日本代表、セネガル撃破への攻守戦術論|サイドバック裏のケアとハーフスペースへの配球

コンダクター柴崎岳/大島僚太が織りなす『5レーン』


 日本の攻撃は、コロンビア同様『ハーフスペース』を活かすことに尽きる。大会全体を通してだが、ブラジルやスペインといった超強豪国をさておけば、クロアチアやメキシコ、日本ほどしか、戦術上のアップデートが遂行されていない。3バック4バックを問わず、DFとボランチ、サイドバックの間にできるギャップラインであるハーフスペースを突くことは特に対欧州以外に対しては心強い施策となる。





 日本が効率的に行える攻撃戦術は3パターンだ。1つ目は香川真司と乾貴士の連携を軸に左サイドを突破するパターンだ。左ウイングレーンで乾がボールをもった際、左ハーフスペースのニアに香川、中央に大迫勇也、右ハーフスペースのファーに原口元気が入る。柴崎岳と酒井宏樹が各ハーフスペースのケアを行う。
 2つ目は、酒井宏樹と原口元気を軸にした右サイドクロスパターン。柏レイソルで築き、フランスで昇華した酒井宏樹のクロスをベースに、ニア:原口、中央:香川、ファーに大迫を配置する。
 3つ目は、中央突破の基本戦術であり、ハリルホジッチ前代表監督がこの国にもたらした相手CBを釣りだし、ウイングをそのポジションに飛び込ませる手法だ。

 パラグアイ戦の勝利と、W杯初戦勝利が自信を強固なものとした。たしかに様々あった代表だが、確実に4年間の積み上げがあったことを知らしめるためには、いつの頃からか用意し始めていた西野監督の下、アップデートされた戦術を披露することでセンセーショナルを引き起こすことが可能となる。



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