手放しで喜べない『結果』と選手の強みを活かす『ハーフスペースとワイドアロー』

ミドルシュートの本質を見誤った国内組GK

 パラグアイの枠内シュートは2本とガーナやスイスと比べても厚みのある攻撃はなかった。しかし、前後半それぞれの守護神を務めた東口順昭(ガンバ大阪)と中村航輔(柏レイソル)が遠方からの一撃に沈んだ。PK献上やGK・DFの連携ミスによる失点ではなかった。
 今回のパラグアイには、8年前日本代表がベスト8進出を阻まれた強さはなく、南米予選を終了後、協会内のドタバタ劇に巻き込まれた暫定政権かつチーム練習数日と、発足当初の西野ジャパンにも負けない掘っ立て小屋の状態だった。チームとしての強さはなかったが、セットプレーやセカンドアタックに繋げるため、遠方からでもゴールやディフェンダーめがけてシュートを打つ意識が根底から異なることを示していた。
 東口、中村ともに流れの中のコーチングやディフェンダーとの連携はできていたが、「打たれる可能性」を時折失念していたように思う。ただし、ハイボール処理やコーチングを考えれば、中村航輔には川島永嗣(メス)を超える可能性は感じられた。



 どのシーンを振り返っても、GKにとって、プレイヤーたちがブラインドになっていた可能性は高い。ただ、「誰かがブロックしてくれる」のではなく、「誰かにブロックされてもいいから狙ってくる」のがミドルシュートだ。



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