● フェラン・トーレス(Ferrán Torres)
代表:スペイン代表
Pos:LWG/CF
生年月日:2000/2/29(21歳)
身長/体重:184cm/77kg
所属:マンチェスター・シティ(イングランド)
2020-21シーズン:24試合7ゴール2アシスト(プレミアリーグ)
▼世代交代が進んでいるスペイン代表。セルヒオ・ラモスが今大会の代表メンバーから漏れたことで、圧倒的な強さで優勝したEURO 2012を経験している選手はセルヒオ・ブスケツとジョルディ・アルバのみとなった(セルヒオ・ブスケツはコロナ陽性で隔離中)。18年夏に行われたロシアW杯以降から代表メンバーはさらに若返っており、同タイミングで就任したルイス・エンリケ監督は多くの若手選手にチャンスを与えている。2019年にU-21欧州選手権を制したメンバーも着実に成長しており、今大会にはその優勝メンバーからウナイ・シモン(アスレティック・ビルバオ)やファビアン・ルイス(ナポリ)、ミケル・オヤルサバル(レアル・ソシエダ)、ダニ・オルモ(ライプツィヒ)が選出されている。
▼しかし、黄金期を迎えた2010年前後と比較すると”ワールドクラス”と呼ばれる選手が少ないのも事実だ。今大会はスペイン代表史上初めてレアル・マドリードに所属する選手が1人も招集されない。そしてバルセロナの3人を上回る4人が選出されているのがペップ・グアルディオラが率いるマンチェスター・シティだ。そのうちの1人、21歳のフェラン・トーレスに今大会は注目したい。バレンシアで頭角を現したフェラン・トーレスは、20年夏にマンチェスター・シティへと移籍。同年9月にA代表デビューを飾った。すぐにRWGのポジションに定着すると、6-0と完勝を収めたドイツ戦では圧巻のハットトリックを記録。W杯予選でも2ゴールを決めており、今大会は主力の1人として活躍が期待されている。
● ロビン・ゴセンス(Robin Gosens)
代表:ドイツ代表
Pos:LWB/LSB
生年月日:1994/7/5(26歳)
身長/体重:184cm/76kg
所属:アタランタ(イタリア)
2020-21シーズン:32試合11ゴール6アシスト(セリエA)
▼2006年からドイツ代表を率いるヨアヒム・レーヴ監督が今大会限りで退任する。14年に行われたブラジルW杯を制したドイツ代表だが、その後は国際大会で低迷。前回大会王者として臨んだ18年のロシアW杯ではまさかのグループステージ敗退を喫した。レーヴ監督は退任するのではないかとの噂もあったが続投。若手への世代交代を掲げ、マッツ・フンメルスやジェローム・ボアテング、トーマス・ミュラーは強制的に代表引退となった。
▼これまで代表を支えてきた選手達が代表を去り、経験の少ない若手選手を中心に19年のEURO予選、20年のUEFAネーションズリーグ、21年のW杯予選3試合を戦った。しかし、対強豪には殆ど勝てず、オランダには2敗、フランスには1敗、スペインにはネーションズリーグで0-6の大敗を喫した。また、21年のW杯予選では北マケドニア代表に金星を献上。このような不調もあり、レーヴ監督はEURO前にフンメルスとミュラーの代表復帰を決断。3-4-3のフォーメーションを使い攻撃的なサッカーを展開することを目指している。
▼その中ではもちろんフンメルスとミュラーの2選手に注目が集まるが、今大会はロビン・ゴセンス(アタランタ)に注目したい。超攻撃的サッカーを展開するアタランタでLWBとして起用されているゴセンスは、今季セリエAで32試合11ゴール6アシストを記録。アタランタ加入以前はLSBだったことを考えるとこのスタッツは驚異的だ。ドイツ代表でもアタランタと同じ3-4-3のLWBで起用されることが予想されるため、普段から慣れているポジションでプレーするゴセンスがキーマンになると予想する。また、中盤に再コンバートされているヨシュア・キミッヒが今大会はRWBでの起用が濃厚となっており、こちらも注目だ。ドイツ代表は”死の組”とも呼ばれるグループFさえ突破すれば一気に優勝の可能性も見えてくるだろう。
● ヌーノ・メンデス(Nuno Mendes)
代表:ポルトガル代表
Pos:LSB
生年月日:2002/6/19(18歳)
身長/体重:176cm/70kg
所属:スポルティング(ポルトガル)
2020-21シーズン:29試合1ゴール1アシスト(リーガNOS)
▼前回大会王者ポルトガル。クリスティアーノ・ロナウドやペペ、ベルナウド・シウバら2016年大会の優勝メンバーに加え、ルベン・ディアスやブルーノ・フェルナンデスなどワールドクラスの若いタレントが頭角を現している。ルベン・ディアスに関しては既に代表でも絶対的な選手となっているが、ブルーノ・フェルナンデスに関してはフェルナンド・サントス監督が最適解のポジションを見つけられていないようにも思える。そのためマン・ユナイテッドでの活躍がそのままポルトガル代表でも見られる!ということでは無さそうだ。ただ、EURO前最後のイスラエル戦でトップ下起用され、2ゴール1アシストを記録。およそ1年半ぶりに代表でゴールを決めており、EURO 2020で本格的に代表でも大ブレイクする可能性もある。
▼そして今大会ポルトガル代表で注目したいのが18歳のヌーノ・メンデスだ。2019-20シーズン終盤より所属するスポルティングでLSBのレギュラーに定着している。ポルトガル代表にはラファエル・ゲレイロ(ドルトムント)という絶対的なLSBがいるが、ヌーノ・メンデスは3月に代表デビューして以降行われた全5試合で起用されている。サントス監督のヌーノ・メンデスへの期待が大きいことは明らかであり、16年大会でEUROまで1度も先発起用していなかったレナト・サンチェスを大会途中からスタメンに固定した例があるだけに、メンデスの起用法にも注目が集まる。また、マンチェスター・シティなど複数のビッグクラブが獲得に関心を示しており、今大会での活躍次第ではかなりの高額での移籍の可能性もあり得るだろう。