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ハリルホジッチの解任と新生ジャパンの行先

ただの衝撃だ。

 順風はもちろん、無風とも言えなかった日本代表に至極真っ当な事態が訪れた。ハリルホジッチ代表監督の更迭だ。南アフリカ大会でもコートジボワール代表を直前に更迭された経験があり、ブラジル大会のアルジェリア代表の成功体験こそあったものの、日本代表でも同様の憂き目にあってしまった。


 後任は西野技術委員長か手倉森誠リオ五輪代表監督と目されるも、大きな問題はそこではない。戦うための戦術や理論は、クラブチームのキャンプ期間でもできる。しかし、もしベルギー遠征を解任のトリガーと話すのは違う。

 ハリルホジッチが自身の戦術理論をフルに駆使して戦った試合は昨年のオーストラリアくらいなもので、強いて言えばブラジル戦やベルギー戦が準じる。しかし、海外組不在のB代表とも言えるE-1選手権や、多くの主軸が不在となった本海外遠征はテストの意味合いが強く、誰がどこでどの程度のプレーができるかの検証や連携を主眼においていた。
 結果的に招集してないが、
・岡崎慎司(レスター/CF・RWG・OMF)
・乾貴士(エイバル/LWG)
・武藤嘉紀(マインツ/CF・LWG)
・香川真司(ドルトムント/OMF・CMF)※怪我
といった選手たちは自身のクラブでプレー領域と代表が同一であり、
・長谷部誠(フランクフルト/CBorDMF)
・大迫勇也(ケルン/2トップ・OMF・CMForCF)
・原口元気(デュッセルドルフ/LMF・RMForLWG)
・本田圭佑(パチューカ/OMF・ST・CMForRWG)
などの選手たちはポジションが異なっており、
・酒井宏樹・吉田麻也・香川真司・清武弘嗣らの怪我組
・倉田秋・長澤和輝・井手口陽介・浅野拓磨らの所属チームまたは自身のコンディション
といった問題で代表から遠ざかるパターンが過去を遡ってもあまりにひどい状態だった。
だからこそ、不本意ではあるが、状態の調整、定期的なアジャストを本番レベルで実施いなければならなかったのだが、プライドの固まった選手たちに対するハリルホジッチのアプローチは正しくなかった。

 16時から会見が始まるが、後任は西野朗氏に決まるようだ。手倉森誠、森保一の見方もあるが、元々代表監督の座を狙って懐刀を隠していた点もある。霜田正浩(現・レノファ山口監督)の後ろ盾をなくしたハリルホジッチにとって、仲間の存在なく進んできたこの約1年間は疲弊だったことだろう。ただ、協会からも信頼していた長谷部誠率いる選手たちからも、後ろ指を指される状態となってしまった以上はどうしようもない。
 サポーターやメディアとして、我々ができることは、それでもなおこのチームを後押しすることだ。嘆きからは始まらない。再建へ向け、心を一つにすることだけが必要なこととなる。