【永島悠史】岐阜の若きMFを襲った「オーバートレーニング症候群」とは一体…?

 11日、MF永島悠史が「オーバートレーニング症候群」と診断されたことをFC岐阜が発表した。
 永島は、昨季京都サンガFCからFC岐阜に期限付きで加入。39試合に出場、5ゴール3アシストという活躍を見せた。さらに期限付き移籍の期間が延長され、今季10試合に出場、1ゴールを記録。しかし、12節のロアッソ熊本戦を最後に出場できずにいた。
 21歳を襲った「オーバートレーニング症候群」とは一体…

オーバートレーニング症候群

 「スポーツ活動などによって生じた生理的な疲労、精神的な疲労が十分に回復しないまま積み重なり、常に疲労を感じる慢性疲労状態となること」
 スポーツにおいて技術レベルの向上、身体的・精神的なレベルアップをはかるためにも、トレーニングは重要である。しかし、それ以上と言っても過言ではないくらい「休息」も重要だ。
 これはサッカーだけでなく、すべてのスポーツにおいても同様。さらにプロアスリートだけでなく、学生時代の部活動においても言えることだ。部活動に熱中し、練習後も遅くまで自主練習に励み、翌日の早朝練習、日中は授業。さらに放課後の部活…このサイクルを継続すれば技術・精神的・肉体的に向上するかもしれない。しかし同時に自身の体を破壊していることに気が付かなければならない。一気に激しい運動を行う「オーバーワーク」とは異なり、疲労の「蓄積」が『オーバートレーニング症候群』を引き起こす。日々のトレーニングの繰り返しはダメージと回復の繰り返しである。
 症状は、競技面に現れる。身体が思うように動かず疲労を感じはじめ、軽いトレーニングでも身体が思うように動かなくなり疲れやすくなる。やがて、日常生活においても主に全身倦怠感、睡眠障害、食欲低下、体重減少、集中力の低下などの症状がみられる。
 予防としては、
・トレーニングは無理をしない
・体調の悪い時はトレーニングメニューの変更や負荷を軽く
・トレーニング時間を短くする
・トレーニングを中止する
・栄養をしっかり摂って休養
 普段から頑張り過ぎず、無理せずに適度な休憩と栄養補給を心がけ、運動と休養と栄養のバランスを保ってトレーニングを行うことが重要。ストレスを溜めすぎないように発散することも大切。

(引用:健康長寿ネット https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/undou-shougai/over-training.html)

同じ症状に悩まされた選手たち

「オーバートレーニング症候群」が選手の競技人生に影響を与えるのは今回の永島の一件だけではない。他にも現在サガン鳥栖のGK権田修一、ジュビロ磐田のFW大久保嘉人、さらに元浦和レッズレディースの藤田のぞみらが挙げられる。
 権田修一は、当時FC東京に所属。2015年7月29日に行われたJ1第2ステージ第5節ベガルタ仙台戦後に不調を訴え、診断の結果「オーバートレーニング症候群」と診断された。この時日本代表に招集されていたが、この影響によるコンディション不良のため東アジア杯参加を辞退という結果に至った。
 大久保嘉人は、2010年南アフリカW杯直後の8月、原因不明の倦怠感を訴えた。診断の結果は「オーバートレーニング症候群」 この時の大久保はボールを蹴ることも走ることも出来なかったという。
 さらに元浦和レッズレディースの藤田のぞみは「オーバートレーニング症候群」が原因で、2016年1月当時24歳という若さで現役引退を余儀なくされた。

 今回はプロアスリートだけを紹介したが、スポーツに励んでいる方なら誰もが気をつけるべきだ。藤田のぞみのように現役引退という競技人生にも関わってくる「オーバートレーニング症候群」 
 「休息」の重要性が、現在のプロアスリート、さらに将来日の丸を背負うであろう選手たちの体を作る大きな役割であることを忘れてはならない。



関連記事

ページ上部へ戻る