ロシアW杯もいよいよ終盤。グループステージが、決勝トーナメント1回戦が終了し、日本時間7月6日の23時から準々決勝が始まる。ここまで駒を進めたのは、ウルグアイ代表、フランス代表、ブラジル代表、ベルギー代表、スウェーデン代表、イングランド代表、ロシア代表、クロアチア代表の8カ国。開催国のロシア代表がベスト8。メッシ率いるアルゼンチン代表、クリスティアーノ・ロナウド率いるポルトガル代表、「無敵艦隊」スペイン代表は決勝トーナメント1回戦で姿を消すなど波乱が起きた。
この準々決勝まで進んだ8カ国を、現在戦ってきた4試合のチームスタッツと監督とともに紹介する。
(データはデータ会社「Opta」によるもの)
ウルグアイ代表(GroupA 1位通過)
監督:オスカル・タバレス Óscar Tabárez
現在71歳と、今大会の最年長監督。かつて小学校で教師をしていたことから、マエストロの愛称で親しまれる。また筋肉を動かす神経に障害が起きて手足に麻痺が出る「ギラン・バレー症候群」を患っているため杖をついている。1988-90にウルグアイ代表監督を務め、ボカ・ジュニアーズ(アルゼンチン)、ミラン(イタリア)を指揮したのち、2006年に2度目のウルグアイ代表監督に就任し現在まで指揮を執る。
今大会グループステージ4戦全勝、さらに5得点0失点という強さで1位通過を果たした。チームスタッツを見ても突出した数値は見られないものの守備・攻撃ともに強力であることは確か。
フランス代表(GroupC 1位通過)
監督:ディディエ・デシャン Didier Deschamps
現役時代、豊富な運動量と卓越した戦術眼で中盤を支えたことから「マラソンマン」の愛称をもつ。2012年7月からフランス代表を率いる。ユヴェントス(イタリア)、マルセイユ(フランス)を指揮した経験も。
今大会はグループステージは2勝1分、3得点1失点で1位通過。決勝トーナメント1回戦では、アルゼンチン代表相手に4得点という攻撃力で勝利した。4戦合計7得点4失点と失点は8カ国中2位タイの失点数となっている。
ブラジル代表(GroupE 1位通過)
監督:チッチ Adenor Leonardo Bacchi
愛称「チッチ」ことアデノール・レオナルド・バッチ。2016年6月にブラジル代表の監督として就任。前任者のドゥンガ氏のもとでは不調となっていたブラジル代表だったが、チッチ監督就任後公式戦7連勝と好調。
グループステージでは、初戦スイス代表と1-1でドロースタートとなったがその後は連勝し、2勝1分で1位突破。決勝トーナメントに進出した8カ国の中で、ウルグアイ代表と同数の1失点という守備力を誇りつつ、ネイマール、コウチーニョを筆頭に4試合で枠内外計60本のシュートを放つ攻撃力を持つ。
ベルギー代表(GroupG 1位通過)
監督:ロベルト・マルティネス Roberto Martínez
2016年8月ベルギー代表の監督に就任。スウォンジー、ウィガン、エヴァートンを指揮した経験を持つ。古巣でもあるスウォンジーを指揮した際には、24年振りにフットボールリーグ・チャンピオンシップへ復帰させた。
ベルギー代表は、今大会の欧州予選において9勝1分43得点6失点という圧倒的な攻撃力で本大会進出を決めている。さらに現在4試合を終え8カ国トップの12得点を記録。枠内外シュート数もブラジル代表についで2位の57本を放つなど今大会でもその攻撃力は健在。失点は4。
スウェーデン代表(GroupF 1位通過)
監督:ヤンネ・アンデション Janne Andersson
ヤンネ・アンデション監督はこれまでハルムスタード(スウェーデン)といったクラブを率いた経験を持ち、2011年にはノーショーピング(スウェーデン)の監督に就任。2015年には26シーズンぶりにスウェーデン1部アルスヴェンスカンで優勝を果たしていた。その功績が認められ2016年スウェーデン代表に就任。
スウェーデン代表は、4試合を終え現在6得点と8カ国の中で最も少ない。ポゼッション平均も36.5%。1点でも先取できれば、平均身長185cmを超える選手達で堅守。失点はグループステージで前回大会優勝ドイツ代表に許したわずか2点のみ。
イングランド代表(GroupG 2位通過)
監督:ガレス・サウスゲート Gareth Southgate
2006年に、ミドルスブラ(イングランド)で選手兼任監督としてキャリアをスタート。その後ライセンスを取得し、正式な監督となる。2013年イングランドU-23監督、そして2016年12月イングランド代表監督に就任。
イングランド代表は現在得点王のFWハリー・ケインを筆頭にベルギー代表に次ぐ9得点をマーク。グループリーグで奪った8ゴールの内、6ゴール(PK2つを含む)をセットプレーから決めている。DFトリッピアーのクロス精度もあり、8カ国の中でも上位の4試合計60本のクロス数を記録。
ロシア代表(GroupA 2位通過)
監督:スタニスラフ・チェルチェソフ Stanislav Cherchesov
「スタス」の愛称で、2004年から監督としてキャリアをスタート。現在まで8クラブを指揮した経験豊富な監督。2016年にロシア代表の監督として就任。今大会見事ロシア代表を7大会ぶりにベスト8進出を果たし、「あなたは宇宙だ」と称賛される。
ロシア代表は、開幕戦のサウジアラビア戦で5得点、現在計9得点を記録している。グループステージでウルグアイ代表に3失点したものの、決勝トーナメント1回戦の「無敵艦隊」スペイン代表相手に1失点、PK戦の後劇的勝利を収めるという堅守が武器。4試合のポゼッション平均も37.8%と、スウェーデン代表に次いで低い。だが、枠内外シュート数26本で9ゴール(35%)という割合は8カ国の中でトップ。
クロアチア代表(GroupD 1位通過)
監督:ズラトコ・ダリッチ Zlatko Dalic
ダリッチ監督は、前監督チャチッチ氏の後任として2017年10月にクロアチア代表監督に就任。クロアチア・中東アラブのクラブで監督を務め、2016年はUAEのアルアインをAFCチャンピオンズリーグ準優勝に導いた経歴を持つ。
クロアチア代表はグループステージでアルゼンチン代表に3-0で圧勝するなど、ここまで9得点2失点、攻守両面において高い記録を残している。クロス総数66本は8カ国の中で上位の数値。