【大津祐樹】アタラクティブなアタッカーの評価し難いマリノス移籍

 2018年1月3日、柏レイソルと横浜F・マリノスの両チームから、完全移籍の発表がリリースされた。現場レベルでは2017年内に決まっていたようだが、天皇杯決勝のタイミングも待ったのかもしれない。キャプテンMF齋藤学は大怪我、MFマルティノスは浦和レッズ、FW富樫敬真はFC東京、CBパク・ジョンスは柏移籍濃厚。来季CB中澤佑二は引退の可能性を示唆。ボランチ以外の各フィールドポジションが不足傾向にある中、フロントは前オーストラリア代表監督のポステコグルーを招聘した。代表監督就任段階からパスサッカーを標榜し、ポゼッションを高めるサッカーを行ってきた。
 マシュー・レッキー(ヘルタ・ベルリン)やティム・ケーヒル(獲得の噂も出ているが)といった得点力や突破力に定評のある選手がフィニッシャーやアイソレーションとなるものの、現メンバーでフリー役になれる選手はFWウーゴ・ヴィエイラとMF前田直輝くらいのものだ。MF天野純やMF/SB山中亮輔はパスやクロスから演出する側の選手だ。
 そこで、左サイドを任せられるアタッカーの獲得意図は理解できる。しかし、そこで大津…?おそらくは戦術以外の別の要素もあるのだろうが…。

 大津は、鹿島ジュニアユースから成立学園高校へと進学し、柏レイソルへと入団した。入団時にはFW李忠成(現・浦和レッズ)、MF菅沼実(前・ロアッソ熊本)らがいたものの、2年目の2009年にポジションを掴んで33試合6得点と結果を残す。甘いマスクで人気が出たのも拍車をかけたが、少年期から続くメンタル面の弱さや怪我に悩まされる時期も続いた。それでも09年の成績は本物。2011年にはロンドン五輪を目指す代表メンバーに招集されると、11年夏にはドイツ・ブンデスリーガのボルシアMGへと海外移籍を果たす。ボルシアMGでは試合に絡む機会こそ多くなかったが、2012年夏のロンドン五輪メンバーに選ばれるとベスト4進出の原動力となり、チームトップの3得点を叩き出した。その後はVVVフェンロ(エールディヴィジ/オランダ)を経て、14年12月に柏へと戻った。
 略歴こそwikipediaにあるようなテンプレートだが、問題はその実だ。2009年の6得点以降、公式のリーグ戦で複数得点していない。FW町野修斗(履正社/来季ルーキー)、MF遠藤渓太または3バックに変更し、LWBとして山中亮輔の手段も講じられたはずだが、「完全移籍で獲得したいほど」には大津祐樹に期待しているようだ。
 もちろん、彼の実力に難癖をつけるつもりはないが、ポステコグルー・マリノスにフィットできるのかと考えれば疑問は残る。柏に居場所が無くなる恐れやパク・ジョンスとのトレード要素も裏であるなど、別の見方もできるが…。

 また、齋藤学にも来夏の去就報道が出ている。ACLを戦わないマリノスにとってサイドプレイヤーを余剰させる必要もない。となれば、齋藤学が再度海外移籍を画策する可能性も否定できない。MF中村俊輔(ジュビロ磐田)が移籍して齋藤学自身に好影響があったのと同様、キャプテンとして内外に影響を与えている彼が怪我をしたことで責任感を発露させたメンバーもでてきた。移籍可能性は否定できない。



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