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【関川郁万】対空要塞、味わえなかったU-17W杯の先へ…

 17 DF関川郁万(流経大柏高)
 —彼の名前を始めて見たのは、2016年5月2日のことだった。U-17W杯を目指すチームにあって、メイン世代が高校に進学して初めての国際大会に臨むラインナップだった。Jクラブのユース選手が並ぶ中で、ただ一人だけ高体連所属選手として選ばれる姿に、新しい潮流だなと感じさせられたものである。


・DF菅原由勢(名古屋U19→名古屋2種登録中)
・DF小林友希(神戸U-18→神戸2種登録中)
・MF平川怜(FC東京U-18→FC東京)
・MF福岡慎平(京都U-18→京都2種登録中)
・MF喜田陽(C大阪U-18→C大阪2種登録中)
・MF上月壮一郎(京都U-18→京都2種登録中)
・FW山田寛人(C大阪U-18→C大阪)
・FW宮代大聖(川崎U-18→川崎2種登録中)
・FW中村敬斗(三菱養和ユース→G大阪)
 既にプロの道へ進みだした面々が、この大会だけでもこれだけ存在した。少なくとも、U-17以下の各大会において「史上最強」レベルの成績を残してきた世代。既に名古屋の主力となっているCB菅原由勢、U23チームのスタメンを張っているMF平川怜とMF喜田陽、ルヴァンカップで衝撃の得点を見せたFW中村敬斗の活躍はもう語る必要もない。その彼らに割って入るように、高体連からただ一人選出されていたのが、CB関川郁万だった。

 4日後、その枠は関川自らの負傷により、サンフレッチェ広島ユースのCB山﨑大地に入れ替わってしまう。約4ヶ月後にも、AFC U-16アジア選手権メンバーに名を連ねたが、またしても負傷によりDF西尾隆矢(現・C大阪U-18)と代わることになった。
 U-17W杯インド大会に関川郁万は呼ばれず、日本史上初めて本大会を「高体連所属選手なし」で挑むこととなった。

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 代表招集への運とタイミングに恵まれることはなかったが、プレミアリーグや高校総体、冬の選手権大会等の各大会で結果を残し続けた。1年時から高め続けたディフェンス力だけでなく、高校2年時の総体ではCBながらハットトリックも達成した。
 優秀選手の経歴を挙げ連ねればキリがないほど。今季は超高校級のDFとして最後の一年に臨む。怪我明けではあるが、既にリリースされた通り来季鹿島アントラーズへの入団が決定。秋田豊、大岩剛、岩政大樹、昌子源、植田直通らパワーヘッダーの系譜に新たな名が刻まれる。

 関川郁万だけではない。U-17W杯に手が届かなかった選手たちが各所で名を挙げ始めた。鳥栖U-18FW石井快征はルヴァンカップでプロ初スタメン、初得点。名古屋のMF成瀬竣平は昨年リーグ王者の川崎戦で起爆剤として投入された。コンスタントな招集を受けながら落選したGK青木心(JFAアカデミー福島)・DF東俊希(広島ユース)・MF山本理仁(東京Vユース)は既にU-19日本代表メンバーでの活動経験も果たしている。
 高校年代での大会では、新たな山田の10番となったFW檀崎竜孔(青森山田高)がプレミアEASTの目下得点王。WESTでは2年時から10番を背負っているMF佐野海舟(米子北高)が注目株。もちろん、MF熊澤和希(流経大柏高)やDF白井陽貴(矢板中央高)、甲府に内定が決まったMF中山陸(東海大相模高)らも同年代におけるトップクラスであることには間違いない。積み上げることと魅せていくこと。自分のプレゼンスを高めていくことは、サッカーもビジネスも、勉強や研究であっても変わることのないテーマだ。その中で自らの武器を磨いていくことこそ世界との差を詰める一歩となっていく。

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