【リーグ紹介】代表クラスがずらり!”中東”サウジアラビアでプレーする大物選手(2018-19)

19年冬に夏の大型補強を上回る”超大型補強”を敢行!

【アル・イティハド】
監督:スラベン・ビリッチ

《クラブ紹介》
前述した3チームとは異なり下位に沈むアル・イティハド。シーズン開幕前の18年夏にも大型補強を敢行していたのだが、彼らが期待されていた程の活躍を見せていなかった。この状況に危機感を感じたクラブの幹部たちは、18年10月に昨季途中までウェストハムを率いていたクロアチア人指揮官スラベン・ビリッチ氏を招聘。さらに年が明け19年1月になると夏の大型補強を遥かに上回る”超大型補強”を敢行。シーズン後半戦に向けて巻き返しを図るために必要な戦力は揃った。

《注目選手》
● マルセロ・グロエ(Marcelo Grohe)
代表:ブラジル代表
Pos :GK
生年月日:1987/1/13(32歳)
身長/体重:188cm/80kg
前所属:グレミオ(ブラジル)


*グレミオ在籍時

▽最も衝撃を受けた移籍だ。2004年にトップチーム昇格後、グレミオ一筋だったブラジル代表GKが中東に上陸した。2012シーズンに正守護神の座を射止めると、以後ほとんどの試合でゴールマウスを守った。グレミオ通算249試合200失点、グリーンシート123試合という偉大な記録を携えて、19年冬に国内リーグで下位に沈むアル・イティハドへの完全移籍が発表された。

● マヌエル・ダ・コスタ(Manuel da Costa)
代表:モロッコ代表 *ロシアW杯メンバー
Pos :CB
生年月日:1986/5/6(32歳)
身長/体重:190cm/80kg
前所属:イスタンブール・バシャクシェヒル(トルコ)


*モロッコ代表
▽これまで10以上のクラブに在籍した経験豊富な大型CB。フランスでポルトガル人とモロッコ人の両親に間に生まれ、ユース代表はポルトガルを選択していた。ナンシーの下部組織出身で、2005-06シーズン中にプロデビューを果たした。その後はPSVやフィオレンティーナ、ウェストハム、ロコモティフ・モスクワなど欧州の様々なクラブを渡り歩き17年夏にオリンピアコスからイスタンブール・バシャクシェヒルに加入。昨季後半から出場機会を掴み、今季はスュペル・リグ12試合で3ゴールを記録していた。19年冬にアル・イティハドへ完全移籍。

● セク・サノゴ(Sékou Sanogo)
代表:コートジボワール代表
Pos :DMF
生年月日:1989/5/5(29歳)
身長/体重:182cm/81kg
前所属:ヤングボーイズ(スイス)


*ヤングボーイズ在籍時

▽昨季、スイスの古豪をヤングボーイズを32年ぶりの国内リーグ優勝に導いた立役者の1人。母国のクラブでキャリアをスタートさせ、11年冬にスイスのトゥーンへ完全移籍を果たし欧州へ上陸。トゥーンやローザンヌ・スポルトでの活躍が評価され、14年夏にヤングボーイズへ完全移籍。大怪我により戦列を離れる時期もあったが主力選手として定着。特に昨季はリーグ戦27試合で5ゴールを奪うなどキャリアハイの成績を収め、クラブの優勝に大きく貢献した。今季もUEFAチャンピオンズリーグで4試合に出場するなどクラブの中心選手として活躍していた。19年冬にアル・イティハドへ完全移籍。

● カリム・エル・アーマディ(Karim El Ahmadi)
代表:モロッコ代表 *ロシアW杯メンバー
Pos :CMF/DMF
生年月日:1985/1/27(33歳)
身長/体重:179cm/78kg
前所属:フェイエノールト(オランダ)


*モロッコ代表

▽昨季、オランダの名門フェイエノールトで主将を務めたモロッコ代表MF。オランダ生まれの同選手は、08年にフェイエノールトに入団。中盤の要として活躍し、12年夏にアストン・ビラへ移籍。そして、14年夏に再びフェイエノールトへ復帰を果たした。2016-17シーズンをもって同クラブのレジェンドであるカイトが引退し、その後を引き継ぐ形で主将に就任。ロシアW杯では3試合に出場した。18年夏にアル・イティハドへ完全移籍。

● ガリー・ロドリゲス(Garry Rodrigues)
代表:カーボベルデ代表
Pos :LWG/RWG
生年月日:1990/11/27(28歳)
身長/体重:170cm/70kg
前所属:ガラタサライ(トルコ)


*ガラタサライ在籍時

▽日本代表DF長友佑都と共にガラタサライの左サイドを牽引していた快速WG。オランダ生まれでフェイエノールトの下部組織などで育成された。しかし、オランダでは芽が出ず13年冬にブルガリアのレフスキ・ソフィアへ完全移籍。2013-14シーズンにリーグ戦20試合で9ゴールを奪いブレイクを果たした。その後はエルチェやPAOKでプレーし、17年冬にガラタサライへと加入。加入2シーズン目の2017-18シーズンはリーグ戦33試合で9ゴールを記録するなどクラブの優勝に大きく貢献した。今季もUEFAチャンピオンズリーグでグループ全6試合に出場するなど中心選手として活躍していた。19年冬にアル・イティハドへと完全移籍。

● アレクサンダル・プリヨビッチ(Aleksandar Prijovic)
代表:セルビア代表 *ロシアW杯メンバー
Pos :CF
生年月日:1990/4/21(28歳)
身長/体重:191cm/88kg
前所属:PAOK(ギリシャ)


*PAOK在籍時

▽昨季のギリシャリーグ得点王。スイス生まれのためユース代表はスイス代表を選択していた時期もあった。スイスのザンクトガレンやイタリアのパルマ、イングランドのダービーを経て10年冬にスイスのシオンへと加入。加入初年度から6ゴールを記録するなど結果を残した。その後はノルウェーやスウェーデン、トルコ、ポーランドなどのクラブを経て17年冬にギリシャの強豪PAOKへと加入。加入2シーズン目の昨季はリーグ戦27試合で19ゴールを記録しリーグ得点王に輝いていた。今季もエースとして活躍しており、公式戦27試合で18ゴールを記録していた。19年冬に低迷しているアル・イティハドの救世主と期待され、サウジアラビアへと活躍の場を移した。

《その他の外国籍選手》
DF マシュー・ジャーマン(オーストラリア代表) *ロシアW杯メンバー
MF ジョナス(ブラジル)
MF カルロス・ビジャヌエバ(元チリ代表)
FW ロマリーニョ(ブラジル)
FW アレクサンダル・ペシッチ(セルビア代表)

 ロシアW杯に出場したオーストラリア代表DFマシュー・ジャーマンや昨季のクラブW杯で大会得点王に輝いたロマリーニョ、昨季のセルビアリーグ得点王であるアレクサンダル・ペシッチを18年夏に補強。しかし、いずれも期待以下の活躍に留まっていた。そのためシーズン折返し地点の19年冬に4名の代表クラスの選手の補強に至った。

《まとめ》
 これ程まで多国籍の現役代表選手が所属しているリーグはアジアでは”稀”だろう。サウジアラビアでは2018年に史上初めて女性がスタジアムでのサッカー観戦が許された。サウジアラビア人記者殺害事件に関与したとされるムハンマド皇太子だが、このように様々な改革を実行していることも周知の事実だ。原油価格の低迷により経済が落ち込んでいることが不安視されるが、サウジアラビアサッカー界の可能性や伸びしろは十分にあると考えられる。今後の”サウジアラビア”サッカーの動向から目が離せない。



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