MF中川風希(FC琉球)
6ゴール7アシスト
現時点下J3最高の結果を叩き出しているのが琉球所属のMF中川風希だ。開幕からフルスタメンを続けており、得点やアシストといった結果をベースに首位を走るチームの原動力となっている。リーグでも稀な10ゴール10アシストを狙える唯一の存在でもある。東京U23からスペインを経由してJリーグにやってきた新鋭は、類まれなリズム感覚で席巻している。
FW和田凌(FC琉球)
5ゴール2アシスト
12節AC長野パルセイロ戦でデビューした気鋭の戦士はプロ初出場で得点を決めると3試合連続ゴール。2試合の途中出場を経てスタメンに返り咲くと、さらに2試合連続得点を決めてみせた。出場641分5得点であり、90分あたり得点率で考えれば、シーズン二桁得点ペースであり、「隠れ得点王候補」の選手だ。
FWレオナルド(ガイナーレ鳥取)
10ゴール5アシスト
MFヴィトール・ガブリエル、MFフェルナンジーニョ、FW加藤潤也と共に強力オフェンスラインナップを形成する鳥取において最もフィニッシュに関与した選手だ。チームが一時期勢いを失ったことでチームの総得点数は他クラブが上回っているものの、少ない選手でカウンターアタックを目指すチームにあって4人で構成できるユニットは脅威だ。世界的潮流である『非属人的な攻撃戦術』とは異なるが、このプレゼンスは圧巻そのものだ。
SB砂森和也(アスルクラロ沼津)
1ゴール5アシスト
出場機会確保のため、カマタマーレ讃岐から移籍してきた中堅のサイドバックは水を得た魚のようなシーズンを送っている。好調沼津のチャンスメイカーでラストパスの数値も全体5位の34本を叩き出しており、左からの攻撃でチームを牽引する。クロス精度に注目してもらいたい選手だ。
SB藤澤典隆(鹿児島ユナイテッドFC)
1ゴール4アシスト
既に「ベテラン」や「職人」の域に差し掛かり始めた藤澤をこの枠から外すわけにはいかない。琉球から鹿児島へと移籍してきた1年目から躍動を続けており、ラストパス数も全体6位の33本。クロスだけにとどまらず、グラウンダーのパスでも味方を活かすボールは、後半戦鹿児島の原動力となるか。
MF新井瑞希(カターレ富山)
2ゴール3アシスト
浦和レッズユースからSVホルン(オーストリア)を経て日本に戻ってきたテクニシャン。今季はMF椎名伸志、MF差波優人といったクリエイティブなパサーを3列目に配しており、独特なリズムでドリブルで切れ込むさまは、セットプレイも多いカテゴリーにおいてオリジナリティ溢れる。一芸と考えれば、J3史上屈指のドリブルテクニックをもつ新井のパフォーマンスにもう一つ「何か」が加われば、ステップアップも現実的だ。
FW武颯(福島ユナイテッドFC)
6ゴール0アシスト
昨年、MF相馬勇紀(早稲田大→名古屋)とのコンビで関東大学リーグを席巻した得点への嗅覚はプロでも通用。中央の位置に位置づけているが、上背があるわけではなく、得意とするのはドリブルで相手を「外すこと」にある。若手の王道ストライカーがJ3に出現したこと自体も珍しい。得点感覚をさらに磨いてチームをさらに上位に位置させるエースFWの仕事ぶりを見てほしい。
CB森下怜哉(セレッソ大阪U-23)
1ゴール1アシスト
J3参戦3年目の満20歳でプロリーグ出場71試合と若手屈指の出場数を持つ森下は、予測精度があがってきたようだ。180cmの身長はCBとしての上背は誇れないものの、地上戦の強さと予測力でデュエルを可能とした。1学年上世代のFC東京CB岡崎慎は2015年にJ3参入1年目にしてリーグベストイレブン級の働きを見せ、3年半もの間J3で戦い続け、4年目の今季ようやくトップチームでスタメンデビューすると、プロ初ゴールも記録。セレッソはCBの陣容も固まっているとはいえ、控え層も考えれば、十二分にチャンスはある。来季の結果に結びつけるためにも今季後半のさらなる成長を垣間見ることができるだろう。
CB木村誠二(ガンバ大阪U-23)
0ゴール0アシスト
U-23とU-18を兼任する高校2年の17歳CBは、J3を戦うFC東京U-23チームのメインCBとして戦っている。まだ身体は出来上がっておらずあどけなさも残る笑顔の眩しい若手のホープは、先輩DFの成長過程を隣で見続けた。チーム単位でステップする以外、個人ステップアップの実例はあまりにも少ない。明確にJ1へ定着できたのも、MF堂安律(ガンバ大阪→フローニンヘン)ほどだ。しかし、前述の岡崎など、少しずつ現れ始めた好例の流れに乗れるか。
FW一美和成(ガンバ大阪U-23)
5ゴール4アシスト
ステップアップの時期が訪れた。レヴィー・クルピから交代し、宮本恒靖U-23監督が昇格したことCB野田裕喜、MF高宇洋、FW食野亮太郎と共にチャンスを得られそうなのが一美和成だ。J3から完全に離れるわけでもない。熊本県大津高校から野田と共にプロへ進んで3年。既に花開く同世代を尻目に、必死でJ3を戦い続けた。FWであっても、常にシュートを打つことができるわけではない。しかし、17戦でシュートを撃つことができなかったのは2試合と、FWとしての動き出しに磨きをかけてきた。花開けるか、後半戦の一美はJ1とJ3に注目したい。