場所はオーストラリア。ナショナル・プレミアリーグ・ニューサウスウェールズ州(NPL NSW州)というオーストラリア2部に相当するリーグ、ウーロンゴン・ウルブスというクラブに日本人選手が2人所属している。田代有三と野沢拓也だ。2人は2012年でヴィッセル神戸で共演して以来の再会となる。
田代が加入した2017年、ウーロンゴン・ウルブスは6位(12チーム中)に終わった。12勝1分9敗35得点28失点だった。しかし田代個人で見てみると、21試合に出場し10得点をあげリーグ9位タイの成績を収め、個人では最高とも言えるスタートだった。
また田代より多くの得点をあげていた選手たちの中には、11得点の久保木優(当時:シドニー・オリンピックFC 現在:ミネルウァ・パンジャーブFC[インド])、13得点をあげた梶山知裕(サザーランド・シャークスFC)と日本人選手の名前もあった。
2018年2月15日、ウーロンゴン・ウルブスの公式フェイスブックにてベガルタ仙台での契約を満了した野沢拓也がウーロンゴン・ウルブスへ加入することが発表された。
オーストラリア紙『Illawarra Mercury』は「日本のスターがウルブスへ」と見出しを掲げ、ウーロンゴン・ウルブスは「Jリーグで最も成功した人気選手の1人」と紹介するなど、野沢の加入が注目・期待されていた事が分かる。
野沢自身も「ウルブスでプレーし、再び田代とプレーするためにウーロンゴンへ来ました。より多くの試合で勝利を収め、より多くの大会を制するためにここに来ています。ウルブスのためにベストを尽くします。成功するシーズンになるはずです」とコメントした。
この野沢の加入は、田代がクラブの会長とCEOに直談判をして実現した移籍だったそうだ。
ウーロンゴン・ウルブスの今季リーグ戦初試合は、0-0のドロースタートとなる。
そして迎えた第8節ライカート・タイガース戦。前半35分相手のハンドからPKを獲得し、田代が決める。さらに72分クロスのこぼれ球を胸トラップした野沢がそのままゴールを決め、2-4で破れたものの、田代&野沢がそろって今季初ゴールを決めた。(以下の動画)
それから田代は20試合に出場し4ゴール、野沢は19試合に出場し第8節で決めた1ゴールで今シーズンの幕を閉じた。チームも9位(7勝6分9敗23得点36失点)と昨季と比べて順位を落とす結果となってしまった。
現在36歳の田代、37歳の野沢。多くの時間を過ごした鹿島アントラーズ・ヴィッセル神戸の時のように野沢のパスから田代というホットラインが見れるか。今後も2人の活躍を見守っていきたい。