先程紹介した堅守を誇るCB陣に加え、ジョージア代表を支えているのが若手選手たちだ。その筆頭格がヘントに所属するMFギオルギ・チャクヴェタゼ(Giorgi Chakvetadze)である。カザフスタン戦でも2ゴールに絡む活躍を披露したチャクヴェタゼは、2018年に行われたUEFAネーションズリーグでは全6試合に出場し4ゴール3アシストを記録した。ジョージア史上最高の逸材とも称されるチャクヴェタゼは、今季ベルギー1部ジュピラー・プロ・リーグ9試合全てに先発出場している。(2018/10/5現在)ドリブル、パス、シュートのセンスやスキルはもちろん、視野の広さ、そして19歳とは思えない落ち着きが彼の魅力だろう。ヘント加入前は、リバプールやトッテナム、レバークーゼンなどの強豪が獲得に乗り出していた。
ここで全員を紹介することは出来ないのだが、オーストリアの強豪シュトゥルム・グラーツでレギュラーとしてプレーする22歳MFオタル・キテイシュビリ(Otar Kiteishvili)や、シャフタール・ドネツクで育成され現在はポルトガルのナシオナルに所属する20歳FWギオルギ・アラビーゼ(Giorgi Arabidze)らも注目の逸材だ。他にもスペインやウクライナ、ベルギー、国内リーグで育成されている若手選手が多くいる。
UEFAネーションズリーグ史上初ゴールを決め、UEFAの歴史に名を刻んだ逸材MFギオルギ・チャクヴェタゼ
ジョージア代表が参考すべきチームは、ロシアW杯でベスト8へと躍進したスウェーデン代表だろう。体格やプレースタイルが非常に酷似している。まずは選手を比較していこう。
スウェーデン ジョージア
GKロビン・オルセン(198cm) GKギオルギ・ロリア(197cm) →大型GK。
DFアンドレアス・グランクヴィスト(192cm) DFソロモン・クビルクベリア(196cm) →大型CB。
MFセバスティアン・ラーション(178cm) MFオタル・キテイシュビリ(173cm) →セットプレーの名手。
MFエミル・フォシュベリ(179cm) MFギオルギ・チャクヴェタゼ(183cm) →チームの司令塔。
FWオラ・トイボネン(192cm) FWギオルギ・クビリタイア(193cm) →ターゲットマン。
このように体格や共通のプレースタイルを持ち合わせている選手が非常に多い。唯一の違いと言えば、ジョージアは招集されているCF全員が190cm超えだということぐらいだろう。両チーム共に基本としてまず「失点」しないことを第一に考えている。スウェーデンはロシアW杯5試合で3試合を無失点と守備の堅さがチームのストロングポイントだった。そこからのカウンターを徹底して狙うことで、対強豪相手でも互角に戦っていた。これはジョージアにも共通することだろう。より190cm超えの選手が多いジョージア代表は、セットプレーの精度を上げることができれば強豪チームからも得点を奪うことが出来る。そして、自分たちのやりたいサッカーを貫き通せば、EURO2020、カタールW杯やその先の国際大会への出場が叶うのではないだろうか。サッカー発展途上国ジョージアの未来は明るい。
勝利を喜び合うジョージア代表。これからの躍進に注目だ。