2018年10月27日、ブライトンに所属するイングランド人FWグレン・マレーがクラブ通算100ゴールを達成した。マレーが初めてブライトンに加入した08年、クラブは3部に所属していた。一時クラブを離れていた時期もあったが、17年夏にはブライトンをプレミアリーグ昇格へ導く原動力となり、17-18シーズンは34歳にしてプレミアリーグで初の二桁ゴールを達成。2018-19シーズンも得点ランキング上位にランクインしているマレーだが、プレミアリーグデビューを飾ったのは30歳。その前まではアメリカの2部や母国イングランドの下部リーグでプレーするなど『遅咲きのストライカー』として知られる。歳を重ねる度に成長し続ける苦労人のこれまでのキャリアを振り返る。
目次
- 【選手紹介】グレン・マレーのプレースタイルと選手紹介
- 【選手紹介】グレン・マレーのプロフィール
- 【ヒストリー】21歳でアメリカ移籍
- 【ヒストリー】下部リーグで経験を積む日々
- 【ヒストリー】当時3部のブライトンへ移籍
- 【ヒストリー】2部へとステップアップ
- 【ヒストリー】30歳にして初のプレミアリーグ
- 【ヒストリー】2度目のブライトン移籍。そして大記録達成。
- 【ディスコグラフィー】紹介動画
- 【ディスコグラフィー】年度別出場成績
- 【ディスコグラフィー】パラメータ・能力値※制作中
- 【年度別来歴】プロキャリア※制作中
- 【年度別来歴】アマチュア時代の評価※制作中
- 【年度別来歴】代表歴※制作中
- 【選手評価】スタッツ※制作中
- 【選手評価】市場価値※制作中
- 【選手評価】能力値変遷※制作中
グレン・マレーのプレースタイルと選手紹介
● 抜群の決定力とゴールへの嗅覚の持ち主で、そのほとんどのゴールがエリア内からのゴールである。データが存在する2015-16シーズン以降、マレーは44ゴールを決めているがその内の40ゴールがエリア内でのゴール。また、PKも得意で同じく2015-16シーズン以降に12ゴールを決めている。成功率は80%。
● また、183cmと圧倒的な上背がある訳ではないが空中戦に強い。2018-19シーズンは第10節終了時点でリーグ6位の51回の空中戦に勝利。勝率は52%。
● マレーはインタビューで、「私は3人の選手をのドリブルで抜き去るような選手ではない。自分のことを理解している。ゴールを決めるためには周りの選手のサポートが必要なんだ。」と語っているように1人で相手DFを抜き去るようなスピード、ドリブルテクニックを持ち合わせている選手ではない。フランス人FWアンソニー・ノッカールトやドイツ人MFパスカル・グロスらがゴール前でチャンスを作り、マレーが最後に仕留めるという形がブライトンの攻撃の形である。
● プレミアリーグデビューを飾ったのは30歳と遅咲きの選手。それまでは2部やそれ以下のカテゴリーでプレーしていた。また21歳の時にアメリカの2部のクラブでプレーしている。
● 2021年5月31日、2020-21シーズン限りで現役引退することが発表された。
グレン・マレーのプロフィール
選手名 | グレン・マレー(Glenn Murray) |
---|---|
ポジション | CF |
出身 | イングランド/メアリーポート |
年齢/生年月日 | 37歳/1983年9月25日 |
身長・体重 | 183cm・80kg |
現所属チーム/背番号/利き足 | ノッティンガム・フォレスト(イングランド)/25/右足 |
代表/デビュー年 | なし |
過去所属 | ボーンマス、クリスタル・パレス、レディングなど |
クラブ・代表タイトル | なし |
個人タイトル | チャンピオンシップ(イングランド2部)得点王(12-13)、PFA年間最優秀選手(12-13) |
21歳でアメリカ移籍
グレン・マレーは、1995年9月25日にイギリス北西部の港町「メアリーポート」に生まれた。02年からイングランド7部のワーキントンでプレーした後、04年2月当時21歳でUSL(アメリカ2部)のウィルミントン・ハンマーヘッズに移籍。14試合に出場し3ゴールを記録した。
下部リーグで経験を積む日々
2004年10月にバロー(当時7部)へ移籍。約半年で母国イングランド復帰を果たした。この地で6試合6ゴールを記録したマレーは、12月にカーライル・ユナイテッド(当時5部)へ完全移籍。2004-05シーズンをクラブはプレーオフの末、フットボールリーグ2への昇格を決めた。翌2005-06シーズンは控えに回り先発3試合に留まったが、チームは2年連続で昇格を果たした。
2006年8月にストックポート(当時4部)への短期レンタル移籍が発表された。4部へ2度目の挑戦となった06-07シーズンは、10月までに11試合3ゴールと結果を残した。そして10月にロッチデール(当時4部)への完全移籍が発表された。ロッチデールではシーズン途中加入ながらフットボールリーグ2で31試合16ゴール6アシストを記録。翌2007-08シーズンもシーズン前半戦だけで23試合9ゴールと大きく結果を残した。
当時3部のブライトンへ移籍
2008年1月にブライトン(当時3部)への完全移籍が発表された。シーズン途中加入ながらスタメンの座を掴み、フットボールリーグ1で21試合9ゴールとまたしても結果を残した。続く09-10シーズンは12ゴール、10-11シーズンは22ゴールとゴールを量産。在籍した2シーズン半で公式戦57ゴールを記録し、多くの2部のクラブからの関心が伝えられた。ちなみにこの時2トップを組んでいた相方は現在バーンリーでプレーするアシュリー・バーンズであり、控えFWにはクリス・ウッド(バーンリー)とFA東京でのプレー経験のあるフランシスコ・サンダサがいた。
2部へとステップアップ
2011年7月、ブライトンのライバルクラブであるクリスタル・パレス(当時2部)へフリー移籍することが発表。27歳にして初の2部挑戦となった。2011-12シーズンは、第12節までに4ゴールを記録するが、その後は伸び悩みリーグ戦38試合で5ゴールに終わった。翌2012-13シーズンはFWヤニック・ボラシー、FWウィルフレード・ザハ(現クリスタル・パと強力3トップを形成。開幕直後からゴールを量産し、リーグ42試合で30ゴールを記録。チームは4位でフィニッシュし、プレーオフの末にプレミアリーグ昇格を決めた。
30歳にして初のプレミアリーグ
プレミアリーグ昇格を果たした2013-14シーズンはシーズン前半戦は負傷のため欠場に日々が続いた。ようやく第25節WBA戦で途中出場を果たし、30歳でプレミアリーグデビューを飾った。復帰してから3戦目の第28節スウォンジー戦でプレミアリーグ初ゴールを記録。初挑戦となったプレミアリーグは14試合1ゴールでシーズンを終えた。
翌2014-15シーズンは2部のレディングへとレンタル移籍。リーグ戦18試合で8ゴールと結果を残し、15年1月にクリスタル・パレスへと復帰した。復帰してからは「救世主」の如くゴールを量産。わずか半年間の在籍だったがチーム1位の7ゴールを記録。チームの10位フィニッシュに貢献した。
2015年9月1日、移籍市場閉鎖間際にプレミアリーグ昇格組のボーンマスへの完全移籍が発表された。新天地でゴールの量産を期待されたが、シーズン終盤は出番が激減。プレミアリーグ21試合で3ゴールに終わり大きく期待を裏切った。
2度目のブライトン移籍。そして大記録達成。
2016年7月3日、ブライトン(当時2部)へレンタル移籍すると発表。5シーズンぶりに古巣復帰を果たした。慣れ親しんだクラブに復帰したマレーは完全復活。開幕戦でスタメンを掴むと第2節ノッティンガム・フォレスト戦で2ゴールを記録。その後もゴールを量産し、クラブはシーズン途中に完全移籍での獲得に切り替えた。結果、リーグ戦45試合で21ゴールを記録し、クラブをプレミアリーグ創設後初の1部昇格に大きく貢献した。
プレミアリーグへ昇格した2017-18シーズンもエースとしてゴールを量産。プレミアリーグ35試合で12ゴールを記録し、34歳にして初めてプレミアリーグで2桁ゴールを記録した。翌2018-19シーズンもプレミアリーグでエースとして大活躍。チームが得点力不足に喘ぐ中、第10節終了時点で得点ランキング3位タイの6ゴールを記録している。(結果的に2018-19シーズンは38試合に出場し13ゴールを記録。)2018年10月27日にブライトン通算100ゴールを達成。
キャリアの晩年
2018-19シーズンをもってクリス・ヒュートン監督が退任。後任にはかつてエステルスンド(スウェーデン)をUEFAヨーロッパリーグ出場に導き、2018-19シーズンはスウォンジーで指揮を執っていたグラハム・ポッターがブライトンの監督に就任。補強の目玉としてチャンピオンシップで得点ランキング2位の25ゴールを記録したニール・モペイをブレントフォードから獲得した。このモペイの加入に伴いマレーの出場機会は激減。2016-17シーズンにブライトンに復帰後、3シーズン連続で2桁ゴールを記録していたが2019-20シーズンは1ゴールに留まった。
、
ポッター体制で構想外となったマレーは、19年夏に同シーズンからチャンピオンシップに降格したワトフォードへローン移籍。しかし、ワトフォードではわずか5試合の出場に留まり、半年でブライトンに復帰。シーズン後半は同じくチャンピオンシップのノッティンガム・フォレストへフリートランスファーで移籍。チャンピオンシップで16試合に出場し2ゴールを記録した。2021年5月31日に自身のSNSで現役引退を発表した。
グレン・マレーの動画
《ブライトンでのトップ10ゴール》
年度別出場成績
FLC(英2部) 5試合0ゴール
EFLカップ 1試合0ゴール
FLC(英2部) 16試合2ゴール
プレミアリーグ 23試合1ゴール
EFLカップ 1試合1ゴール
プレミアリーグ 38試合13ゴール
FAカップ 3試合2ゴール
プレミアリーグ 35試合12ゴール
FAカップ 3試合2ゴール
FLC(英2部) 45試合23ゴール
FAカップ 1試合0ゴール
EFLカップ 1試合0ゴール
プレミアリーグ 19試合3ゴール
FAカップ 3試合1ゴール
FLC(英2部) 18試合8ゴール
プレミアリーグ 17試合7ゴール
FAカップ 2試合0ゴール
EFLカップ 1試合0ゴール
プレミアリーグ 14試合1ゴール
FLC(英2部) 42試合30ゴール
FLCプレーオフ 1試合0ゴール
FAカップ 1試合1ゴール
EFLカップ 1試合0ゴール
FLC(英2部) 36試合6ゴール
EFLカップ 6試合1ゴール
FL1(英3部) 42試合22ゴール
FAカップ 7試合0ゴール
EFLトロフィー 1試合0ゴール
FL1(英3部) 32試合12ゴール
FAカップ 3試合2ゴール
EFLカップ 1試合0ゴール
FL1(英3部) 23試合11ゴール
FAカップ 1試合0ゴール
EFLカップ 3試合1ゴール
FL2(英4部) 23試合9ゴール
FL1(英3部) 21試合9ゴール
FL2(英4部) 11試合3ゴール
FL1(英3部) 1試合0ゴール
FL2(英4部) 31試合16ゴール
FL2(英4部) 26試合3ゴール
FAカップ 1試合0ゴール
EFLトロフィー 1試合0ゴール
カンファレンス・ノース 6試合6ゴール
カンファレンス・ナショナル 19試合2ゴール
USL(米2部) 14試合3ゴール
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