大宮アルディージャに所属するFW大前元紀はJ2が第26節を終了した現在16得点を記録、1位だったレノファ山口FC FWオナイウ阿道を抜き1位に躍り出た。今季J2開幕当初はなかなか点が取れなかった大前だったが、第16節~第18節で3試合連続、第20節~第24節で5試合連続ゴールとわずか9試合で8得点の大活躍を収めた。
絶好調「大前元紀」の16得点の時間帯・得点パターンについて分析してみる。
画像から見て取れるように、大前は後半開始~75分で半分以上の11得点を記録している。前半開始~45分での5得点のうち3得点はPKである。また出場26試合で1試合平均2.3本(計59本)のシュートと数少ないシュートチャンスを確実にものにしている。
大前元紀という選手をひと目見て思うのは、まず「小柄」ということだろう。しかし身長167cmの大前は、ヘディングで3得点を決めている。ポジショニング、ゴールへの嗅覚がヘディングでの得点を可能にしているのだろう。
また大前の持ち味でもある高いキック精度を活かしフリーキックから4得点を記録した。そのうち1得点はコーナーキックの直接ゴールと意表を突くキックも蹴ることができる。なかでも圧巻なのは、第20節京都戦で見せたフリーキック。日本代表がロシアW杯コロンビア戦にて決められたフリーキック同様、ジャンプした壁の下を通して決めた。
同じく4得点を記録したのは「裏への抜け出し」からのゴール。大前のスピード・裏へ抜けるタイミング、出し手のタイミングともに合っていなければ決めることはできない。さらに4得点すべてがトラップからシュート、またはダイレクトでシュートと2タッチ以内で決めている。
絶賛ゴール量産中のFW大前元紀。ヘディング、フリーキック、裏へ抜け出し、個人技すべてにおいて高いレベルでのパフォーマンスを披露する。清水エスパルス所属時の小林監督は「大前はチームの中でも別次元、別格」大宮の石井監督も「ゲームメークから得点のところまで、あとは守備でのFWのプレッシャーの掛け方も、攻守にわたってゲーム全体に影響力のある選手」と太鼓判を押すように、昨年25試合2得点2アシストと悔しい数字に終わったエースが復活を果たした。
現在7位(第26節終了時点)とJ1昇格可能圏内にわずかに届いていない大宮だが、「エース」FW大前元紀の復活とともに1年でJ1に復帰できるか。