【W杯戦術解析】攻守明確な戦術無きメッシ依存とクロアチアの対応策

チームディフェンスの体を成していないアルゼンチン


 アルゼンチンDFは、左から攻めてくるクロアチアアタッカー陣に対して中央を締める形を取るも、一世代前の戦術だ。右サイドにDFが皆無だが、もしここから攻め上がってくるクロアチア側の選手がいたならば、結果として失点は免れなかった。ただ、モドリッチに対して3人で当たっている構図であり、ワンフェイクからのターンによって左ストッパーの脇にシュートスペースが生まれた。その前の時点において、ハーフスペースにそれぞれが入り込み、マンツーマンも考慮に入れたゾーンディフェンスに移行できていれば、シュートは打たれたにせよコントロールシュートの正確さを削ぐことはできた。


 アルゼンチンは戦術面のアップデートができなければ、ネクストステージでの活躍は難しい。対するクロアチアはモダンサッカーが展開できていたものの、戦術面でポイントとなるような強国とたいけつできていない点が今大会における問題でもある。しかし、MFラキティッチとモドリッチらで構成される中盤の攻守の動きには、現代戦術の粋が結集されており、対ノックアウトステージ用にモデルチェンジを施すことで今大会における躍進の象徴となる可能性は窺えた。



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