理想を掲げた日本代表がスイス戦で露見した現実的着手すべき守備戦術

変わらない吉田麻也と川島永嗣の連携

 何度同様の光景を見たことか。2戦連続PKでの失点シーンはおろか、空中戦の対応時含め、吉田と川島は7年来のコンビ関係とは到底思えない連携の未徹底ぶりを露見させた。長友やCB槙野智章(浦和レッズ)が守備で奮闘する中、高めにポジショニングしていたRSB酒井高徳(ハンブルガーSV/ドイツ)と吉田のハーフスペースや、吉田と川島が飛び出すペナルティスポット付近へのハイボールを狙われていた格好だ。
 2014年までのザックジャパンには明らかな形があり、失策となった本番における「自分たちのサッカー」も形があった。ハリルジャパンも「デュエル・縦に速いサッカー」と戻るべきポイントが確実にあったが、西野ジャパンに未だ形は見えない。自らの理想を追い求めるばかりか、同種の失点パターンを世界に向けて発信してしまった日本代表にとって、理想のプラスの前に現実のマイナスを減らすことにも着手せねばならない。


  
 経験を重視した選出だった。その中で最もプレゼンスを光らせていたのは、代表キャップ数が最も少なく、スタメン最年少のMF大島僚太だった。

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