【日本代表】攻守両面でカギを握る存在と戦略【3月海外遠征シリーズ】

 ハリルホジッチのコメントも踏まえた大枠のリストは、負傷離脱中・出場機会を必要とする選手たちで決まっているだろうことがうかがえる。
・吉田麻也不在による森重真人の選出
・出場機会に悩む井手口陽介・浅野拓磨への言及
・負傷離脱中の香川真司・清武弘嗣・今野泰幸への言及
・結果・数値コミットを必要とする岡崎慎司・乾貴士への言及
 常連の西川周作・酒井高徳・三浦弦太・倉田秋もチームとしての結果を残せば閉ざされているわけではない。
 もし全員の出場が叶うならば、下からの突き上げがなかった場合、今回選出されていないメンバーが残ることになる。『潜在能力』を踏まえた上での代役探しが今回のポイントとなる。

 本田や香川の名で表現されるハリルジャパンだが、それは違う。キーマンは【酒井宏樹】だ。
 ザックジャパンの「左で作って右で仕留める」スタイルに対し、ハリルジャパンは「右を中心とした対角サイド」を基本としている。右サイドバックがアクションすれば、左サイドバックは守備に回り、左ウイングがフィニッシャーになる。左サイドバックが起点となれば、その逆だ。サイドバックには攻守両面でベストな資質を持った選手でなければこの戦術は機能しない。
 世界でも希少な「ネイマールレベル」でも封じ込められるサイドバックの酒井宏樹をハリルホジッチは相当にかっている。もし酒井宏と長友が共に選出不可であればガラリと変えるだろう。一方を途中交代させる場合、同レベルの控え選手か、センターバックもこなすことのできるサイドバックを投入することで、チーム戦術を全うさせる。
 ディフェンダーのラインナップを確認してもらいたい。かなり細かくポジションを規定してみよう。
 森重 真人(フィード型CB)
 昌子 源 (オールラウンド型CB)
 槙野 智章(ビルドアップ型CB・守備型LSB)
 植田 直通(オールラウンド型CB・守備型RSB)
 酒井 宏樹(オールラウンド型RSB)
 遠藤 航 (守備型RSB・バランス型DMF・ビルドアップ型CB)
 車屋紳太郎(攻撃型LSB・フィード型CB)
 宇賀神友弥(守備型LSB・ビルドアップ型CB)
 吉田 麻也(オールラウンド型CB)
 三浦 弦太(フィード型CB)
 酒井 高徳(守備型RSB・攻撃型LSB・バランス型DMF)
サイドバックの控えとして呼ばれた3選手の共通点は「センターバックも務めるサイドバック」だ。さらにこれは植田・槙野にも共通する。
 カウンター戦術が基本となる本大会は、CBは中央に位置して侵入を防ぐ。控えの4枚はサイドのできるセンターと、センターのできるサイドの4枚だ。キーマンである以上に替えもきかない酒井宏樹にはいなくなられては困る存在だ。

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