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【町野修斗】マリノスの最前線を任せるべき人材の登場

 後方からのボールをポストプレイでサイドに流し、反転してゴール前に顔を出す。ゴールは譲るも、そのポジションに走り込んでいたことが重要だった。ディフェンスには厄介な存在にほかならない。ボールを収めてエリア内へ侵入するだけでなく、的確なポジショニングでオフサイドの可能性を殺し、味方のシュートポジションを確保しているのだから。この日直接ネットを揺らすことはなく、アシストもなかったが、2つの得点機会に関与したFW町野修斗(履正社高→横浜F・マリノス)の献身性を高く評価したい。



 RSB後藤田亘輝(前橋育英高)のクロスへ飛び込み、DMF田部井涼(前橋育英高→法政大)の縦パスをさばく。FW飯島陸(前橋育英高→法政大)とポジションをシェアするような息の合い方、CB生駒仁(鹿児島城西高→横浜F・マリノス)のフィードをポストプレイで収める動きなど、ストライカー型の選手としては十二分なスケールを感じさせる動きを見せ続けた。
 現・高校3年世代は正直なところ「不作」と目され続けた世代だ。多くを現・高校2年世代にとって食われても仕方がないほどレベル差がはっきりしている。FWの動きでいっても小学年代からアンダーカテゴリーの代表レギュラーを務め上げているW宮代大聖(川崎フロンターレU-18)に比べれば大きな差もある。ただ、高校年代の強みは、反骨心とメンタルの強さ、さらに高体連からアンダー代表に選出されるメンバーは、ふるい落とされる可能性の高さからか、瞬間的に相手の意図を汲み取る能力に長ける。

 今後、ポステコグルー新監督のもとではディフェンスへの入り込み方に対して指導を受けてほしい。直線的な動きに長けているため、ぱっとタイミングに合わせて侵入する動きは良いが、駆け引きに関してはまだまだだ。スペースを先に埋められてしまった場合、ボールを叩いてサイドへ流しても、ミドルシュートのポジションを得たとしても、コースを切られてしまえば無に帰してしまう。
 相手の視線や頭のなかにどれだけの動きを想起させることができるか、見た目のままの破壊力だけでなく、追加のフリックの動きを覚えれば、プロのスタメンも見えてくる。