<前回対戦とは変わったオーストラリアの姿>
日本代表は8月31日に、ロシア・ワールドカップ(W杯)アジア最終予選でオーストラリアと対戦する。現在、日本は残り2試合を残し、勝ち点17でグループB首位。2位サウジアラビア、3位オーストラリアとの勝ち点差はわずか「1」だが、29日に行われたゲームでサウジアラビアがUAEに敵地で1-2と敗れたことで優位な状況に立った。仮にこのオーストラリア戦で引き分け以下に終わっても、最終戦でサウジアラビアに引き分け以上の結果を収めれば自力でW杯出場権を獲得できる。
もっとも、最終戦の会場は灼熱の敵地ジッダだ。完全アウェーでの難敵サウジアラビア戦を考えれば、日本としてはやはりこのオーストラリア戦で勝利して突破を決めたい。しかし、バヒド・ハリルホジッチ監督率いるチームの状況は芳しくない。欧州組を中心に多くの選手に怪我や試合勘不足が見受けられ、また昨年10月の前回対戦で1-1と引き分けたオーストラリアは、コンフェデレーションズカップで並み居る強豪国に対して善戦し、世界からの評価を高める戦いを演じてみせた。
オーストラリアの戦い方は前回の日本戦以降、大きく変容している。以前の「4-3-1-2」から、世界的に見ても珍しい「3-2-4-1」にシステムが変更されたことで、攻撃パターンも含めてすべてが変化した。日本からすれば、2006年ドイツW杯グループリーグでの逆転負け(1-3)や、2011年アジアカップ決勝の死闘(1-0)など、圧倒的なフィジカルから繰り出されるアクションの数々に圧倒されてきた歴史があり、データ的にも「日本が予選で対オーストラリア戦未勝利」と、過去から続く“苦手意識”が色濃く残ってしまっている。
今回はオーストラリアの変化について、データを用いながら得点パターンなどを分析し、日本の取るべき守備戦術、キーマンを紹介する。