2018年の北海道コンサドーレ札幌は、『ミシャ』の招聘に成功したことからすべてが始まった。16年ぶりとなるJ1残留を果たした札幌は改革を推し進める旗頭としての招聘を行った。それに伴い、既存戦力の囲い込みに奔走したが、ジェイやチャナティップ、ク・ソンユン、福森晃斗など主軸を残留させることに成功した。
サンフレッチェ広島、浦和レッズ時代を継承した『ミシャ式』を札幌でも実行するようで、先日ハワイで開催されたカップ戦からも様子は窺える。
【守護神争い】
林卓人、西川周作の系譜を考えても、『ミシャ式』の守護神にはキックコントロールの正確さが求められる。「菅野孝憲はセカンドとして取った」との見方があるものの、おそらくそれはないだろう。コントロールに不安の残るク・ソンユンに対する刺激材料の公算が高い。
逆に言えば、どちらが出てもクオリティは維持できるため、状況に応じた併用策の可能性も僅かには残る。ク・ソンユンが育ちきらなければ菅野孝憲と捉えていいだろう。
【ディフェンスライン】
広島時代の塩谷司(アル・アイン/UAE)と類似した役割を担う福森晃斗に加え、バランス感覚に優れた石川直樹、ディフェンス力としては優秀だがファウルを与えやすい菊地直哉の3人体制が敷かれる。横山知伸は完全移籍に移行したものの、控えの第一党となるか。進藤亮佑・河合竜二がその次に続く。
【ボランチライン】
青山敏弘・阿部勇樹が担った役目は、宮澤裕樹が受け継ぐようだ。横幅いっぱいに視野を広げなければならない役目は、いくら身体能力が良くても対応できることではない。相方の筆頭格は兵藤慎剛、深井一希や荒野拓馬が次点候補か。
仮にどちらかが怪我をしても、能力上そこまで劣らないメンバーが揃っていることでクオリティを担保できる点は素晴らしい。稲本潤一やキム・ミンテはルヴァンカップでの出場になるかもしれないが、カップ戦でも対応できるメンバーが揃っている。
【攻撃的な中盤メンバー】
白井康介・チャナティップ・三好康児・駒井善成と並ぶラインナップは皆小柄だが破壊力がある。前方への推進力が強いため、諦めずに戦い切る精神力が鍵を握る。
【ワントップを務めるのは…】
1年前、FW都倉賢のみの選択肢しかなく、福森→都倉のホットラインで戦い抜いてきたチームだったが、夏場でジェイが加入したことが一つのきっかけとなった。セカンドトップの位置に都倉賢を投入することも考えられたが、タワーサイドプレイヤーは1人で十分との決を下したようだ。