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【山田晃平】PKの魔物に囚われた奈良クラブの悔しい敗戦

名古屋vs奈良の再戦は異なる結果で幕を閉じた

 名古屋グランパスの8人目キッカーMF八反田康平が決めると、22日後の邂逅となった再戦は真逆の結果で幕を閉じた。異様な雰囲気が立ち込める中、最も歯がゆさを覚えたのは、奈良クラブの8人目キッカーMF山田晃平だったかもしれない。


 既に行われていた一戦では奈良クラブが勝利を収めていた。しかし、PK戦時にMF金久保彩が行った”ケンケン”のステップを指摘した審判はやり直しを命じる。しかし、審判有資格者の情報提供による「PKのやり直し」は失敗扱いになるとの指摘から、
①名古屋グランパスの勝利
②PK再戦
③奈良クラブの勝利
の観点から協議を進めた結果、今日に至った。




セクシーフットボール体現者の一人

 山田晃平は「平成初」のプロサッカー選手だ。生まれた日付がまさに平成の初日(1989年1月8日)生まれだ。新たな元号の初日に誕生したサッカー少年は、セレッソ大阪U-15から野洲高校に進む。1学年上にMF楠神順平、同期に日本代表FW乾貴士を揃えた陣容は高校選手権において”セクシーフットボール”の名を恣にし、サッカーファンを虜にした。
 大阪経済大を経て2010年にザスパ草津に加入するも、2年で退団。2012年1月にはMLSコロラド・ラピッズから指名を受けてJリーグ経験者として初のドラフト指名選手となった。トップチームでの経験を積むことはできなかったが、大きな転換点となった。
 同年9月当時JFLのV・ファーレン長崎に加入すると、Jリーグ加入に貢献し、翌年J2の舞台でプロ初ゴールを決めた。2014年にJ3長野パルセイロ、2017年FC岐阜と渡り歩いた後、2018年から奈良クラブでの挑戦を続けていた。


2年連続での珍体験となった金久保彩

 再試合のきっかけをつくってしまったMF金久保彩と山田晃平は、長崎、長野、奈良と三度同チームに所属する妙な縁を生み出した。また金久保は2017年ヴァンラーレ八戸所属時にも名古屋グランパスと天皇杯で戦い、再戦を経験している。
 最後に勝手なことだが、弊社が長らく制作中の『Football Data Media-Evolving Data-』本体は、このような現象や、オランダ・エールディヴィジのスパルタ・ロッテルダムの試合別背番号変動現象、イニエスタがヴィッセル神戸に加入したことに伴う、外国籍枠やシーズン内背番号変動ルール撤廃などの様々なルールに対応できるよう日々アップデートを行い続けている。