ロシアW杯日本代表の戦術論(2)~西野ジャパンに残された戦術と窮地に追い込まれた3選手~

(1)~西野朗新監督がサッカーのスタイルは何か~

ロシアW杯日本代表の戦術論(1)~西野朗新監督がサッカーのスタイルは何か~

26人で奏でられる残された戦術

複数の負傷選手出現により、国内屈指の戦術構成から早くも挫傷に乗り上げたパターンが生まれてしまった。しかし、まだ残るものはある。
・【4-2-3-1】2014ザックジャパン縦スピードスタイル
・【4-4-2】 伝統の鹿島スタイル
・【4-1-4-1】2017ACL王者堀浦和スタイル
・【3-2-4-1】2018大槻浦和スタイル
・【3-4-3】 ミシャ・森保融合型新スタイル
特に近年成果を残したスタイルで言えば、この4年間でもっとも国内で習熟度が高められた3バックスタイルとなりそうだ。


ダブルフリーマンの衝撃【3-4-3】

トルシエジャパンの「フラットスリー(宮本・森岡・松田)」、ジーコジャパンの「黄金の中盤(中田英・中村俊・小野・稲本)」、第二次岡田ジャパンの「アンカー(阿部・中澤・闘莉王)」、ザックジャパンの「縦長プレスショートカウンター(本田・遠藤)」と日本代表には各時代ごとに色を出してきた。強豪国と比較すれば「統一色」が薄く、最適解に到達していない印象もある。ジーコジャパンとザックジャパンはたしかにW杯で敗退してしまった。しかしそれは必ずしも揃うわけではなかった「黄金の中盤」とW杯時に何故か隠した「縦長プレスショートカウンター」という点が問題であり、FIFAランキングや欧州強国との対戦で考えれば、チェコに勝利しイングランドやドイツ、ブラジルに引き分けたジーコジャパン、アルゼンチンやフランス、ベルギーに勝利し、オランダやイタリアに善戦したザックジャパンは、日本代表の歴史において屈指のハイライトゲームになるほど強さを垣間見せていた。戦術的特色を持ち始めたトルシエジャパン以降、W杯出場に遜色ない強さを誇っているのが日本代表だ。その中で西野ジャパンがチャレンジするのは「ダブルフリーマン」だ。



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