Evolving Data Labo

ピッチ上を掌握する森岡亮太

右サイドからのアーリークロスをファーサイドで合わせて折り返す、そのボールをMFセックが押し込んで決める。
1分後、再び右サイドからのクロスをFWテリンが頭で落とす。タイミング良く走り込み、右足をダイレクトで合わせてゴールネットを揺らす。
前半終了間際には、左サイドからの折り返しをワンテンポずらしてPAやや外で受け、冷静にDFの股下を通すコントロールショットを放ち、2G1A。

リーグ戦6試合で4G5Aと結果を残し続けるのは、
「森岡亮太」
今季からベルギー・ジュビラーリーグ、べヘレンに身を置く元日本代表MFだ。

何故、これだけの結果を残せるのか、現状考えられる点として紐解いてみる。



チームは15得点10失点、森岡は60%の得点に絡んでいる。
単純にゴール前で森岡がボールを保持するケースが多く、
結果を残していることは副産物でしか無い。
チームメイトが「プレー中に森岡を見ている」ことが大きなポイントとなっている。

この段階における仮定的結論は「チームメイトの森岡への信頼度」だ。
ベルギーのデータはまだ取得へのプロセスを踏んでいるところだが、
この試合内の動画を見るだけでも把握できる。

1点目、
①右SB、ボールをもつと、PA内に顔を向ける
②森岡、瞬間的にファーにポジショニング
③右SB、その動きを見てファーへと蹴り込む

2点目、
①右SBが同様にファーへクロス
②FWが中央に落とす
③森岡がゆっくりとしたスピードでDFのプレッシャーを緩めさせる
④森岡がトップスピードで入り込む

3点目、
①左サイドにボールが渡る
②中央にスペースが空くものの、森岡はすぐに埋めない
③ゆったりとした入りでボールを保持し、そのままのプレースピードでシュートを放つ

結論)「プレースピードの緩急」がノーマルとは異なり、
上限を高めるのではなく、下限を低めることで自らのスピードを捻出している。
自身の間合いでコントロールできるため、選手たちは皆森岡を注視することで攻撃が生まれやすくなっているのだろう。