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新生日本代表へ、カタールW杯に向けた4年間に必要なアップデート(1)

 ロシアW杯の挑戦をベスト16で終えた日本代表は、試合終了後にMF本田圭佑、一夜明けてMF長谷部誠、DF酒井高徳が代表引退を表明した。またFW乾貴士、MF香川真司も次回のW杯出場に関しての意志が無い旨を顕示したことで代表は大幅なアップデートを必要とすることが表面化された。


 対象的に、MF柴崎岳、FW岡崎慎司、SB長友佑都の3名は次回挑戦を既に表明。しかし、負傷を抱える岡崎は完治と所属するクラブチームでのコンスタントな出場機会を得る回復が必要だ。特に、岡崎・長友の両名がもし次回大会でも代表に名を連ねるようであれば、W杯の日本代表史上最高年齢での招集・出場となる。同様に引退を表明していないGK川島永嗣も同様だ。
 ただ、歴史上や今大会の多くのチームを見ても、五輪直後の世代と6年を経過した世代(カタールW杯時はリオ世代と東京世代)が中心となり、30歳を超えてくる選手が何人も招集されるチームは上位進出が難しい。その点を考慮すれば、
・代えの効かない経験値を持ち、サブが薄いポジション
・欧州一線級で活躍を続けている選手
で無い限りは、招集する必要性は薄い。

 引退と引退示唆の5名に加え、GK東口順昭、DF槙野智章、MF山口蛍はやや厳しいか。またFW原口元気、FW武藤嘉紀、FW宇佐美貴史、FW岡崎慎司の4名は活躍次第の変動率による。それほど「絶対的」な存在ではない。
 逆にFW大迫勇也、MF柴崎岳、SB酒井宏樹、CB吉田麻也、CB昌子源の5名は次回大会に向けての軸となる。中心選手かつベスト16の経験を伝えていく立場となる。また何事もなければ守護神はGK中村航輔の可能性が高い。スタメン軸6人と経験値量の傑出する長友、川島は23名の中に入り込んでくるだろう。すなわち流動的な席は「15」も残されていることとなる。

 フォーメーションを現状同様と仮定すれば、両ウイング、トップ下、ボランチ、左サイドバックの5ポジションに新世代が起用されることとなる。今回招集されたDF遠藤航、MF大島僚太、DF植田直通の3名も競争に割り込む。最終候補に残ったFW浅野拓磨、MF井手口陽介、MF三竿健斗、ラージリストまでは残っていたと思われるFW中島翔哉、MF堂安律らを含めたリオ・東京世代がどれだけ食い込むことができるかに大きな着目をしたい。次回は、リオ・東京・パリ世代から有望な若手をピックアップしていく。