Evolving Data Labo

2018J1第2節走行距離・スプリントランキング

 明治安田生命J1リーグ・J2リーグの第2節が3/2~3/4で行われた。名古屋・仙台・広島・山口・岡山・町田が連勝し、本命と思われていたチームの一部が下位に沈む状態になるなど、今年も世界トップレベルの混迷を見せ始めたJリーグだが、今回はJ1第2節のトラッキングデータを中心に見ていきたい。


 12km以上の走行がスタミナ上の一つの目安となる走行距離部門で、圧倒したのがMF小泉慶(柏)だ。前半から精力的にピッチを走り回ると、果敢に前へゴールへと狙い、得点シーンはまさに真骨頂のシーンでもあった。結果として13.164km走り回った小泉が今節のベストを叩き出した。
 2位の菅大輝(札幌)から23位のキム・ボギョン(柏)まで合計23名の12kmプレイヤーが出現した今節だが、各チームごとに走行に対する色が現れているように思える。

 セカンドトップとボランチラインでフタをするベガルタ仙台は、MF野津田岳人とMF奥埜博亮が駆け回っている。FW阿部拓馬が攻撃的アクション、MF富田晋伍が守備的なアクションを高められるよう各ラインで配された役回りだ。
 MF翁長聖、MF飯尾竜太朗の上下動に活路を見出したV・ファーレン長崎は共に走行距離・スプリントで基準以上の成績を残しており、精度を二の次としてまずはピッチ上の存在感として負けないだけの体力で応じている。
 柏レイソルには、話として触れられないものの隠れた逸材がチームを支えている。小泉とキム・ボギョン、クリスティアーノは中央を縦横無尽に駆け回るが、ディフェンスの横軸、オフェンスの縦軸共にサポートに駆け回る存在がいてこそ。それがRSB小池龍太だ。前線メンバーの役回りがしっかりしているからこそ、後方の役回りもすべきことがわかってくる格好だ。

海外サッカーの配信、Jリーグの見逃し配信はこちらから!

 次にスプリントを見ていこう。こちらは25回のスプリントで一流と目されるが、今節は27名のプレイヤーが基準オーバーの成果を残した。
 中でも、年間トップクラスとなる「40」の数値に迫ったのが、RSB米倉恒貴(G大阪)だ。試合後には、対戦した鹿島アントラーズMF三竿健斗とともに、感染していた日本代表監督ヴァイッド・ハリルホジッチから評価を受けた。
 また、Evolving Dataとして注目したいのは、MF翁長聖だ。走行距離12.668kmかつスプリント37回で共にベスト5入りを果たしており、試合内でも、ピンポイントのチャンスメイクや、バーに阻まれてしまったが自らシュートを放つなど、ピッチ内で躍動していた。



 今後につながる働きとして取り上げたいのは、北海道コンサドーレ札幌の『スプリント・カルテット』について。MF菅大輝、MF駒井善成、MFチャナティップ・ソングラシン、MF三好康児で構成される攻撃的中盤の4名すべてがハイレベルのスプリント成績を叩き出した、
 昨シーズンの比肩では菅の成長ぶりが著しく、スタミナ面での伸びは明らかにわかる。また三好・チャナティップも動き自体が洗練されており、Jリーグに慣れてきたか、ミシャ監督の薫陶によるものか、アタラクティブ・フットボールに必要な要素を秘めている。
 総合ランキングとしては、走行距離1位が野津田岳人、スプリントが翁長聖となっているが、まだまだ2節だ。今季で4年目となったトラッキングも継続してチェックしていきたい。

海外サッカーの配信、Jリーグの見逃し配信はこちらから!