【ハリルジャパン、ワールドカップメンバー入りの前提】
12/1、2018年ロシアW杯の組み合わせ抽選会が開かれ、サッカー日本代表はポーランド、セネガル、コロンビアと同組に入ることが決まった。いずれも各大陸の強国であり、FIFAランキングを踏まえずとも、日本と同等以上のチームが同居する格好だ。しかし、ハリルホジッチ監督就任後の日本代表は、強国との対戦経験を積んできたわけでなく、相手を格上とみなした上で臨んだ試合は年内に行われた『最終予選・オーストラリア』『欧州遠征・ブラジル』『欧州遠征・ベルギー』の3試合のみである。さらに、この3試合とその他の試合ではスタメンの形式も異なる。W杯に向け、同ベクトル上に存在する3試合を基軸とし、日本代表の攻撃形態を振り返ってみよう。
【ハイプレス&プレスバック担当のインサイドハーフ】
3試合全てに出場し、ポジション変更もない主力は6名(川島永嗣・酒井宏樹・吉田麻也・長友佑都・井手口陽介・大迫勇也)。ポジション変更はあったが全戦出場者が1名(山口蛍)。残るポジションを…
センターバック:槙野智章・昌子源
ボランチ・インサイドハーフ:長谷部誠・長澤和輝
左ウイング:乾貴士・原口元気
右ウイング:浅野拓磨・久保裕也
で争った。
特に激しい競争はウイングで発生しているが、キーとなるポイントの一つに「インサイドハーフ」があげられる。オーストラリア戦では井手口陽介が効果的なプレスバックを行い、ゴールを決め、ベルギー戦では長澤和輝が巧みなプレスやサポートを見せた。後ろで長谷部誠がどっしりと構える分、インサイドハーフのディフェンスは運動量を必要とする。守備優先でも攻撃優先にもならず、コミュニケーションを取り合いながらバランス良く対応できる人材が必須となる。
【右ウイングという最重要ポジション】
オーストラリア戦で結果を残した浅野拓磨を、ハリルホジッチは重用する。特にベルギー戦の浅野は素晴らしかった。「ハリルは満足していたものの、メディアの論調は厳しかった」というのは、単純にボールロストの多い浅野を右で起用するならば、ドリブルに一日の長がある伊東純也や経験のある本田圭佑を起用すべきとの論調だ。ただ、その論調こそが真実に雲がからせている。ベルギー戦の浅野の役目は「ラフでもいいからフェルトンゲン」に嫌がられることだ。一度の攻撃で仕留めるのではなく、長澤和輝のハイプレスからボールを奪って幾度とない攻撃を実行するグランドデザインを描いていたのだろう。ただ、実際に効いていた。だが、決まらなかった。言ってしまえばそれだけの話、ミッションの遂行段階になんら問題はなかった。そして、RWGのポジションフィニッシュワークを求めることもわかった。
【E-1選手権で発掘すべきアタッカー問題】
様々な新戦力がいる中で、仕留める役のRWGとポストワークできるCFの捜索が必須だったが、ドリブルで変化をもたらし、地上戦のデュエルに有用なポイントを見せつけたRWG伊東純也、巧みなスクリーンアウトでボールを引き出すRWG小林悠、動きまわるポストワークでチャンスクリエイターとなったCF川又堅碁、リーグ戦と変わらずコネクターとして名高いLWG阿部浩之は求めるものに回答した選手と言える。
【フィード→デュエル→スクリーンアウト】
現日本代表の攻撃は、後方からのフィードに対し、CForRWGが空中戦デュエルで勝利しつつ、RWGがスクリーンをかけて抜け出し、地上戦のデュエルで勝ち切ることで得点の匂いを色濃いものとする。選手ありきではなく、戦術を体現するロールプレイヤーが必要となる。それでは、各ポジションに必要となる選手は誰か。
【攻撃から考える日本代表】
GK :中村航輔・川島永嗣・西川周作
RSB:酒井宏樹・植田直通
LSB:長友佑都・車屋紳太郎
CB :吉田麻也・槙野智章・昌子源
DMF:長谷部誠・三竿健斗
CMF:井手口陽介・山口蛍・長澤和輝・本田圭佑
RWG:浅野拓磨・岡崎慎司・伊東純也
LWG:乾貴士・原口元気
CF :大迫勇也・川又堅碁
ディフェンス部門はまた明日以降で語るとして。
ストライカーを必要とするならば、杉本健勇と阿部浩之を入れたいとことだが、
ブンデスでもポストプレイに定評のある大迫、2017年総デュエル回数国内トップの川又を選出。
右にはスクリーンアウトの上手い浅野と岡崎、縦の突破やクロスもこなせる伊東、
左には、カットインタイプの二人、
インサイドハーフには結果を残した3人と、パチューカで適正を見せゲームコントロールも可能な本田を選出。
若手をどれだけ呼べるかは今後の代表にもつながっていくが、目先の勝利にたどり着かなければ、先へのレールも敷くことは出来ない。最後は新シーズンの突き上げだが、大迫や浅野等軸となる選手たちからの選出要素では、このようになる。