【選手名鑑】ニール・モペイの現在地|遂に本格ブレイク!ブライトンでプレーする万能型FW

 2シーズン連続でリーグ得点王に輝いたキリアン・ムバッペ(パリ・サンジェルマン)や、レアル・マドリードを始めとするビッグクラブが獲得に関心を示すエドゥアルド・カマヴィンガ(スタッド・レンヌ)といった10代から注目される逸材より若い年齢でリーグ・アン初ゴールを記録した選手がプレミアリーグでプレーしていることをご存知だろうか?

 その選手の名はニール・モペイ(ブライトン)だ。20年夏のブライトン加入以降、瞬く間に自身のポジションを確立し、第29節時点で8ゴール2アシストを記録。チーム総得点のおよそ30%のゴールに直接関与している。しかし、鮮烈デビューから考えるとそのキャリアは決して順風満帆だった訳ではなく、プロデビューから8シーズンが経過した2019-20シーズンに始めて1部のクラブでレギュラーに定着した。それではニール・モペイのこれまでのキャリアを振り返ろう。

目次



ニール・モペイのプレースタイルと選手紹介

● フィニッシャーとしてもパサーとしても機能する万能型FW。
● 利き足は右足だが左足やヘディングでのシュートの決定力も高く、2019-20シーズンは右足で2ゴール、左足で3ゴール、頭で3ゴールを記録している。
● 自分と同じように上背はないがゴールを量産するルイス・スアレス(バルセロナ)やセルヒオ・アグエロ(マンチェスター・シティ)らを敬愛している。

ニール・モペイのプロフィール

選手名 ニール・モペイ(Neal Maupay)
ポジション CF
出身 フランス/ロンドン
年齢/生年月日 24歳/1996年8月14日
身長・体重 173cm・69kg
現所属チーム/背番号/利き足 ブライトン(イングランド)/7/右足
代表/デビュー年 元フランスU-21代表/2014年3月4日
過去所属 ブレントフォード(イングランド)、サンテティエンヌ、ニース(フランス)など
クラブ・代表タイトル
個人タイトル ブレントフォード年間最優秀選手(2018-19)

幼少期からプロ選手になるまで

 ニール・モペイは1996年8月14日にフランスのヴェルサイユでフランス人とアルゼンチン人の母親の間に生まれた。モペイが5歳の頃、公務員の父親の転勤でフランス南部のコート・ダジュールへと引っ越す。2001年、6歳の時にモペイはUSヴァルボンヌという小さなクラブでサッカーキャリアをスタートさせた。2007年、モペイはヴァルボンヌの最高のプレイヤーの1人だったので、近くに拠点を置くニースのスカウトがモペイ宅を訪れ、ニースに加わるように説得。モペイとその家族はこれを受け入れ、ニースの下部組織へと移籍した。

 ニースの下部組織に加入後、モペイは前線でプレーする機会が増える。決して体が大きい訳ではなかったが、的確なポジショニングを武器にゴールを量産。この頃から当時アヤックスでプレーしていたルイス・スアレス(現・バルセロナ)を参考にプレーするようになっていた。

16歳でリーグ・アン初ゴール

 下部組織での活躍が評価され、2012年夏にモペイは16歳でトップチームに昇格。当時のニースの監督はクロード・ピュエル(現・サンテティエンヌ監督)であった。2012-13シーズンのリーグ・アン第5節、スタッド・ブレスト戦で後半ロスタイムより交代出場。リーグ・アン史上4番目に若い16歳と32日でのリーグデビューとなった。その後も途中出場より出場機会を掴み、後半87分から出番を得た第18節エヴィアン戦で待望の初ゴールを記録。16歳と4ヶ月と1日でのゴールというのはリーグ・アン史上2番目に若い記録である。年明けのクープ・ドゥ・フランス1回戦メス戦でもゴールを記録したモペイは、リーグ戦でも第21節リール戦、第25節バスティア戦と立て続けにゴールを記録した。16歳ながら公式戦4ゴールと鮮烈なデビューを飾ったモペイだったが、4月の練習中に右膝の前十字靭帯を断裂。長いリハビリ期間を要することとなり、復帰はおよそ8ヶ月後の2014年1月だった。

 復帰後、出場機会が増えるかと思われたモペイだったが、14年夏に加入したアラサヌ・プレア(現・ボルシアMG)の台頭もあり、2014-15シーズンはシーズンを通じてわずか公式戦5試合の先発出場に留まった。

出場機会を求めてニースを退団

 2015年夏、モペイは出場機会を求めて同じくリーグ・アンに所属していたサンテティエンヌへと完全移籍を果たした。デビュー戦で決勝点をアシストするなど好スタートを切ったと思われたが、クリストフ・ガルティエ(現・リール)監督の信頼を得られず、リーグ戦ではシーズンを通じて519分しか出番を与えられなかった。

 この頃モペイはイングランドのプレミアリーグでプレーする目標を持つようになり、16年夏に出場機会を求めフランス2部のスタッド・ブレストへレンタル移籍した。開幕スタメンを勝ち取ると、8月に行われた全4試合でゴールを記録。リーグの月間最優秀選手に選出された。シーズン中盤に膝の怪我による離脱もあったが、その後もゴールを量産しリーグ戦28試合でキャリアハイの11ゴールを記録した。

ブレントフォードでエースに

 17年夏、180万ポンドの移籍金でチャンピオンシップ(イングランド2部)に所属するブレントフォードへと完全移籍を果たした。背番号は「9」。開幕戦から出場機会を得るなどすぐにディーン・スミス監督(現・アストン・ビラ)の信頼を勝ち取り、第4節からはスタメンに定着した。結果的にイングランドの1シーズン目はリーグ戦42試合でチーム最多となる12ゴールを記録した。

2018-19シーズン、開幕戦で2ゴール1アシストを記録したモペイはその後も好調をキープ。8月に出場した4試合で5ゴール3アシストと覚醒し、リーグの月間最優秀選手に選出された。10月の監督交代後も引き継ぎエースとして活躍したモペイは、得点ランキング2位タイの25ゴールを記録。チームは13位でフィニッシュし昇格とはならなかったが、モペイ自身は多くのプレミアリーグのクラブからオファーを受けるなど個人昇格は確実の状況となった。

プレミアリーグに挑戦

 2019年8月5日、プレミアリーグに所属するブライトンがモペイを完全移籍で獲得したと発表した。推定の移籍金はクラブレコードとなる約1980万ポンド。レアンドロ・トロサールと同じく、グラハム・ポッター新体制の目玉の補強となった。加入から5日後に行われたワトフォードとの開幕戦、モペイは後半64分から出番を与えられると77分にダメ出しのチーム3点目となるゴールを記録。第3節からは前シーズンまでエースに君臨していたベテランFWグレン・マレーからポジションを奪い、第29節終了時点で28試合に出場し8ゴール2アシストを記録している。総得点32点のブライトンからするとおよそ30%のゴールに直接関与しており、加入1年目からそのポジションを確固たるものとした。まだ23歳ということもあり将来性抜群のモペイは、今後どのようなキャリアを歩んでいくのだろうか。

ニール・モペイの動画

《2019-20シーズンの全25ゴール》



年度別出場成績

2020-21/ブライトン(第5節終了時)

プレミアリーグ 5試合4ゴール1アシスト
EFLカップ    1試合

2019-20/ブライトン

プレミアリーグ 37試合10ゴール
FAカップ     1試合

2018-19/ブレントフォード

FLC      43試合25ゴール
FAカップ    4試合3ゴール
EFLカップ   2試合

2017-18/ブレントフォード

FLC      42試合12ゴール
FAカップ    1試合
EFLカップ   3試合1ゴール

2016-17/スタッド・ブレスト

リーグ・ドゥ 28試合11ゴール
クープ・ドゥ・ラ・リーグ 2試合

2015-16/サンテティエンヌ

リーグ・アン 15試合1ゴール
EL       2試合
EL予選     1試合
クープ・ドゥ・フランス 4試合2ゴール
クープ・ドゥ・ラ・リーグ 1試合

2014-15/ニース

リーグ・アン 13試合1ゴール
クープ・ドゥ・フランス 1試合
クープ・ドゥ・ラ・リーグ 1試合1ゴール

2013-14/ニース

リーグ・アン 16試合2ゴール
クープ・ドゥ・フランス 2試合1ゴール
クープ・ドゥ・ラ・リーグ 1試合

2012-13/ニース

リーグ・アン 15試合3ゴール
クープ・ドゥ・フランス 2試合1ゴール
クープ・ドゥ・ラ・リーグ 2試合





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