【検証】5名の現役ドイツ代表を輩出!シュツットガルトの下部組織出身ベストイレブン

 

ドイツ屈指の”育成の名門”

 
*2021/2/9に更新

▽FW岡崎慎司(ウエスカ)、DF酒井高徳(ヴィッセル神戸)、MF細貝萌(バンコク・ユナイテッド)、FW浅野拓磨(パルチザン)、MF遠藤航(シュツットガルト)といった5名の日本人選手がプレーしたことで知られるシュツットガルト。日本でも非常に馴染み深いクラブだろう。2006-07シーズンのブンデスリーガ優勝以降はタイトルから遠ざかっているが、ドイツを代表するクラブの1つに数えられる。また、サミ・ケディラやマリオ・ゴメスら多くの代表選手を輩出したことでも知られ、ドイツ屈指の育成の名門としても高い評価を受けている。

▽今回、「Evolving Data」はシュツットガルトの下部組織出身の選手を調査。なんと現役ドイツ代表で5名もの選手が同クラブの下部組織で育成されていた!
*現役選手のみです。

《GK》
GK:ベルント・レノ(アーセナル)

▼アーセナルで正GKを務めるレノを選出した。レバークーゼンで活躍していたというイメージが強いが、実はシュツットガルトの下部組織出身である。03年に11歳で入団したレノは、11年夏にトップチームへ昇格。ウルライヒとの熾烈なポジション争いが繰り広げられると考えられていたが、当時レバークーゼンで正GKを務めていたレネー・アードラーが長期離脱を余儀なくされたことで緊急補強された。そのため下部組織を育ったシュツットガルトのトップチームでは1試合も出場していない。

▼ベストイレブンに選出したレノ以外にも多くのGKがシュツットガルトの下部組織で育成されている。その代表格がハンブルガーSVでプレーするスヴェン・ウルライヒとウニオン・ベルリンでプレーするロリス・カリウスである。前者は98年からシュツットガルトの下部組織でプレーし、トップチームでは公式戦220試合に出場。昨季は負傷離脱していたマヌエル・ノイアーの代わりに多くの試合で起用された。後者は05年にシュツットガルトの下部組織に入団。09年にマンチェスター・シティの下部組織に引き抜かれたためトップチームでの出場機会はない。また、上記の選手に加えてベンフィカで正GKを務めるオディッセアス・ヴラホディモスや元ドイツ代表GKティモ・ヒルデブラント氏も同クラブの下部組織出身である。

《DF》
RSB:ヨシュア・キミッヒ(バイエルン)
CB:ティロ・ケーラー(パリ・サンジェルマン)
CB:アントニオ・リュディガー(チェルシー)
LSB:セアド・コラシナツ(シャルケ)

▼今や世界最高のRSBへと成長を遂げたキミッヒは、07年にシュツットガルトの下部組織に入団。13年に当時2部だったライプツィヒへ移籍しブレイク。当時は中盤の選手だったが、15年夏のバイエルン移籍をキッカケにRSBへとコンバートされた。2018-19シーズン以降は再び中盤でプレーすることが増えた。

▼パリ・サンジェルマンで不動のレギュラーを務めるケーラーは、09年にシュツットガルトの下部組織に入団。12年夏にシャルケの下部組織へと引き抜かれた。15年夏にトップチーム昇格。2017-18シーズンは主力選手としてプレーし、クラブの4シーズンぶりのUCL出場権獲得に大きく貢献した。オフにパリ・サンジェルマンへと完全移籍。新天地でも出場機会を掴み、同年9月にはA代表デビューを飾った。

▼チェルシーとドイツ代表で欠かせない選手に成長したリュディガーは、11年2月にドルトムントの下部組織からシュツットガルトの下部組織に移籍。12年夏にトップチームに昇格し、中心選手として3シーズンプレーした。その後、イタリアのローマを経て17年夏にチェルシーに加入した。

▼コラシナツはカールスルーエとホッフェンハイムの下部組織を経て10年夏にシュツットガルトの下部組織に加入。1年後にシャルケに引き抜かれたためシュツットガルトのトップチームでの出場機会はなかった。その後、シャルケのトップチームで活躍し、17年夏にアーセナルへフリー移籍。21年冬にブンデスリーガで最下位と苦しむシャルケに復帰。

最下位ベストイレブンには選出しなかったが、元ドイツ代表DFであるアンドレアス・ベック、ホルガー・バトシュトゥバーの2選手も同クラブの下部組織で育成された選手だ。前者はホッフェンハイムとベシクタシュ、後者はバイエルンとシャルケを経て共に17年夏にシュツットガルトへと復帰した。また、トップチームでの成長が著しい24歳DFティモ・バウムガルトルは今後に向けて注目すべきタレントだろう。

《MF》
CMF:サミ・ケディラ(ヘルタ・ベルリン)
CMF:セバスティアン・ルディ(ホッフェンハイム)
CMF:クリスティアン・ゲントナー(ウニオン・ベルリン)

▼ケディラは95年にシュツットガルトの下部組織に入団。2006-07シーズンにトップチームへ昇格し、同シーズンのリーグ優勝に大きく貢献した。その後、レアル・マドリードへ移籍する10年夏までの4シーズンで公式戦132試合に出場。ドイツを代表するボランチに成長した。しかし、マドリーでは3年目からケガに悩まされ不完全燃焼に終わる。15年夏にユベントスへ移籍。21年冬にヘルタ・ベルリンへ移籍。

▼ルディは03年にシュツットガルトの下部組織に入団。08年にトップチームへ昇格するが、2シーズンで公式戦29試合の出場に留まった。10年夏に出場機会を求めてホッフェンハイムに移籍。2015-16シーズンからは、オイゲン・ポランスキ不在時に主将を務めるなどクラブを代表する選手に成長した。17年夏にさらなる成長を求めてバイエルンへ移籍。翌シーズンにレオン・ゴレツカと入れ替わる形でシャルケに加入した。

▼同クラブ歴代7位の公式戦出場数を誇るゲントナーは99年にシュツットガルトの下部組織に入団。05年にトップチームへ昇格し、2006-07シーズンのブンデスリーガ制覇に貢献した。07年夏に出場機会を求めてヴォルフスブルクへ移籍。2008-09シーズンは長谷部誠らと共に中心選手として自身2度目となるブンデスリーガ制覇に貢献した。10年夏にシュツットガルトへ復帰。2013-14シーズンからは主将を務めている。
 
▼ベストイレブンに選出した選手以外には、サミ・ケディラの弟ラニ・ケディラや18年夏にシュツットガルトに復帰したダニエル・ディダビといった選手が下部組織で育成されている。

《FW》
RWG:セルジ・ニャブリ(バイエルン)、
CF:マリオ・ゴメス(現役引退)
LWG:ティモ・ヴェルナー(チェルシー)

▼先日、バイエルンとの契約延長を発表したニャブリは05年にシュツットガルトの下部組織に入団。11年夏にアーセナルの下部組織に引き抜かれたためトップチームでの出場機会はない。イングランドでは成功を収められなかったが、2016-17シーズンのドイツ復帰以降はコンスタントにゴールを量産している。

▼シュツットガルトの顔とも言えるマリオ・ゴメスは、01年に同クラブの下部組織に入団。05年夏にトップチームへ昇格し、リーグ優勝した2006-07シーズンはチームトップの14ゴールを記録した。09年夏にバイエルンへ移籍。公式戦174試合で112ゴールを記録した。13年夏のフィオレンティーナ移籍後はベシクタシュやヴォルフスブルクを渡り歩き、18年1月にシュツットガルトへ復帰。18年12月にはシュツットガルト通算100ゴールを達成した。

▼チェルシーへと移籍したヴェルナーは02年夏にシュツットガルトの下部組織に入団。セカンドチームでゴールを量産していたヴェルナーは、13年夏に17歳の若さでトップチーム昇格。昇格初年度からブンデスリーガ30試合に出場し4ゴールを記録した。16年夏のライプツィヒ移籍後はさらにゴールを量産し、ブンデスリーガ222試合で91ゴールを記録。20年夏にチェルシーへ完全移籍。

▼ベストイレブンに選出した選手以外には、アダム・サライ(ホッフェンハイム)やユリアン・シーバー(アウクスブルク)といった選手が下部組織で育成されている。


《ベストイレブン》
▼GK
ベルント・レノ(アーセナル/ドイツ代表)

▼DF
ヨシュア・キミッヒ(バイエルン/ドイツ代表)
アントニオ・リュディガー(チェルシー/ドイツ代表)
ティロ・ケーラー(パリ・サンジェルマン/ドイツ代表)
セアド・コラシナツ(シャルヶ/ボスニア・ヘルツェゴビナ代表)

▼MF
サミ・ケディラ(ヘルタ・ベルリン/ドイツ代表)
セバスティアン・ルディ(ホッフェンハイム/ドイツ代表)
クリスティアン・ゲントナー(ウニオン・ベルリン/元ドイツ代表)

▼FW
セルジ・ニャブリ(バイエルン/ドイツ代表)
マリオ・ゴメス(現役引退/元ドイツ代表)
ティモ・ヴェルナー(ライプツィヒ/ドイツ代表)

▽GKレノ、DFキミッヒ、DFリュディガー、FWニャブリ、FWヴェルナーといった5名の現役ドイツ代表がシュツットガルトの下部組織出身であった。現在も23歳DFティモ・バウムガルトルを始め、ドイツU-18代表DFアントニス・アンドニスやドイツU-18代表FWレオン・ダジュクといった将来有望な若手選手が多く在籍している。彼らのこれからの活躍に大いに期待だ。



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