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【選手名鑑】アペルカムプ真大カールの現在地|ドイツで進化を遂げるセントラルミッドフィルダー

 2017年3月、U-17W杯を半年後に控えた00ジャパンのアメリカ遠征が行われた。同時期、MF久保建英は1つ上のU-20W杯メンバーリストに入っていたため帯同せず。しかし、代わってU-17のリストに連ねた名前とチーム名に驚きがあった。
 アペルカムプ真大カール/フォルトゥナデュッセルドルフU-17
 三菱養和巣鴨ジュニアにいたアペルカムプが、いつの間にかドイツへと渡っていた。



アペルカムプ真大カールのプレースタイルと選手紹介

 三菱養和巣鴨では、エースFW中村敬斗に縦パスをつける役回りがメインのテクニシャンで、CF西田湧大の動きを促す役回りも担っていた。しかし、この世代は高校サッカーへと籍を替えるものも少なくなかった。いちいちすべて気にすることもなかったが、気がつけばドイツ・デュッセルドルフに身を移していた。デュッセルドルフU-16で結果を残してU-17へ昇格。副主将を務め、時にはゲームキャプテンを担当することもあった。
 プレースタイルも変化していたようだった。映像は少なく、ドイツ語のテキストベースとなる部分も多かった。それでも確実視できたことは、ボールコントロールの落ち着きだ。主将の経験や移籍に伴う落ち着きの現れか、縦の意識は前面に押し出しつつも、急ぎすぎない老成された一面が感じ取れた。

強烈な個性で輝き続けるミレニアム世代の中で

 中盤のスタイルを生み出すのに長けるヴィトーリア目黒出身というのも頷ける。ボランチラインから縦型に走り込むことや、パスをつけるのは、世代内でも屈指の実力者だ。
 「00世代は過去最強」との呼び声も高く、タレントの多くが入れ替わることなしに小学年代からU-17W杯までたどってきた。GK谷晃生、DF瀬古歩夢、菅原由勢、小林友希、MF喜田陽、福岡慎平、平川怜、鈴木冬一、上月壮一郎、FW山田寛人、中村敬斗、宮代大聖、棚橋尭士…さらにMF久保建英。その中に、先んじて海外の空気を知ったMFアペルカムプが入り込んできた。本大会入りこそできなかったが、1年後のリスボン国際を戦うU-19日本代表においてさらにその実力を磨いてきた。
 バランス感覚とリーダーシップに長ける福岡、スルーパスと展開力が武器となる平川、ディフェンスマルチローラーの喜田といる中で、中盤から縦への推進力を持ち合わせる様は、ベルギー代表のトッテナム所属MFムサ・デンベレのような選手である。
 まだまだ未知数な点も多い選手。小学、中学、高校とスタイルも変化させている彼の今後の成長を楽しみにしたい。