【大島僚太】リオ五輪や日本代表でも魅せた「剥がす」デュエルの本質

 攻撃に厚みをもたせるだけでなく、守備のポジショニングにも多大な貢献を施せるようになり、手がつけられないというよりは、「届かない存在になりつつある」というのが大島僚太に対する現在の見方になっている。

 画像をご覧いただきたい。株式会社Lifepictureが約3年の歳月をかけて独自に数値解析し、プレーを数値化したものからパラメータ化したものを、5/12(土)で行われた明治安田生命J1リーグvs柏レイソル戦で見せたMF大島僚太(川崎フロンターレ)のスタッツである。


 得点力やアシスト、クリーンシートといった結果に現れる指標を考えれば、FWパトリック(サンフレッチェ広島)やFW伊東純也(柏)、GK林卓人(広島)といった選手がフォーカスされる。だからこそ、見えない数値を世に見える形で顕在化させ、選手の凄さをわかってもらいたいというのが趣旨の一つだ。
 特に、2015年からチェックしている中で明らかな成長を遂げてきた選手の一人が、大島僚太なのである。2015年はまだオフェンス特化型であり、しかも、FW小林悠、FW大久保嘉人、MF中村憲剛といった選手たちへの配球役としてシーズン起点ランキングのベストプレーヤーとなった。2016年も同様ではあったが、AFC U-23アジア選手権の優勝、リオ五輪の参加を経て纏うムードが変わっていく。
 2017年は守備の意識が変わり、ダイレクトでぶつかりあうのではなく、攻撃でも守備でも「剥がす」力の術を得始めた。リオ五輪でも、ナイジェリア代表のMFミゲル(元チェルシー)が「大島だ、大島を潰せ!」と途中からチームメイトに指示を出すほどのプレゼンスだったが、もはや止められない選手となった。

 2018シーズンのパス本数並びに、柏戦のパス成功数・パス成功率をご覧いただきたい。100本越えするだけでなく、97%の成功率を誇り、試合を経るごとに正確性を高めている。ドリブルやデュエルといった地上戦・空中戦でもそうだ。柏戦ではともに6戦5勝。「小柄だから、細身だから」ではなく、いかにポジショニングや剥がす技術の正確性を高めてきたのかがわかる。
 架空の、しかも他競技の選手だが、「海南の神宗一郎」といえばわかりやすい人もいるのかも知れない。スラムダンクで主人公・桜木花道率いる湘北を封じた、神奈川最強の雄、海南大付属の2年生神宗一郎だ。
 遠方からのショット、地上戦空中戦の剥がしとポジショニング、適材適所のボールコントロールとインターセプトは酷似した存在かもしれない。
 パラメータのアルファベットは世界基準の評価帯となるが、もうしばしで一旦の完成形となる。論理的な構造でもってパラメータ・数値で選手を見せる仕組みはウイニングイレブンやパワプロ、パワサカを穿ち、FIFAと対峙できるほどの内容だと考えている。



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