札幌2-1東京 | J1 第6節
開始8分に失点した札幌。
東京にしてみると先制後の展開は得意のパターン。ラインをセットして、中盤が掃除機のようにボールを吸い取り、一気にショートカウンターに持っていきたいところでした。
札幌はこれを無効化します。
札幌の狙いは最終ラインで回しながらまず宮澤をフリーにすること。そして前線の都倉をターゲットマンにしてロングボールを供給。相手4バックの前には3人のアタッカーを並べて不規則に跳ね返るボールを兵藤が回収。サイドからも人数をかけて2次攻撃の段取りも整えます。宮澤が受けられない場合はボールを左サイドに逃して福森、田中がクロス。
いずれにしてもボールは東京の中盤が待ち構える頭上を越えるか脇を抜け、相手のフィルタリング機能を攻略しました。
このとき東京の中島はスライドに迷い相手を捕まえきれていません。札幌の最終ラインに寄ってパスコースを絞るか、宮澤のマークにつくか、サイドで引っ張りあいをする早坂のケアをするか…絶妙に中途半端なポジションへ置かれることになります。
最終ラインをどこに設定し、前線がどの位置で追い込み、マークするべき選手を押さえ、どこを圧縮して網にかけるか。
東京の篠田監督はハーフタイム時のコメントから修正ポイントを把握していたようですが、後半に入っても改善は図られません。
実際、札幌の逆転ゴールはこの試合のキーマンがほぼ全員絡んでいます。
ダイジェスト映像には触れられていないのですが、札幌のリスタートから遡っていきましょう。
ゴールキックからのリスタート。都倉がヘディングで競り勝ち福森が繋いで宮澤へ。受けた瞬間、早坂は既にスタート。このときも宮澤と早坂はフリー。
ここからボールを受けた早坂は荒野と共にサイド奥へ侵入。札幌は狙いの展開からほぼノンプレッシャーで逆転ゴールに結びつけます。(動画 03:19~)
前節に続き、東京はロングボールに脆い弱点をまたも露呈しました。また配球元である宮澤を終始フリーにさせてしまったことも敗因に挙げられるでしょう。
データ分析会社『Instat』によると、都倉は14回の空中戦で8回勝利。最終ラインで起点となった福森と宮澤も高いパフォーマンスを出しています。
パス数 | 成功数 | ロングパス | 成功数 | パスを受けた回数 | |
福森晃斗 | 60 | 46 | 8 | 7 | 42 |
宮澤裕樹 | 38 | 37 | 3 | 3 | 31 |