2018年11月15日に”サッカーの聖地”「ウェンブリー・スタジアム」で行われた国際親善試合アメリカ戦。ウェイン・ルーニーの代表引退試合を兼ねたこの試合で後半77分、1人の選手がイングランド代表デビュー&初ゴールを記録した。プレミアリーグのボーンマスに所属するカラム・ウィルソンだ。
14年夏にボーンマスに加入し、同シーズンにクラブ史上初のプレミアリーグ昇格に導いたウィルソン。しかし、プレミアリーグ昇格後はニ度の前十字靭帯断裂に見舞われるなど長く怪我に苦しめられてきた。そんな悪夢から解放され、2017-18シーズン途中に復帰すると好調をキープ。2018-19シーズンは第12節終了時点でプレミアリーグ12試合で6ゴール5アシストを記録する大活躍を見せている。更にはプレミアリーグ優勝候補のチェルシーからも関心が伝えられるなど、今イングランドで最も期待されているFWと言っても過言ではないだろう。そんな彼の現在地とは。
- 【選手紹介】カラム・ウィルソンのプレースタイルと選手紹介
- 【選手紹介】カラム・ウィルソンのプロフィール
- 【ヒストリー】幼少期からプロ選手になるまで
- 【ヒストリー】3年目で突如の大ブレイク
- 【ヒストリー】クラブを史上初のプレミアリーグ昇格に導く
- 【ヒストリー】順風満帆かと思われたが…。
- 【ヒストリー】ニ度の前十字靭帯断裂を乗り越え『イングランド代表』に初選出
- 【ディスコグラフィー】紹介動画
- 【ディスコグラフィー】年度別出場成績
- 【ディスコグラフィー】パラメータ・能力値※制作中
- 【年度別来歴】プロキャリア※制作中
- 【年度別来歴】アマチュア時代の評価※制作中
- 【年度別来歴】代表歴※制作中
- 【選手評価】スタッツ※制作中
- 【選手評価】市場価値※制作中
- 【選手評価】能力値変遷※制作中
カラム・ウィルソンのプレースタイルと選手紹介
● 自らフィニッシャーとなりゴールを決めれば、高精度のラストパスで周りの選手のゴールをお膳立てする事も出来る万能型FW。これはデータにも現れており、第11節終了時点で得点ランキング4位タイの6ゴールを記録。また、チャンスクリエイト数(アシスト+アシスト未遂)は、FWではアグエロ(マンチェスター・シティ)の「23回」に次ぐ「22回」を記録している。足の速さはジャマイカ人の父親から受け継いでいる。ちなみにキックボクシングの腕前はプロ選手並。
● あえて弱点を挙げるとするならば「空中戦」があまり強くない点と「オフサイド」の多さだろう。しかし、これが全く気にならない程の活躍を披露しているため責めるのは酷だ。
● 既婚。ウィルソンが17歳のときに当時19歳の”ステイシー”さんと出逢い、約5年間の交際期間を経て結婚。1男1女に恵まれた。また、ステイシーはウィルソンの食生活に気を使っており、野菜中心の食事を提供している。
● 背番号は「13」を好んで着用する。理由は運転免許を取得したのが「13」日、子供の誕生日が「13」日であるなど「13」という数字と縁が深いためである。
カラム・ウィルソンのプロフィール
選手名 | カラム・ウィルソン(Callum Wilson) |
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ポジション | CF |
出身 | コベントリー/イングランド |
年齢/生年月日 | 28歳/1992年2月27日 |
身長・体重 | 180cm・66kg |
現所属チーム/背番号/利き足 | ニューカッスル(イングランド)/13/右足 |
代表/デビュー年 | イングランド代表/2018年11月15日 |
過去所属 | コベントリー(イングランド) |
クラブ・代表タイトル | チャンピオンシップ(イングランド2部)1回(ボーンマス) |
個人タイトル | フットボールリーグ1ベストイレブン(2013-14) |
幼少期からプロ選手になるまで
カラム・ウィルソンは、1992年2月27日にイングランドの中部の都市「コベントリー」でジャマイカ人の父親とイングランド人の母親の間に生まれた。父親は幼い頃に家族の元から離れ、ウィルソンは他の4人の兄弟と共に母親の手によって育て上げられた。そしていつの日か自分が高い収入を得て、家族を養っていくという夢を抱いていた。地元の古豪コベントリー・シティの下部組織に入団したウィルソンは、2009-10シーズンのEFLカップ1回戦ハートリプール戦でトップチームデビュー(当時17歳と6ヶ月)。そして10年夏に正式にトップチームへ昇格。しかし、昇格当初はあまり将来性を期待されておらず、下部リーグへのレンタル移籍やセカンドチームでのプレーを主戦場としていた。
ここから少しだけ議題とは違う話をさせて頂きたい。コベントリーは第二次世界大戦中にナチス・ドイツによって爆撃され、市の大部分を消失した「悲劇の街」であることをご存知だろうか。街の中心部に位置する「コベントリー大聖堂」は広島の「原爆ドーム」と共に「平和のメッセージ」を残すため、現在も「ありのままの姿」で残されている。イギリスへ行く機会があれば訪ねて頂きたい。
3年目で突如の大ブレイク
レンタル先でも結果を残せなかったウィルソンだったが、2013-14シーズンに眠っていた才能を遂に開花させる。開幕戦でスタメン起用されると1ゴールを記録。第2節も2ゴールを記録する活躍をみせて一躍エースに名乗り出た。その後もゴールを量産。シーズン中盤に7試合ほど負傷離脱を余儀なくされた期間もあったが、結果的に37試合で21ゴールを記録。シーズンベストイレブンにも選出されたのであった。
クラブを史上初のプレミアリーグ昇格に導く
2014年7月4日、チャンピオンシップ(イングランド2部)のボーンマスへの完全移籍が発表された。すぐにエディ・ハウ監督の信頼を掴んだウィルソンは、開幕戦のハダーズフィールド戦で先発起用。期待に応える形で2ゴールを記録し鮮烈デビューを飾った。その後もゴールを量産し続け、リーグ戦45試合で20ゴール13アシストを記録する大活躍。チームも最終節でワトフォードを勝ち点「1」差で逆転で上回り、リーグ優勝&クラブ史上初のプレミアリーグ昇格を果たした。
順風満帆かと思われたが…。
2015年8月8日、プレミアリーグ開幕戦アストン・ビラ戦でプレミアリーグデビュー。チームは開幕戦、第2節と2連敗を喫するが第3節ウェストハム戦でウィルソンが魅せる。11分にプレミアリーグ初ゴールを決めると28分に2点目を記録。その後2点を奪われ2-3で迎えた79分、マックス・グラデル(現トゥールーズ)がエリア内で倒されPKを獲得。これをウィルソンが落ち着いて決め、プレミアリーグ初ゴールからあっという間にハットトリックを達成。チームは3-4で勝利し、プレミアリーグ初勝利を飾ったのであった。第6節でもゴールを記録し順風満帆かと思われたウィルソンだったが、第7節ストーク戦でアクシデントが襲う。前半17分に負傷交代でピッチを去ることとなってしまったのだ。診断結果は「右膝前十字靭帯断裂」。6ヶ月の負傷離脱を余儀なくされた。第33節アストン・ビラ戦で戦列復帰を果たすが、残りの試合でゴールを決められないままシーズンを終えた。
翌2016-17シーズンは本格的に戦列に復帰。シーズン前半戦だけで5ゴールを記録する活躍を見せていたが、またしてもアクシデントが襲う。第23節クリスタル・パレス戦で負傷交代を余儀なくされる。診断結果は「左膝前十字靭帯断裂」。ウィルソンはわずか2年間で両足の前十字靭帯を断裂するという悲劇に見舞われた。シーズン中の復帰は不可能となり残り試合を棒に振ることとなった。続く2017-18シーズンもこの怪我を引きずり、復帰したのは10月24日に行われたEFLカップ4回戦ミドルズブラ戦。約10ヶ月間ゴールから遠ざかっていたウィルソンだったが、復帰戦でゴールを記録し自らの復帰に華を添えた。11月18日に行われたプレミアリーグ第12節ハダーズフィールド戦では復帰後初のハットトリックを達成。結果的に2017-18シーズンはプレミアリーグ29試合に出場し8ゴールを記録した。
ニ度の前十字靭帯断裂を乗り越え『イングランド代表』に初選出
そして2018-19シーズン。開幕戦のカーディフ戦で1ゴール1アシストを記録するとその後も多くのゴールに関与。この活躍からチェルシーが3500万ポンドでの獲得を検討しているという噂が流れ、試合には敗れたものの11月3日に行われた第11節マンチェスター・ユナイテッド戦ではボーンマス通算50ゴールを達成。そして11月8日にかつてイングランドU-21代表時代に指導を受けていたガレス・サウスゲート監督率いるイングランド代表に初選出。そしてデビュー戦で”サッカーの聖地”「ウェンブリー・スタジアム」で代表初ゴールを記録。ニ度の前十字靭帯断裂から復活を遂げたストライカーが報われた瞬間だった。また、2019-20シーズンはプレミアリーグ30試合で14ゴール10アシストを記録した。
しかし、2019-20シーズン、ボーンマスはナタン・アケやジョシュア・キングといった主力選手のケガが相次ぎ、2度の5連敗を喫するなど苦戦を強いられた。ウィルソンは前シーズンと比較すると低調なパフォーマンスに終わり、コロナ中断明けは1ゴールも奪うことが出来なかった。結果、チームは5シーズンぶりの2部降格となった。
2020年夏、ニューカッスルへ完全移籍。
カラム・ウィルソンの動画
《ボーンマスでの全50ゴール》
年度別出場成績
プレミアリーグ 35試合8ゴール
FAカップ 2試合1ゴール
EFLカップ 2試合0ゴール
プレミアリーグ 30試合14ゴール
EFLカップ 3試合1ゴール
プレミアリーグ 28試合8ゴール
FAカップ 1試合0ゴール
EFLカップ 2試合1ゴール
プレミアリーグ 20試合6ゴール
FAカップ 1試合0ゴール
プレミアリーグ 13試合5ゴール
FLC(英2部) 45試合20ゴール
FAカップ 1試合1ゴール
EFLカップ 4試合2ゴール
FL1(英3部) 37試合21ゴール
FAカップ 2試合1ゴール
EFLカップ 1試合0ゴール
EFLカップ 1試合0ゴール
FL1(英3部) 11試合1ゴール
EFLトロフィー 1試合0ゴール
FLC(英2部) 0試合0ゴール
カンファレンス・ノース 3試合1ゴール
FLC(英2部) 1試合0ゴール
カンファレンス・ノース 17試合1ゴール
FLC(英2部) 0試合0ゴール
EFLカップ 1試合0ゴール
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