佐々木匠と茂木駿佑|”後半28分”に動いた武者修行中の次代のベガルタチルドレン

 W杯期間中であってもJ2は続く。W杯期間中でも中断せずに続くリーグも珍しいが、23日に行われた第20節、ファジアーノ岡山を破ったカマタマーレ讃岐と、愛媛FCを破った水戸ホーリーホックに共通点があった。得点を決めたMF佐々木匠とMF茂木駿佑、ともにベガルタ仙台からレンタル移籍中の若武者だ。その二人がともに決勝弾を放ち、現所属チームの勝利に貢献した。両者の邂逅は”後半28分”に起こった。


 讃岐は、後半28分、佐々木匠が左サイドの敵陣中央でボールを持つと、前方のアレックスにパス。アレックスがボールをキープすると佐々木匠が走り込んでスイッチ。一気にドリブルで持ち上がり、ペナルティエリア左から強烈なシュートを放つと、ゴール右に突き刺さり、先制点を獲得した。

 水戸はスコアレスの後半28分、MF黒川淳史に替えて茂木駿佑をピッチに投入。MF伊藤涼太郎がペナルティエリア手前から右へシンプルな横パスを展開すると、反応したのは茂木。豪快なミドルシュートが見事に決まり、先制に成功した。

 昨シーズンFWクリスラン(現清水エスパルス)とともに、ルヴァンカップにおいて躍進を遂げた佐々木匠だったが、所属チーム内での競争に勝てず、武者修行を選択した。阿吽の呼吸だったクリスランの移籍やU-19日本代表までの年代別代表でチームを担ってきたメンバーの躍進もポイントになったか、出場機会を得ることにフォーカスした。讃岐では現在主力として活躍し、毎試合オリジナリティ溢れるプレーを見せるが、なかなか勝ちに繋がられていない中での今日の試合だった。
 高卒での開幕スタメンにも選ばれた経験がある茂木駿佑の魅力はFKやミドルパス・ミドルシュートのコントロールだ。2015年には史上初めて同一年にJ1・J2(レンタル・ツエーゲン金沢)・J3(U-22選抜)の全カテゴリーに出場したケースとなった。今季はルヴァンカップでハットトリックするなど、活躍も見せたが、6月にレンタルが発表され、以後毎試合に出場している。
 両名ともベガルタユース育ちであるベガルタ仙台にとってのプロスペクトだ。現在の武者修行を経て数年後の中盤を担う選手、代表を狙う選手として躍動するため、レンタル期間で培った経験や能力を還元できるような選手として戻ることだろう。



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