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褒め殺すべき、遠藤航と井手口陽介の活躍。

・MF長谷部誠、MF香川真司が怪我で離脱中
・CB森重真人、MF清武弘嗣が招集外
・MF山口蛍がもシリア戦の怪我で出場微妙
・MF今野泰幸・SB酒井宏樹が怪我で本調子ではない
不測の事態が起こる中、暑さの中で戦った男たちがピッチへと立った。

リオ五輪から10ヶ月。

最終予選出場は、MF大島僚太、FW浅野拓磨が先んじ、リオ五輪への出場がクラブ的に叶わなかったFW久保裕也が活躍。CB植田直通は定期的な招集を受け、今回はGK中村航輔が華々しい活躍を引っさげて招集された。

特別に報道されることもなく、怪我の代役だからか【最終予選初出場】なんて触れ込みさえ特に言われもしない。ダブルボランチで出場したMF遠藤航とMF井手口陽介は、リオオリンピックグループステージ最終節スウェーデン戦以来の共闘を果たす。

前半からMF井手口は後方を、MF遠藤は前方を担当してカバーし続けた。酷暑で両チームともに足が止まる中でMF井手口の出足の鋭さは目をみはった。後半、脳震盪で退場するまでイラクの攻撃をシャットアウトし続けたのは、MF井手口陽介の功績だったた。

同様にMF遠藤航は、MF長谷部誠やMF阿部勇樹(浦和)を想起させるプレーをし続けていた。同年齢期の長谷部はドリブル、阿部はFKとパス等の特徴から攻撃をサポートしてきたが、遠藤はスペース自体のクラッキング。予測からのスペース潰しや黒子の動きに長ける。U20代表主将であるMF坂井大将(大分)もそうだが、気を遣えるプレーが目立った。SB酒井宏樹が怪我で外れ、一旦10人となった際に誰に言われるわけでもなく、ボランチラインと右サイドをカバーしていたが、日本人でMF遠藤航以外できたであろう選手はいない。

攻撃においても二人の黒子的な役目は活きていた。例えば右CKを本田圭佑が中央に放ったシーン、CF大迫勇也の前に飛び込んでいたのはMF遠藤航だった。

中盤でボールカットした後、MF井手口陽介が果敢に前線へと顔を出し、MF遠藤航がカバーし続けていた。

結果は1-1引き分けとなり、MF井手口陽介は後半途中の競り合いで後頭部を打ち付け、脳震盪も起こしてしまった。ただ、MF井手口とフル出場で走り続けたMF遠藤がいなければ、引き分けだったかも危うい。彼らが招集されていなければ、中盤は破綻していた。

今回、この記事を書くつもりもなかった。本当ならばJ2やアンダーカテゴリの選手たちの記事を書き続けたい。
ただ、MF遠藤航とMF井手口陽介に対する異様な評価の低さが気がかりだった。

CF大迫勇也のキープ力は圧巻だったが、個人プレーでもフィールド内で目立ったのは彼ら二人の方だ。

アテネ経由、ドイツ行き。かつて謳われた表現だが、正確にはアテネ経由南アフリカ行きがほぼだった。
ロンドン世代が『俺らの番』と意気込むが、MF遠藤航を中心としたリオ世代が席巻する日もそう遠くはない。
環境に適合し、お互いの補完関係を可能とさせるサッカーは、スポーツだけではなく、ビジネスの世界でも通じるスキルであると思う。