選手やフロントとの確執が噂されていたアントニオ・コンテ前監督を解任し、新たにナポリから智将マウリツィオ・サッリ監督を招聘したチェルシー。2018-19シーズンは、エースのアザールの大活躍もあり首位争いを繰り広げている。
チェルシーの復活と同時に1人の選手が復活を遂げた選手がいる。かつてイングランドのレジェンド「ポール・ガスコイン」と比較されていたロス・バークリーだ。17歳でプレミアリーグデビューを果たし、20歳でブラジルW杯にイングランド代表として出場。順風満帆のキャリアを歩んでいたバークリーだったが、ここ数年は戦術的理由やハムストリングの負傷の影響でその名を聞く機会が徐々に減っていった。18年冬にチェルシーへとステップアップを果たしたが、新天地でも負傷の影響などで昨季はわずか公式戦4試合の出場に留まった。その男が今季、既にリーグ戦だけで7試合に出場し3ゴール2アシストを記録(2018/10/28現在)。10月にはおよそ2年半ぶりにイングランド代表へと復帰し、完全復活を遂げたのであった。
目次
- 【選手紹介】バークリーのプレースタイルと選手紹介
- 【選手紹介】バークリーのプロフィール
- 【ヒストリー】幼少期からプロ選手になるまで
- 【ヒストリー】17歳でプレミアリーグデビュー
- 【ヒストリー】イングランド期待の星に
- 【ヒストリー】順風満帆かと思われたキャリアだったが…
- 【ヒストリー】望んだステップアップ
- 【ヒストリー】サッリ監督の下で完全復活
- 【ヒストリー】NEWハムシク
- 【ディスコグラフィー】紹介動画
- 【ディスコグラフィー】年度別出場成績
- 【ディスコグラフィー】パラメータ・能力値※制作中
- 【年度別来歴】プロキャリア※制作中
- 【年度別来歴】アマチュア時代の評価※制作中
- 【年度別来歴】代表歴※制作中
- 【選手評価】スタッツ※制作中
- 【選手評価】市場価値※制作中
- 【選手評価】能力値変遷※制作中
バークリーのプレースタイルと選手紹介
189cmと恵まれた体格の持ち主でフィジカルはもちろんスピード、パス、足元の技術に長けている選手。また、得点力がありミドルシュートも得意。2018-19シーズンの目標は「20ゴール」。
一方、ボールロストが多いことで知られ、エバートン在籍時にはクーマン監督(当時)によってハーフタイムでの交代が命じられている。また、エバートン在籍時には集中力の欠如などが指摘されていたが、チェルシー加入後は大幅に改善されたようだ。
バークリーのプロフィール
選手名 | ロス・バークリー |
---|---|
ポジション | OMF/CMF |
出身 | イングランド/リバプール |
年齢/生年月日 | 26歳/1993年12月5日 |
身長・体重 | 189cm・76kg |
現所属チーム/背番号/利き足 | チェルシー(イングランド)/8/右足 |
代表/デビュー年 | イングランド代表/2013年9月6日 |
過去所属 | エバートンなど |
クラブ・代表タイトル | FAカップ(チェルシー) |
個人タイトル | エバートン年間最優秀若手選手(2012-13、2013-14) |
幼少期からプロ選手になるまで
ロス・バークリーは、1993年12月5日にイングランドの大都市「リバプール」で生まれた。父方の祖父はナイジェリア人で、バークリー自身もナイジェリア代表になる資格を擁していたがイングランド代表を選択している。また、「バークリー」というのは母親の旧姓。
2005年、父の影響で11歳の時にウェイン・ルーニー(現DCユナイテッド)らを輩出したエバートンの下部組織に入団。当時から抜きん出た才能の持ち主だったそうで、15歳の時にはU-18チームでプレーしていた。10-11シーズンからはトップチームの練習に参加。プレミアリーグデビューが期待されたが、イングランドU-19代表の試合中にDFアンドレ・ウィズダム(現ダービー)と衝突し大怪我を負った。結局、同シーズンに復帰できずデビューは翌シーズンへと持ち越された。
17歳でプレミアリーグデビュー
11-12シーズン第2節QPR戦でプレミアリーグデビュー。いきなりスタメンフル出場を果たすなど戦列なデビューだった。エバートンのOBを始めとするがイングランドのサッカー関係者は「この国史上最高の選手となる」と大きな期待を寄せていた。しかし、当時エバートンには元南アフリカ代表MFスティーブン・ピエナール(現役引退)や元オランダ代表MFロイストン・ドレンテ(現スパルタ・ロッテルダム)ら実力者が多く在籍していたこともあり出場機会確保には至らなかった。
翌12-13シーズンは、当時2部のシェフィールド・ウェンズデイとリーズへとレンタル移籍。2月にエバートンへ復帰するまで主力を担った。復帰してからはコンスタントに出場機会を掴んだ。
イングランド国民の期待の星に
19歳で迎えた13-14シーズン、遂にエバートンで本格ブレイクを果たす。開幕戦のノーリッジ戦でスタメンを掴むと、61分にプレミアリーグ初ゴールを記録。同年9月にイングランド代表へ初選出された。その後も彗星の如く現れたバークリーの勢いは留まることを知らず、プレミアリーグ33試合で6ゴール2アシストを記録。この活躍を受けてPFA年間最優秀若手選手にもノミネートされた。また、シーズン終了後に開催されたブラジルW杯のイングランド代表メンバーにも当時20歳で選出。チームはグループステージで敗退するも、バークリーは全3試合に出場するなど存在感を発揮。弱冠20歳でW杯に出場したことでイングランド国民の期待は最高潮に高まっていた。
順風満帆かと思われたキャリアだったが…
この活躍を受けてチェルシーやトッテナムが獲得に興味を示していたが、14年7月末にはエバートンとの契約を2018年夏まで延長。自らが育ったクラブに忠誠を誓ったのであった。14-15シーズン序盤は負傷の影響で出遅れ、シーズンを通じてわずか2ゴールに終わった。攻撃的な選手では物足りない数字ではあったが、続く15-16シーズンはプレミアリーグで8ゴールを記録し完全復活。カップ戦でもそれぞれ2ゴールずつ記録し、公式戦で12ゴールを記録した。シーズン終了後のEURO2016のイングランド代表にも選出された。しかし、当時PFA年間最優秀若手選手に輝いたデル・アリ(トッテナム)が大活躍していた時期であり、バークリーは1分も出場することなく大会を去った。16-17シーズンもプレミアリーグで5ゴール9アシストと結果を残したが、イングランド代表に自分の居場所はなかった。
望んだステップアップ
17年夏、残り1年となったエバートンとの契約延長を拒否。エバートンはフリーでの放出を避けるためにバークリーの放出は止む終えないとし、クーマン監督(当時)も移籍の可能性を示唆していた。しかし、当時バークリーは鼠径部を負傷しており復帰するまでの移籍を拒否。チェルシーとはクラブ間で合意に至ったが破断となった。この鼠径部の負傷からの復帰が予定されていた以上に長引き、12月末に満を持して練習に復帰。1月に半年越しのチェルシーへの完全移籍が発表された。背番号はランパードやオスカルが着用した「8」。しかし、コンテ監督(当時)率いるチェルシーでは負傷の影響などでほとんど出場機会を掴むことができず、半年間でプレミアリーグわずか2試合の出場に留まった。
サッリ監督の下で完全復活
シーズン終了後、選手やフロントと対立していたアントニオ・コンテ前監督が解任。新たにナポリで結果を残していたマウリツィオ・サッリ監督を招聘した。するとバークリーにも出場機会が訪れる。リーグ開幕前のコミュニティーシールドで先発フル出場を果たすと、リーグ戦でも開幕スタメンの座をゲット。10月にはおよそ1年半ぶりにイングランド代表へ復帰を果たし、第8節から第10節にかけて3試合連続ゴールを記録した。
バークリーが出場機会を掴んだことには理由がある。サッリ監督はCMFにも「得点力」を求めているのだ。17-18シーズン、ナポリでCMFのポジションで出場した主な4選手(ハムシク、ジエリンスキ、アラン、ログ)で計16ゴールを記録している。一方、17-18シーズンのチェルシーは中盤の選手に得点力を求めておらず、カンテ、セスク、ドリンクウォーター、バカヨコの4名で計6ゴールに留まっている。
現在、チェルシーにはバークリー以外にもCMFにマテオ・コバチッチ、セスク・ファブレガス、ルベン・ロフタス=チーク、ダニー・ドリンクウォーターといった実力者が在籍している。その中でもバークリーは、得点力を始め年齢やプレースタイルから考えて最もアグレッシブで計算立つ選手と言っても過言ではないだろう。事実、2018-19シーズンは既に第10節終了時点で3ゴールを記録している。
NEWハムシク
サッリ監督の下でバークリーが参考にすべき選手はナポリに所属するスロバキア代表MFマレク・ハムシクだろう。元々OMFのハムシクは、サッリ政権時は左のインサイドハーフで起用。頻繁にゴール前に飛び出してサッリ監督がナポリを率いた3シーズン、セリエAで25ゴールを記録した。そして現在、サッリ監督が率いるチェルシーの左のインサイドハーフでポジションを掴んでいるのがロス・バークリーだ。バークリー自身も従来のポジションはOMFとハムシクとの共通点も多い。今季バークリーが「NEWハムシク」となることが出来れば、チェルシーがプレミアリーグを制覇する可能性も高くなるだろう。
バークリーの動画
年度別出場成績
プレミアリーグ 21試合1ゴール
UCL 2試合0ゴー
FAカップ 5試合3ゴール
EFLカップ 1試合1ゴール
UEFAスーパー杯 1試合0ゴール
プレミアリーグ 27試合3ゴール
EL 12試合2ゴール
FAカップ 3試合0ゴール
EFLカップ 5試合0ゴール
コミュニティーシールド 1試合0ゴール
プレミアリーグ 2試合0ゴール
EFLカップ 1試合0ゴール
プレミアリーグ 36試合5ゴール
FAカップ 1試合0ゴール
EFLカップ 2試合1ゴール
プレミアリーグ 38試合8ゴール
FAカップ 4試合2ゴール
EFLカップ 6試合2ゴール
プレミアリーグ 29試合2ゴール
EL 5試合0ゴール
FAカップ 2試合0ゴール
EFLカップ 3試合0ゴール
プレミアリーグ 34試合6ゴール
FAカップ 3試合1ゴール
EFLカップ 1試合0ゴール
プレミアリーグ 7試合0ゴール
FAカップ 1試合0ゴール
EFLカップ 1試合0ゴール
FLC(英2部) 13試合4ゴール
FLC(英2部) 4試合0ゴール
プレミアリーグ 6試合0ゴール
FAカップ 1試合0ゴール
EFLカップ 2試合0ゴール
プレミアリーグ 0試合0ゴール
EFLカップ 0試合0ゴール
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