「狙っていた」
一時期の調子の良さからカテゴリーを一気に駆け上がる選手は少なくない。一言で言えば『覚醒』、まさしくその時期を迎えんとする旬のアタッカーがパスサッカーで風靡する岐阜の地で躍動している。
「速い!」とゴールシーンだけでも感じられる速さだが、肝は一歩目、二歩目で食いつかんとする『獰猛』と言わんばかりの馬力にある。
DF竹田忠嗣が競り勝つと、岐阜、新潟両チームの選手たちはボールを行く末を目で追った。その中で反応したのは新潟MF原輝綺とFW古橋亨梧だった。反応した選手たちで最も新潟ゴールから遠い位置にいた古橋だが、十歩で新潟DFラインに追いつくと、その後の二歩で原をかわして前へ入り、ゴールを決めた。このゴールは、古橋にとって4試合連続となるゴールだった。
日本人トップクラスのスピード
足の速い・スピードのある日本人Jリーガーといえば、FC東京のFW永井謙佑、柏レイソルのFW伊東純也らが挙げられる。海外で見るとハノーファーへのレンタル移籍が決まった日本代表FW浅野拓磨がいる。
この3選手の50mのタイムは
・永井謙佑 5.8秒
・伊東純也 5秒後半(計ったことがないらしい)
・浅野拓磨 5.9秒
正確性は担保されていないが、「速い」ことには変わりなく、FCザンクトパウリ(ドイツ2部)所属のFW宮市亮は、100mを10.8秒で走るという記録もある。
FW古橋亨梧は50mを5.9秒で走る。ただ、彼らとも異なるのは「加速位置」だ。スペースを要するスプリンターではなく、初歩からスピードに乗れてしまうのが彼の持ち味である。スピードでは日本トップクラスに近い。加えて、ハイライト動画にあるように、オーバーヘッドから見て取れる身体能力の高さ、ドリブルからのカットインなども彼の魅力の一つだ。
足が遅いと現在日本代表のFW岡崎慎司(レスター/イングランド)はロングスプリントのスピードでは敵わないと、約10メートルほどの初期加速を身につけるために専属トレーナーをつけて体得し、鍛錬を続けた上で今に至る。武器や体の使い方を身につければ、古橋が日の丸を背負える日もそう遠くないかもしれない。
【古橋亨梧】
1995年1月20日 170cm/63kg
中央大学
FC岐阜(2017) 42試合6得点9アシスト
現在(第16節終了時) 16試合6得点5アシスト
目標:一桁順位、二桁得点