Evolving Data Labo

【W杯データ解析】データが蓄積された最終盤に実った「阿吽の呼吸」

ゴールキーパーのセーブが試合を締める

 現地時間16日に行われたロシア・ワールドカップ(W杯)グループA第1節エジプト対ウルグアイの一戦は、試合終了間際の89分にウルグアイMFカルロス・サンチェスのフリーキックにDFホセ・ヒメネスが頭で合わせて1-0で勝利を収めた。拮抗した試合展開の中でデータは『ゴールキーパー』と『デュエル勝率』・『チャンスクリエイト数』にあった。


 終始締まった展開になったが、「オプタ」のデータによれば、ウルグアイGKフェルナンド・ムスレラの被シュート数は3でセーブ数も3、エジプトGKモハメド・エル・シェナウィの被シュート数が5でセーブ数は4と失点した1つのシュートを除けば、枠内に飛んだシュートは全て彼らに防がれていた。

最も確率の高い選択を遂行した二選手

 今大会はセットプレイからの得点が25.0%(32得点中セット5点・直接FK3点)(6/19、グループG終了時点)と猛威を奮っているが、互いに拮抗した試合となれば尚更の話となる。試合内を通じて枠内シュートが全て防がれている状態では、流れの中からの得点は難しい。89分、ウルグアイに訪れた直接FKの機会は僥倖だった。
 今大会からベンチにデータが送られており、つぶさにそのデータを確認することができる。試合内で最も高い空中戦勝率を誇っていたのがDFヒメネスであり、最もチャンスクリエイトやクロス成功率を叩き出していたのがMFカルロス・サンチェスだった。最後の最後のセットプレイだったからこそ、最も確率の高いキッキングのできる選手が、最もデュエル勝率の高い選手に向けて放った結果というのは、データに裏打ちされた感覚をもつ一流プレイヤーの賜物と言えよう。