でSPALでプレー)
ウディネーゼ通算:2試合3失点
加入時:下部組織
移籍時:2200万ユーロ(約26億4000万円)
▽19年11月にイタリア代表デビューを飾ったナポリの正守護神。2012年にウディネーゼの下部組織に入団し、Bチームで主力選手としてプレーした。2014-15シーズンよりトップチームに定着し、2015-16シーズンのコッパ・イタリアでトップチームデビューを果たした。また、同シーズン終了後に行われたU-19欧州選手権ではイタリア代表の準優勝に大きく貢献。大会ベスト11にも選出された。翌2016-17シーズンはセリエBのSPALへレンタル移籍し、正GKとしてチームの49年ぶりのセリエA昇格と優勝に大きく貢献。翌2017-18シーズンもSPALでプレーし。ケガの影響で13試合の出場に留まったが印象的な活躍を披露。シーズン終了後にナポリに2200万ユーロの移籍金で引き抜かれた。ナポリ加入後も負傷に泣かされるが、コンディションさえ整えば正守護神としてプレーしている。
● マウリシオ・イスラ(Mauricio Isla)
代表:チリ代表
Pos :RSB
生年月日:1988/6/12(31歳)
身長/体重:176cm/75kg
現所属:フェネルバフチェ(トルコ)
ウディネーゼ在籍期間:07年夏~12年夏
ウディネーゼ通算:152試合7ゴール21アシスト
加入時:52万5000ユーロ(約6300万円)
移籍時:1390万ユーロ(約16億6800万円)
▽チリ代表を長く支えた守備のユーティリティプレイヤー。07年に行われたU-20W杯にチリ代表の主将として出場。この大会での活躍が認められ、同年夏にウディネーゼに引き抜かれた。入団当初はDMFやRSBなど様々なポジションで起用され、2009-10シーズン以降は不動のRWBとして活躍。3シーズンで6ゴール18アシストを記録するなどウディネーゼの快進撃を支えた。この活躍が認められ、12年夏にアサモアと共にユベントスに移籍。しかし、膝のケガなどの影響で期待通りの活躍が出来ず、2014-15シーズンからはQPRやマルセイユにレンタル移籍。16年夏にカリアリへ完全移籍し、翌年には現在も所属するフェネルバフチェへ活躍の場を移した。
▽非常に謙虚な性格で知られており、マルセイユへレンタル移籍した際には「自分はユベントスでプレーできるようなクオリティを持っていなかった」と語った。