【W杯戦術解析】攻守明確な戦術無きメッシ依存とクロアチアの対応策

試合前からの悪い予感が的中したアルゼンチン

 当代屈指の大スター、FWリオネル・メッシが外したPKを誰が攻められようかー。各国紙・メディアの論調虚しく、初戦アイスランドとのドロー決着に厳しい批判が寄せられた。しかし、その批判を跳ね返すが如き戦術は、サンパオリ監督筆頭に持ち合わせていなかった。
 見抜いていたか、クロアチア代表キャプテンMFルカ・モドリッチは、ライバル関係にある所属チームのエースの異変を事前に察知していたようだ。試合中にもその精度は増していった。


 一部分だけにフォーカスしすぎた指摘は大した話にはならない。GKウィルフレード・カバジェロのキックミスは対策が狭まった故のものだ。不安に押し寄せられた人間は、スポーツでも仕事でも、人間関係でもミスが増えるものだ。カバジェロに負担がかかっていない状態ならば起こらなかったと言える。
 アルゼンチンの攻撃または前線からの守備の面がハマっていなかったことが理由となるのだろう。守備陣は過度な緊張状態または幾度か押し寄せてくるだろうクロアチアの攻撃に対し、不安感を覚えていたことが窺える。
 今大会戦術論の一つとなっているのが「ハーフスペース」だ。戦術論を有しているか、有してこそいるも、実行の可否によっているかが試合を見るだけでわかるものだ。



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