【メンバー選考】オーストラリア・サウジアラビアに挑む27人と今後の選考

●ボランチ:現状最強のメンバーが並んだボランチライン
ファイター系の山口蛍や井手口陽介の第2グループはやや厳しい。長谷部誠含めて信頼度が突出している。今回招集されたのは高萩洋次郎だが、トップ下登録の小林祐希や柴崎岳がこちらの枠に移ることもある。
チーム状況や、失点関与率の高さからもあって外れた遠藤航(浦和)は第2グループに依然として含まれており、川崎で圧倒的な成長を続ける大島僚太も面白い。彼らはそれぞれポリバレントな能力も持ち合わせており、W杯メンバーへの滑り込む可能性はある。また、最近存在感を高めてきているのが三竿健斗(鹿島)だ。前節清水戦では、中盤で金子翔太のボールをいとも簡単に刈り取り、前線へと自らドリブルで侵入。金崎夢生の得点を演出してみせた。これはU17W杯初戦ロシア戦の瓜生昂勢の得点時など、彼の代名詞とも読むべき流れや動きを読むセンスが光ったシーンだ。三竿もまた、センターバックをこなせるなどポリバレントな能力をもち、ムードメーカータイプでもあることから、重宝される存在にもなる。

●トップ下:序列を変えるべくやってきた小林祐希
本人の有言実行どおり、ついにトップ下の序列ナンバーワンまでやってきたが、あくまでこれは清武弘嗣(C大阪)の負傷離脱や香川真司の調子面に依拠しており、序列を捲くるチャンスが与えられたという方が正しいだろう。逆に言えば、トレーニング内で香川に勝てなければ、試合には出場できない。移籍したヘタフェで存在感を放つ柴崎岳も踏まえて、バトルが始まる。
怪我がなければ、山村和也(C大阪)はどうだったか。杉本健勇選出を含め、可能性はあったかもしれない。今後で言えば、森岡亮太(べフェレン)や鎌田大地(フランクフルト)は今後の出来次第か。

●WG:本田圭佑が出場・得点をした上で合流するのはポイントだ。
両ウイングとも明確かつ着実な結果を残している者は少ない。しかし彼らが第1グループであることも確か。南野拓実(ザルツブルク)招集の可能性もあったかと思うが、こちらも怪我のために戦列を離れてしまった。第2グループに位置するだろう宇佐美貴史(アウグスブルク)も開幕節ではベンチ外。苦境が続く。
今後は関根貴大(インゴルシュタット)の成長は見届けたい。若さを考慮しないならば、U20W杯、U17W杯と続く久保建英(FC東京U18)も面白い。

●CF:二戦連発の岡崎慎司が絶好調、対する大迫勇也の怪我はどうか。
開幕から連発弾の岡崎の嗅覚が突出しており、大迫の怪我に問題があっても対応できる。もちろん、大迫に問題がなければより良い話だが、こちらもJ1で好調の杉本健勇が控えており、「誰を招集するか」という点では完璧に近い選出を行っているという印象が強かった。元々、「杉本もしくは金崎」と明言しており、どちらの名が挙がるのかと注目されたが選ばれたのは杉本健勇。高さやタイミング等サイド攻撃からのシュートパターンの多さも起因したか。



逆に言えば、こちらも金崎が第2グループにいるものの、それ以外の言及はない。若手を除けば、最終的なメンバー構成のほとんどに当確ランプは灯っている。
その前に今、選ばれた選手たちが行うべきは「W杯への道を」切り開いていくことだ。

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