
2019年1月23日、スペインの強豪バルセロナがアヤックスからオランダ代表MFフレンキー・デ・ヨングを完全移籍で獲得したと発表した。契約は2019年7月1日からの5年契約。移籍金は7500万ユーロ(約94億円)に加えて1100万ユーロ(約14億円)の出来高ボーナスが加算され、最大8600万ユーロ(約107億円)となると発表された。これはオランダ人史上最高額の移籍金である。それではデ・ヨングのこれまでのキャリアの軌跡やプレースタイルを探っていこう。
フレンキー・デ・ヨングのプレースタイルと選手紹介
バルセロナのレジェンドであるシャビが「セルヒオ・ブスケツのような選手だね。」と賛辞を惜しまない神童。本職は守備的MFだが、センターラインであればどこのポジションでもプレー可能なユーティリティープレイヤー。ヴィレムⅡのU-23チームに所属していた頃はCFでも出場している。
屈強なメンタリティの持ち主であるデ・ヨングは、ボールを持てば”直感”で何かしらのアクションを起こす。ポジションだけでなくプレースタイルも”万能”であるデ・ヨングの最大の特徴は「ドリブル」だろう。相手選手のプレスを”いなし”ながら前へとボールを運び多くのチャンスを演出する。ちなみに昨季のドリブル成功率はリーグ1位の93%であった。(参考までに昨季のFWネイマール成功率が”62%”、MFチアゴ・アルカンタラが”57%”である。また、昨季のパス成功率91%もリーグ1位の成績だ。)
同じバルセロナでプレーするフランス代表FWアントワーヌ・グリーズマンは「今まで対峙した選手の中で1番の選手だ。」と賛辞を送った。
ヴィレムⅡの下部組織時代から”Mikky Kiemeney”と交際を続けている。彼女はHCデン・ボスというホッケーのチームでプレーしているアスリートであり、デ・ヨングとはアムステルダムで一緒に生活しています。彼女のInstagram、もしくはデ・ヨングのInstagramから熱々なカップルの様子が伺えるのでフォローしてみて下さい!
フレンキー・デ・ヨングのプロフィール
選手名 | フレンキー・デ・ヨング(Frenkie de Jong) |
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ポジション | DMF/CMF/CB |
出身 | オランダ/アルケル |
年齢/生年月日 | 22歳/1997年5月12日 |
身長・体重 | 180cm・70kg |
現所属チーム/背番号/利き足 | バルセロナ(スペイン)/21/右足 |
代表/デビュー年 | オランダ代表/2018年9月6日 |
過去所属 | ヴィレムⅡ |
クラブ・代表タイトル | エールディビジ:1回、KNVBカップ:1回 |
個人タイトル | なし |
幼少期からプロ選手になるまで
フレンキー・デ・ヨングは、1997年5月12日にオランダ南部の都市「アルケル」に生まれた。両親は共にアマチュアサッカー選手で、祖父もアマチュアサッカー選手。弟のユーリ・デ・ヨングも地元のASKアルケルでプレーしていた。家族全員がフェイエノールトファンである。
デ・ヨングは地元のASKアルケルというアマチュアクラブでサッカーキャリアをスタートさせた。7歳の時、フェイエノールトとヴィレムⅡのトライアルを受験。そして驚くことにヴィレムⅡの下部組織を選択したのであった。飛び抜けた才能の持ち主だったそうで、当時のヴィレムⅡのU-15監督は、「彼はファンタスティックなテクニックの持ち主だ。それは生まれ持った才能だ。他の選手はある程度の技術レベルに達するまでに多くのプレー経験が必要だが、彼は自分のクオリティーを証明するための時間は必要ありませんでした。」と称賛している。
オランダ有数の若手選手へと成長
U-21チームで大活躍していたデ・ヨングは、2015年5月に行われたエールディビジ第33節デン・ハーグ戦でトップチームデビューを飾る。わずか22分の出場であったが印象的なプレーを披露した。シーズン終了後、デ・ヨングに対してはアヤックスとPSVが獲得に興味を示した。
2015年8月、アヤックスがデ・ヨングを完全移籍で獲得したと発表した。1年間は出場機会確保のためにヴィレムⅡへレンタル移籍という形で残留したが、トップチームで殆ど出場機会を得ることなく半年でアヤックスに復帰。復帰後はセカンドチームで出場機会を経て15試合に出場した。
2016-17シーズン、セカンドチームを主戦場としながらも、シーズン後半からはトップチームの試合にも帯同するようになる。そして2017年2月に行われた第22節スパルタ・ロッテルダム戦で途中出場を果たし、トップチームデビューを飾った。5月に行われた第33節ゴー・アヘッド・イーグルス戦ではプロ初ゴールを記録した。
一躍ビッククラブ注目の的に!
2017-18シーズン、MFダフィ・クラーセンのエバートン移籍などもありレギュラーとしてトップチームに定着。中盤からCBまで幅広くこなすユーティリティ性に加え、”成功率93%”を記録したテクニカルなドリブルと”成功率91%”を記録した正確なパスを武器にチームの強力攻撃陣を見事にサポート。(ちなみにこの2つのスタッツはリーグ1位!)。中盤の選手として出場した試合は10試合程度だったが、その中で7アシストを記録するなど”技術”だけでなく”数字”でもしっかりと結果を残した。この結果、バルセロナを始めレアル・マドリード、マンチェスター・ユナイテッド、マンチェスター・シティ、トッテナム、パリ・サンジェルマンなど欧州を代表する強豪クラブが獲得に興味を示した。
新たな時代へ
続く2018-19シーズンもアヤックス不動のレギュラーとしてプレー。クラブでの活躍が認められ、2018年9月にはロナルド・クーマン氏が率いるオランダ代表に初選出。9日6日に行われた国際親善試合ペルー戦で後半開始から途中出場。21歳3ヶ月25日という若さでA代表デビューを飾った。また、奇しくもこの試合はオランダ代表のレジェンドであるヴェスレイ・スナイデルの代表引退試合でもあった。オランダ代表はロッベン、スナイデルの代表引退により1つの時代に終わりを告げ、デ・ヨングらの代表デビューにより”新たな時代”の始まりを告げた。
そして2019年1月23日。マンチェスター・シティやパリ・サンジェルマンらとの争奪戦を制してバルセロナへの完全移籍が発表された。かねてよりバルセロナの背番号「10」リオネル・メッシの大大大ファンであると明かしていたデ・ヨング。本人にとっても、選手・サポーターにとってもバルセロナデビューの瞬間が待ちきれないことだろう。
デ・ヨングの動画
年度別出場成績
ラ・リーガ 26試合2ゴール2アシスト
UCL 7試合0ゴール0アシスト
コパ・デル・レイ 3試合0ゴール2アシスト
スーペルコパ 1試合0ゴール0アシスト
エールディビジ 31試合4ゴール4アシスト
UCL 11試合0ゴール0アシスト
UCL予選 6試合0ゴール0アシスト
KNVPカップ 1試合0ゴール0アシスト
エールディビジ 22試合0ゴール7アシスト
EL 4試合1ゴール0アシスト
UCL予選 2試合0ゴール0アシスト
EL予選 0試合0ゴール0アシスト
KNVPカップ 2試合1ゴール1アシスト
エールディビジ 4試合1ゴール0アシスト
KNVPカップ 3試合0ゴール0アシスト
ジュピラーリーグ 31試合6ゴール8アシスト
ジュピラーリーグ 15試合2ゴール3アシスト
エールディビジ 1試合0ゴール0アシスト
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