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千葉FW船山貴之と甲府MF小塚和季のゴールに共通する『ダイアゴナルラン』の連動性

 ダイアゴナルランとは、フィールドの中央からサイドまたはサイドから中央に斜めに走る動きのことを指す。この動きによって相手DFのマークの受け渡し、ラインのコントロールなどDFを混乱させられる。DFが受け渡すことが出来なければそのままもらうこともでき、逆にDFが動きにつられれば、空いたスペースを違う選手が使うことも可能となる。
 J2第15節、まさにお手本と呼ぶべき『ダイアゴナルラン』から生まれたゴールが2つも誕生した。

FW船山貴之とFWラリベイの息の合った動き

 50分、スローインをFW指宿洋史が受けながら、プレスを掛けてきた2人を上手くかわす。ゴールに向かう指宿と同時に、船山・ラリベイも走り出す。ラリベイは中央からニアサイドへ。横浜FCのDF川崎裕大もその動きに引っ張られる。2選手がいたスペースは大きく空いており、そこに船山が走り込む。直線的ではなく、やや外に膨らみつつ走ることでカバーにきたDFとの距離を空け、余裕を持ってシュートを打つことが出来た。






MF小塚和季の計算尽くされたゴール

 試合終了間際の90分、FWリンスとの巧みなパスワークから見事なカウンターを見せた小塚は、走りながら一瞬後方へ首を振りMF島川俊郎の上がりを確認した。この瞬間、小塚にはゴールまでの流れが見えていたのだろう、中央からサイドへダイアゴナルランを見せる。小塚に付いていた讃岐DF佐々木渉は、小塚のポジションからオフサイドが取れると確信し、スピードを落とす。しかし、佐々木は島川を確認出来ていなかった。DF武田有祐との間を埋めていれば防げていたかもしれない。小塚は島川へパスを通し、ワンツーを受けて無人のゴールへ流し込んだ。
 今季アルビレックス新潟から完全移籍で加入した小塚。得意な攻撃の組み立て、周囲との連動からゴールを奪ってみせた。



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