【クラブ紹介】先物買いに長けるブレントフォードが輩出した10選手と現所属の注目選手

近年、著しく成長しているブレントフォード

▽ロンドン西武に本拠地を置くブレントフォード。2012年に元プロのギャンブラーであるマシュー・ベンハム氏がクラブを買収して以降、劇的に成長している。それまで3部以下のカテゴリーを中心に戦っていたブレントフォードだが、2013-14シーズンは3部昇格プレーオフ決勝に進出。惜しくもファイナルでヨービルに敗れたが、2014-15シーズンは3部で2位フィニッシュすることに成功。2部昇格後は毎年主力選手が引き抜かれながらも結果を残し続け、2019-20シーズンは自動昇格圏内の2位まであと勝ち点2の3位というところまで迫った。しかし、昇格プレーオフ決勝でフラムに0-2の敗戦。クラブ史上最大のプレミアリーグ昇格のチャンスを逃した。

▽あと一步のところで昇格を逃したブレントフォードだが、ベンハム氏がオーナーに就任してから一体何が変わったのか。1つ目の要因は3部以下で大活躍した若手選手を大金をかけることなくフリーもしくは安価で大量に獲得したというところにある。もちろん当たり外れがあるのだが、大当たりとなった例が非常に多い。これに関してはこの記事のメインのところで触れる。また、3部時代や2部昇格直後は格上クラブの若手選手を積極的にローン移籍で獲得していた。

▽2つ目はデンマークコネクションだ。オーナーのベンハム氏は14年にデンマークのミッティランを買収。買収した年に初のリーグ優勝を達成するなどすぐに結果を残し、15年夏にはミッティランで会長を務めていたラスムス・アンカーセン氏をブレントフォードの補強責任者に任命。以降、ブレントフォードには多くのデンマーク人選手が在籍しており、2020-21シーズンは6人のデンマーク人選手が所属している。また、監督のトーマス・フランク氏もデンマーク人だ。

▽3つ目はアカデミー制度の廃止だ。近年、マンチェスター・シティを初めプレミアリーグの強豪クラブはトップチームの選手だけでなく、多くの優秀なアカデミーの選手を格下のクラブから引き抜いている。引き抜かれる上にアカデミーの選手のためお金にもならないということで2016年を最後にアカデミーを廃止。その代わりBチームというものを発足した。このBチームというのは20歳前後の既に他クラブで育成されている選手を引き抜き、トップチームでプレーさせるために育成するという組織だ。簡潔にまとめると他のクラブに20歳前後まで育成してもらい、優秀な選手を安価で引き抜くというやり方だ。20年夏にはデンマークの有望株であるマッズ・ビストルップをライプツィヒから獲得した。

▽今回の記事では1つ目の要因として挙げた3部以下のカテゴリーから獲得した代表的な選手を取り上げる。いずれの選手もブレントフォードを経てプレミアリーグに初挑戦している。

▽それではブレントフォードを経て飛躍した10名のプレイヤーを見ていこう。

● ジェームズ・ターコウスキ(James Tarkowski)
代表:イングランド代表
Pos :CB
生年月日:1992/11/19(27歳)
身長/体重:185cm/81kg
所属:バーンリー
ブレントフォード在籍期間:14年冬~16年冬
加入時:フリー
移籍時:360万ポンド(約5億400万円)


▽イングランドを代表するCBもブレントフォードで大きく成長した選手の1人だ。ターコウスキは14歳でブラックバーン・ローヴァーズの下部組織を退団した後、16歳でオールダム(当時3部)の下部組織に入団した。オールダムでは2012-13シーズンから頭角を現し、14年1月に当時3部で昇格争い中だったブレントフォードに加入。同シーズンの2部昇格に貢献した。チャンピオンシップ昇格後も主力として活躍し、2014-15シーズンは昇格プレーオフに出場した。16年冬に同じくチャンピオンシップのバーンリーに完全移籍。ベン・ミーとマイケル・キーンのCBコンビの壁は厚くベンチを温める日々が続いたが、17年夏にキーンが退団した以降は絶対的な選手に定着している。18年3月にはイングランド代表デビューを果たした。

● ジョン・イーガン(John Egan)
代表:アイルランド代表
Pos :CB
生年月日:1992/10/20(27歳)
身長/体重:185cm/75kg
所属:シェフィールド・ユナイテッド
ブレントフォード在籍期間:16年夏~18年夏
加入時:フリー
移籍時:400万ポンド(約5億6000万円)

▽シェフィールド・ユナイテッドの守備の要。下部組織時代を過ごしたサンダーランドではトップチームに定着できず、当時4部のサウスエンドや3部のジリンガムを経て16年夏に2部のブレントフォードに加入した。前シーズンに3部ベストイレブンに選出された実力は2部でも存分に発揮され、加入2シーズン目の2017-18シーズンは主将を務めた。18年夏にシェフィールド・ユナイテッドへ完全移籍。3バックのセンターでリーグ最少失点に抑えた守備陣をまとめあげ、プレミアリーグ昇格に大きく貢献した。

● エズリ・コンサ(Ezri Konsa)
代表:元イングランドU-21代表
Pos :CB/RSB
生年月日:1997/10/23(22歳)
身長/体重:183cm/77kg
所属:アストン・ビラ
ブレントフォード在籍期間:18年夏~19年夏
加入時:250万ポンド(約3億5000万円)
移籍時:1200万ポンド(約16億8000万円)

▽新型コロナウイルス蔓延による中断明け以降、ハイパフォーマンスを続ける若手CB。ビラでコーチを務めるジョン・テリーと同じロンドンの名門サッカースクール『センラブFC』出身で11歳の時にチャールトンの下部組織に入団。同じ97年生まれのジョー・ゴメス(リバプール)と同様に若くしてビッグクラブから注目を集めた。18年夏にシェフィールド・ユナイテッドへと退団したジョン・イーガンの後釜候補としてブレントフォードに入団。フルシーズンに渡ってレギュラーを務め、翌19年夏にブレントフォードに自身を引き抜いたディーン・スミス率いるアストン・ビラへとステップアップを果たした。








● クリス・メファム(Chris Mepham)
代表:ウェールズ代表
Pos :CB
生年月日:1997/11/5(22歳)
身長/体重:191cm/84kg
所属:ボーンマス
ブレントフォード在籍期間:12年夏~19年冬
加入時:下部組織
移籍時:1200万ポンド(約16億8000万円)

▽ウェールズ期待の大型CB。チェルシーの下部組織を14歳で退団した後、ブレントフォードの下部組織に入団。2017-18シーズンにトップチームに昇格し、シーズン後半からスタメンの座を掴んだ。18年3月にはA代表デビューを果たし、19年1月にボーンマスに引き抜かれた。2019-20シーズンはケガに苦しみチームは2部降格となったが、2020-21シーズンからは再びスタメンに返り咲き、アケが抜けた穴を埋めている。

● スチュアート・ダラス(Stuart Dallas)
代表:北アイルランド代表
Pos :LSB/RSB/CMF/LMF/RMF
生年月日:1991/4/19(29歳)
身長/体重:183cm/81kg
所属:リーズ・ユナイテッド
ブレントフォード在籍期間:12年夏~15年夏
加入時:フリー
移籍時:170万ポンド(約2億3890万円)

▽ビエルサ率いるリーズを支えるユーティリティプレイヤー。元々のポジションはウイングで北アイルランドのクルセイダーズに所属していた時はシーズン2桁ゴールを記録していた。12年夏に当時3部だったブレントフォードに引き抜かれた直後は出場機会に恵まれなかったが、ノーサンプトンへのローン移籍から復帰した2013-14シーズン後半からユーティリティ性を買われて出場機会を増やした。昇格プレーオフに進出した2014-15シーズンは2部で5つの異なるポジションでプレーした。15年夏にリーズに完全移籍。18年夏のビエルサ監督就任以降はサイドバックでの起用が増えた。チームに負傷者が出ると持ち前のユーティリティ性と戦術理解力を活かしたプレーでその穴をしっかりと埋め、チャンピオンシップ優勝を果たした2019-20シーズンは選手が選ぶクラブ年間最優秀選手に選出された。

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