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【エールディビジ】若手逸材の宝庫!今オランダで見るべき若手選手22名(前編)2018/19シーズン版

多くの名選手を輩出してきたオランダ・エールディビジ

▽これまでヨハン・クライフ、マルコ・ファン・バステン、デニス・ベルカンプ、エドガー・ダービッツ、ロナルド・クーマンら世界を代表するレジェンド達を多く輩出しているオランダ。ロビン・ファン・ペルシーやアリエン・ロッベン、ヴェスレイ・スナイデルらオランダ国籍の選手はもちろんのこと、ズラタン・イブラヒモビッチや本田圭佑もオランダで大きく成長を遂げた選手の1人だ。
▽今回、「Evolving Data」が独自に現在エールディビジでプレーする期待の若手選手22名を厳選!まずは前編から!
↓後編はこちら↓

【エールディビジ】若手逸材の宝庫!今オランダで見るべき若手選手22名(後編)18-19シーズン

*若手選手の年齢は「22歳」で区切りをつけております。

● アンドレ・オナナ(André Onana)
代表:カメルーン代表
Pos :GK
生年月日:1996/4/2(23歳)
身長/体重:187cm/93kg
利き足:右
所属:アヤックス
昨季リーグ戦:33試合32失点


▽マヌエル・ノイアーの後継者にも喩えられるGK。カメルーンの英雄サミュエル・エトーが創設したアカデミー出身で、10年にバルセロナの下部組織出身へ加入した(当時14歳)。その後、バルセロナのトップチームへ昇格することなく、15年冬にアヤックスへと移籍。加入してから1年半はセカンドチームで過ごし、2016/17シーズンからトップチームの正GKに抜擢されている。

 オナナのプレースタイルを一言で言えば「マヌエル・ノイアー」だ。いわゆるスイーパーGKで、鋭い飛び出しやバルサ仕込みの足元の技術、正確なフィードが持ち味だ。もちろんノイアー同様にシュートストップにも定評がある。数年以内にバイエルンなど欧州のビッビクラブが獲得に本腰を入れる可能性が高いだろう。



● ユスティン・バイロウ(Justin Bijlow)
代表:オランダ代表
Pos :GK
生年月日:1998/1/22(21歳)
身長/体重:188cm/76kg
利き足:右
所属:フェイエノールト
昨季リーグ戦:3試合4失点

▽未来のオランダ代表正GK候補だ。フェイエノールトの下部組織出身で、16年夏にトップチーム昇格(当時18歳)している。2017/18シーズンはオーストラリア代表GKブラッド・ジョーンズの控えGKに留まっていたが、18年夏にジョーンズがアル・ナスル(サウジアラビア)へ移籍したことがきっかけで20歳の若さでフェイエノールトの正GKに抜擢された。

 シュートストップに優れており、特にPKストップを得意とする。リーグ開幕前に行われたヨハン・クライフ・スハールでは、延長戦120分戦って0-0と決着がつかずPK戦へ。このPK戦でバイロウが2本のPKを止めフェイエノールトが制した。

オフェンスの組み立てにも関わる「現代型CB」たち

 
● マタイス・デ・リフト(Matthijs de Ligt)
代表:オランダ代表
Pos :CB
生年月日:1999/8/12(19歳)
身長/体重:188cm/89kg
利き足:右
所属:アヤックス
昨季リーグ戦:33試合3ゴール2アシスト


▽19歳にしてアヤックスの主将を務める現代型CBだ。アヤックスの下部組織出身で、16年10月に17歳の若さでトップチーム昇格(当時17歳)を果たした。トップ昇格初年度から出場機会を掴み、2016/17シーズンはエールディビジ11試合に出場。2017/18シーズンからはレギュラーの座を確たるものとし、オランダ代表でもレギュラーの座を掴んだ。2017/18シーズン終盤には、主将を務めていたヨエル・フェルトマンが全治8ヶ月の大怪我を負ったことでデ・リフトが主将に抜擢されている。

 デ・リフトは19歳ながら既に完成された選手と評価されている。188cm/89kgのフィジカルに加え、スピード、ヘディングの強さ、そして「パススキル」を兼ね備える。昨季エールディビジで全選手最多の1839本のパスを通し、成功率は89%を記録。CBにも高いビルドアップ能力を求める現代サッカーにおいて、彼を欲しがらないクラブは存在しないだろう。



● キク・ピエリー(Kik Pierie)
代表:オランダU-19代表
Pos :CB
生年月日:2000/7/20(18歳)
身長/体重:183cm/75kg
利き足:左
所属:ヘーレンフェーン
昨季リーグ戦:31試合1アシスト


▽2017年秋に英紙「The Guardian」が選出する60人の有望な若手選手にも選出されたレフティーのCBだ。ヘーレンフェーンの下部組織出身で、17年夏にトップチーム昇格している。昇格直後からレギュラーの座を確たるものとし、2017/18シーズンはエールディビジ31試合に出場。2018/19シーズも不動のCBとしてヘーレンフェーンの最終ラインに君臨しており、第3節フェイエノールト戦ではプロ初ゴールを記録した。

 ピエリーの最大の武器は左足から放たれる高精度のフィードだろう。ピエリーからのフィードがゴールに直結することも少なくなく、ヘーレンフェーンの攻撃の1つの形でもある。選手として大きく成長を遂げるためにも、今季終了後にオランダ4強のいずれかに移籍することを勧める。

● パンテリス・ハツィディアコス(Pantelis Hatzidiakos)
代表:ギリシャU-21代表
Pos :CB
生年月日:1997/1/18(22歳)
身長/体重:181cm/75kg
利き足:右
所属:AZ
昨季リーグ戦:26試合1ゴール1アシスト


▽元オランダ代表DFロン・フラールとコンビを組むギリシャ期待のCB。パナシナイコスの下部組織出身で11年夏にAZの下部組織へ移籍し、15年12月にトップチーム昇格を果たした。昇格直後は控えだったが、2017/18シーズン途中からスタメンの座を射止め、2018/19シーズンも引き続き好調なチームの最終ラインを支えている。

 181cmと上背はないが、スピードを活かしたタックルやインターセプトで相手の攻撃の芽を摘むことを得意としている。足元も非常に柔軟で、時折見せるオーバーラップも魅力だ。AZで相方を務めるのは元オランダ代表DFロン・フラールはディフェンス時の統率力に加え、時折見せるオーバーラップからのミドルシュートなどの攻撃参加にも定評がある選手だ。彼と共にプレーすることで大きな成長が見込めるだろう。

名門クラブの攻守に渡るキーマンたち

 
● デンゼル・ダンフリース(Denzel Dumfries)
代表:オランダ代表、アルバ代表(2014年)*オランダへ国籍変更
Pos :RSB
生年月日:1996/4/18(23歳)
身長/体重:188cm/80kg
利き足:右
所属:PSV
昨季リーグ戦:33試合3ゴール8アシスト(ヘーレンフェーン)


▽今夏にヘーレンフェーンより加入したオランダ期待の大型サイドバックだ。アマチュアクラブであるBVVバーレンドレヒトの下部組織出身で、14年夏に育成の名門スパルタ・ロッテルダムへ引き抜かれた。スパルタ・ロッテルダムで3シーズンプレーした後、17年夏にヘーレンフェーンへ移籍している。エールディビジ33試合で3ゴール8アシストを記録する大活躍を披露し、1年後の18年夏からPSVでプレーしている。

 抜群の身体能力の持ち主であるダンフリースは、188cm/80kgと恵まれたフィジカル、スピード、多彩なクロス、粘り強い守備を持ち合わせている。また、超人的なジャンプ力も兼ね備えており、セットプレーにおいては攻守に渡って存在感を発揮する。22歳ながら完成されたサイドバックと評価されるダンフリースに足りないものは「経験」だけだ。PSVで欧州の舞台を経験し、2年以内にはさらなるビッククラブへとステップアップを果たすだろう。アントニオ・バレンシアの後釜を探しているマンチェスター・ユナイテッドへの移籍はどうだろうか。



● タイレル・マラシア(Tyrell Malacia)
代表:オランダU-20代表
Pos :LSB
生年月日:1999/8/17(19歳)
身長/体重:169cm/67kg
利き足:左
所属:フェイエノールト
昨季リーグ戦:11試合


▽フェイエノールト史上最年少でCLに出場したLSBだ。フェイエノールトの下部組織出身で、17年夏にトップチームへ昇格。同年12月に行われたCLグループステージ最終節ナポリ戦で、クラブ史上最年少でCLデビューを果たしている。CLデビュー後からはトップチームに定着し、2018/19シーズンからはレギュラーの座を掴んだ。

 マラシアは粘り強い守備が持ち味の選手だ。クリーンなタックルや、相手FWに対する寄せが非常に上手い。オフェンス面に関しても平均以上の能力を兼ね備えており、18-19エールディビジ第3節ヘーレンフェーン戦ではプロ初ゴールを記録した。豪快な左足のミドルシュートも武器の一つ。

● アンヘリーニョ(Angelino)
代表:元スペインU-17代表
Pos :LSB
生年月日:1999/1/4(22歳)
身長/体重:175cm/69kg
利き足:左
所属:PSV
昨季リーグ戦:34試合3ゴール6アシスト(ブレダ)

▽超攻撃型サイドバックだ。デポルティーボ・ラ・コルーニャの下部組織出身で、16歳でマンチェスター・シティへと引き抜かれた。トップチームへ昇格することなく国外クラブへレンタル移籍を繰り返し、昨季はシティの提携クラブであるブレダでプレー。34試合に出場し、チームトップの6アシストを記録。18年夏にヨシュア・ブレネトの後釜としてPSVへ加入した。

 アンヘリーニョ最大の武器は、彼の代名詞とも言える左足のキックだろう。その正確無比のクロスから多くの決定機を演出するだけでなく、直接FKも得意としている。スペイン人らしく足元の技術も兼ね備えており、華麗なテクニックで相手DFを欺くことも。PSVで成功を収めればスペイン代表から声が掛かってもおかしくないだろう。

名門クラブが育てた中盤の逸材たち

 
● フレンキー・デ・ヨング(Frenkie de Jong)
代表:オランダ代表
Pos :DMF/CB
生年月日:1997/5/12(20歳)
身長/体重:180cm/70kg
利き足:右
所属:アヤックス
昨季リーグ戦:22試合7アシスト


▽アヤックスが生んだ天才MFだ。元々はヴィレムⅡの下部組織出身で、15年夏にアヤックスへと引き抜かれた。16年夏にトップチームへ昇格し、2017/18シーズンから主力選手としてプレーしている。本来はDMFの選手だが、シーズン終盤はCBでの出場が多かった。

 守備的なポジションの選手だが、デ・ヨング最大の武器はテクニカルな「ドリブル」だ。これはデータにも現れており、2017/18シーズンはCBとして13試合に出場しながら54回のドリブルを成功させた。その成功率は「93%」にも及ぶ。この「93%」という数値がいかに異常値かということを証明するデータを紹介する。ポジションは異なるがFWネイマールの2017/18シーズンの成功率が「62%」、中盤の選手だとMFチアゴ・アルカンタラが「57%」とシーズンを通じて「93%」というのがいかに優れたスタッツであることがわかるだろう。
 
*まずは皆さん、「Frenkie de Jong」で動画検索しましょう。一度、彼のプレーを見たらお気に入りの選手となりますよ!

● テーン・クープマイナーズ(Teun Koopmeiners)
代表:オランダ-21代表
Pos :DMF/CB
生年月日:1998/2/28(21歳)
身長/体重:183cm/78kg
利き足:左
所属:AZ
昨季リーグ戦:26試合1ゴール4アシスト


▽高精度の左足を持つボランチだ。AZの下部組織出身で17年夏にトップチーム昇格。昇格初年度の10月からレギュラーに定着し、エールディビジ26試合に出場しら。2018/19シーズンも不動のレギュラーとして中盤に君臨している。

 クープマイナーズ最大の武器は左足の精度だろう。ロングレンジのパス、スルーパス、ミドルシュートはどれも一級品。セットプレーのキッカーを務めることもある。さらに1対1の守備を得意とし、ボールを奪ってからの速攻の起点となることも少なくない。

● ダンテ・リゴ(Dante Rigo)
代表:ベルギーU-19代表
Pos :CMF
生年月日:1998/12/11(20歳)
身長/体重:180cm/75kg
利き足:右
所属:PSV
昨季リーグ戦:2試合


▽ベルギーに現れた「NEXTトニ・クロースだ」。元々はリールセの下部組織出身で、8歳でPSVの下部組織に加入している。2018/19シーズンからは、マルコ・ファン・ヒンケルが抜けたこともあり出場機会が増加しており、第2節フォルトゥナ・シッタールト戦では、後半終了間際に勝ち越しゴールとなるプロ初ゴールを記録した。

 リゴのプレースタイルは、まさに「トニ・クロース」であろう。両足から高精度のボールを蹴ることが可能であり、セットプレーの精度も非常に高い。選手層の厚いPSVで試合に出場し続けることが、彼の成長に大きく繋がるだろう。

▽選手の日本語名の隣に英語名を記しておいたので気になる選手は動画でチェックしてみて下さい! 続きは後編で!
↓後編はこちら↓

【エールディビジ】若手逸材の宝庫!今オランダで見るべき若手選手22名(後編)18-19シーズン

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