「残留はできた、次は…」ヨンソン監督を迎えた清水エスパルスが着手すべきは、チームカラーの擁立だ。広島・浦和は形は変わるもミシャスタイルが色濃く今季から札幌も名を連ねる。川崎・名古屋は風間イズムが浸透し、仙台・東京・湘南・磐田・ガンバ大阪・セレッソ大阪・鳥栖も実力かつ戦術意識の強い監督で構成される。鹿島・柏・マリノスは監督以上に色濃いチームカラーを有している。清水は一歩後手を踏んだ位置からのスタートだ。だからこそ、礎を築く年にすべきだろう。
【違いを見せる松原后を活かす布陣】
幾度の優勝経験をもつ実力者CBファン・ソッコが加入したバックラインでひときわ異彩を放つのがLSB松原后だ。多くのメディアからは12月のE-1選手権での選出まで推されるほどの評価を得た。推されるだけの実力は示してきたが、最も必要な時期に累積警告で欠場するなど、チームに迷惑をかけた2017シーズンでもある。しかし、左利きのサイドアタッカーとして必要な経験値は、今季のアシストランキングで必ずや反映されることだろう。そのために、バックラインは彼が上がる際のフォロー体制を考える必要がある。
【アシンメトリーな中盤構成】
SMF楠神順平の加入は大きい。降格してしまう前、SMF村田和哉が清水エスパルスに加入した感覚が近いものかもしれないが、たったひとりのリズムで試合を変えてしまえる能力を持つ。
OMF枝村匠馬、OMF白崎凌兵ら含めてオフェンシブな中盤ユニットは揃いに揃っている。ベンチ、サブ、ターンオーバー要因含めても競争は激化している。しかし、今季も大きく変わらないのは、「竹内・河井」体制のボランチラインに不測の事態が起こった場合にどうするかだ。
CMF兵働昭弘が復帰したところでファイタータイプは不足している。
【二頭体制は飼いならせるか】
今季の清水はどうしても2015年に似ている。何年もJリーグを見てきて、ここまで合わないかと思わされたのがST大前元紀(大宮アルディージャ)とFW鄭大世だった。今季は鄭大世とCFクリスランの2トップとなるが、果たしてシナジーは発揮されるか。
鄭大世ならFW北川航也、クリスランならST金子翔太の組み合わせのほうが動きにはあう。ただ、空中戦なら松原、ドリブル突破なら村田や楠神等攻撃の呼吸はあうように思える。
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