ロシアW杯日本代表の戦術論(2)~西野ジャパンに残された戦術と窮地に追い込まれた3選手~

ベールを脱いだ西野・森保型


(画像1、紅白戦1本目)
まずは1本目からご覧頂きたい。スタメン組として配置されたのは画像の左に位置したメンバーだ。3バックの中央にはMF長谷部誠(フランクフルト/ドイツ)が位置し、RWBに原口元気(デュッセルドルフ/ドイツ)が配されている点は特異点と言える。その中で最も目を引くのは、【3-6-1】の攻撃的中盤に見えつつ、【3-4-3】の絞った前線にも見える宇佐美貴史(デュッセルドルフ/ドイツ)と本田圭佑(パチューカ/メキシコ)がやや異質な存在となる。
守備時は両WBが下がって【5-4-1】またはFW大迫勇也(ブレーメン/ドイツ)と宇佐美が前線に残り、本田がトップ下として残る【5-3-2】の可能性を残し、攻撃時は、長谷部とMF柴崎岳(ヘタフェ/スペイン)が一列上がり、宇佐美と本田がワイドに展開する【4-2-3-1】や長谷部をアンカーとした【4-1-2-3】を施せる可変型になる可能性があるものの、対戦相手を考えれば、やや守備的な布陣としてフィジカル的な本田とファンタジックな宇佐美に可能性を残した、依存型のフリーマンと考えられる。

(画像2、紅白戦2本目)
柴崎・本田・原口のセットから、MF大島僚太(川崎フロンターレ)・SB酒井宏樹(マルセイユ/フランス)・MF香川真司(ドルトムント/ドイツ)のセットへ変更。香川がより自由に動きやすいよう酒井宏がフィジカルやディフェンス面のサポートを行い、守備的な刈り取りや配球を得意とする大島をその裏へと配置している。

(画像3、紅白戦3本目)
長谷部の負傷により、ディフェンスラインを変化させた1本目に似た型を披露したのが3本目となる。DF植田直通(鹿島アントラーズ)、DF槙野智章(浦和レッズ)、DF吉田麻也(サウサンプトン/イングランド)を並べている。


当落線上の選手たちは

フィールドプレイヤー23名の内、主力組に配されたのは、
3回:吉田麻也、DF長友佑都(ガラタサライ/トルコ)、MF山口蛍(セレッソ大阪)、宇佐美貴史、大迫勇也
2回:長谷部誠、槙野智章、本田圭佑、柴崎岳、原口元気
1回:植田直通、DF昌子源(鹿島アントラーズ)、酒井宏樹、香川真司、大島僚太
であり、SB酒井高徳(ハンブルガー/ドイツ)、DF遠藤航(浦和レッズ)、MF三竿健斗(鹿島アントラーズ)、MF井手口陽介(クルトゥラル・レオネッサ/スペイン)、FW浅野拓磨(ハノーファー/ドイツ)、FW武藤嘉紀(マインツ/ドイツ)は控え組にのみでプレーした。またFW乾貴士(エイバル/スペイン)とFW岡崎慎司(レスター/イングランド)は別メニュー調整だった。
MF青山敏弘(サンフレッチェ広島)離脱時には、アンカー適応役が長谷部以外に三竿しか考えられなかったことから確定の可能性もあったが、『DF長谷部誠』かつ『ダブルボランチ』を主眼とするならば三竿の武器が一つ減ってしまう。乾、岡崎の負傷状態も心配だが、負傷中の選手を除く当落線上の筆頭候補は三竿健斗になってしまう。
つまり、紅白戦一戦目に出場しなかった3名が現時点での落選候補だ。ただし、彼らが復調するようであれば話は変わる。井手口、浅野、武藤らも落選候補となる可能性はあるのだ。負傷を抱えるGK東口順昭(ガンバ大阪)とGK中村航輔(柏レイソル)、乾、岡崎に加え、紅白戦では得点こそしたものの香川と井手口それに浅野はコンディション面で不安を抱えている。ガーナ戦は目前。すでに3名の負傷離脱が決まっている予備登録メンバーから、負傷による落選が相次がないことは願いたいものだ。

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