2018-2019シーズンのリーグ・アンは日本代表SB酒井宏樹が所属するマルセイユとトゥールーズの一戦で幕を開けた。キックオフ直後からトランジション入り乱れたが、試合は一方的だった。マルセイユは右サイドからクロスをあげると、トゥールーズDFのハンド判定によりPKを獲得。結果として4-0と大勝し、イギリスメディアでは酒井宏樹が開幕節のベストイレブンに選ばれるなどの結果を得た。しかし、今回取り上げたいのはマルセイユの3点目でジャーメインが見せたDFラインブレイクだ。
DFがフラットにラインを保つ場合、中央からの突破は難しい。そこでDFの間を斜めに突破するダイアゴナルランが重要となる。それでも、欧州トップリーグのDFとなれば何度もアンフラッタブルな状況など訪れない。そのため『優秀なフォワード』は徐々にそのタイミングを作り上げる。結果として3点目の生まれたこの状況はまさにだった。DF同士の位置関係が擦り合っていた状況から、約50cm程度のズレが生じている。ボールの出し手と受け手がアイコンタクトを交わし、間隙を縫ってラインブレイクする。浮き玉のパスにCB2人は対応できず、あっさりと決められてしまった。
高い集中で臨むゲームだからこそ、瞬間的な正解が発動した際静寂が訪れる。まさにダイアゴナルランでラインブレイクした際のジャーメインの姿は、高い戦術眼をもって繰り出された一撃となった。