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【メンバー選考】オーストラリア・サウジアラビアに挑む27人と今後の選考

8月24日(木)15時より、ロシアW杯最終予選に臨む日本代表のメンバーが発表された。
最終的に登録されるのは23名だが、怪我人や最近の調子を踏まえ、27名の大量招集を試みたハリルホジッチ監督。
まずは、27名のラインナップを振り返ろう。

PosPlayerTeam出場先発分数
GK川島永嗣メス76766928
GK東口順昭G大阪22180
GK中村航輔000
CB吉田麻也サウサンプトン75726434
CB昌子源鹿島43276
CB植田直通鹿島000
CB三浦弦太G大阪000
SB長友佑都インテル95918256
SB酒井宏樹マルセイユ36252422
SB酒井高徳ハンブルガー34252449
SB槙野智章浦和24151393
MF長谷部誠フランクフルト104988448
MF山口蛍C大阪33262306
MF井手口陽介G大阪2199
MF高萩洋次郎FC東京22177
MF小林祐希ヘーレンフェーン2038
MF柴崎岳ヘタフェ137744
MF香川真司ドルトムント87726245
FW浅野拓磨シュトゥットガルト112336
FW久保裕也ヘント65363
FW本田圭佑パチューカ90756993
FW岡崎慎司レスター109877633
FW大迫勇也ケルン20131081
FW杉本健勇C大阪000
FW乾貴士エイバル208748
FW武藤嘉紀マインツ197769
FW原口元気ヘルタ24141355


●GK:三者三様の良さ、しかし現状は川島永嗣が一歩リードか
西川周作(浦和)が前回の招集タイミングから外れたが、パフォーマンスの圧倒的な改善が見られたわけでもなかった。
ハリルホジッチは今回招集の3名を第1グループと捉えており、西川は第2グループ以下に位置している。
ハリル体制下の招集・合宿組を考慮しても、シュミット・ダニエル(仙台)や六反勇治(清水)らが第1グループ組を明確に上回るようなデータは見当たらない。強いて言えばチームとして最小失点を続けている横浜F・マリノスの飯倉大樹はいるが、代表経験は皆無だ。
また、招集メンバーの中では経験的に優れる川島永嗣がリードする。W杯のかかる重要な局面だけに、最も安心できるチョイスをとると思われる。

●SB:第2グループからの抜け出しがほしい
酒井宏樹、長友佑都、酒井高徳はよほどのことが無ければ既に当確ランプ。結果的に槙野智章がセレクトされたが、安定的な立場ではない。しかし、太田宏介(FC東京)や宇賀神友弥(浦和)など、招集されたサイドバックたちは誰も第2グループにも立てずに現状を迎えている。酒井高が右も左もできるため、突き抜けてくるのであればどちらでも可能性はあるが、未だ御眼鏡に適う選手はいない、ということなのだろう。
ウイングバック的な適応力ならば室屋成(FC東京)、総合力を高めている小池龍太(柏)、スピードで飛び出し、クロスを放てる松原后(清水)、明確な組み立ての中で輝きを放つ車屋紳太郎(川崎)など、フル代表出場経験のない選手にも候補は存在する。後半戦での活躍に期待したい。

●CB:鹿島アントラーズから両センターバックが招集
鈴木大輔(ヒムナスティック・タラゴナ)の声も上がっていたが、スタンダードな選考となった。サイドバック同様4枠目の選考が難しく、負傷離脱中の森重真人(FC東京)に代わる明確な存在は未だ見つかっていない。
やはりこちらも丸山祐市(FC東京)など第2グループが均衡している。ただ、中山雄太(柏)が面白い存在だ。東京世代とはなるが本日の会見におけるハリルの発言からも「年齢は関係ない」とあり、プレッシャーのかからなくなった最終予選以降に少々楽しみがある。



●ボランチ:現状最強のメンバーが並んだボランチライン
ファイター系の山口蛍や井手口陽介の第2グループはやや厳しい。長谷部誠含めて信頼度が突出している。今回招集されたのは高萩洋次郎だが、トップ下登録の小林祐希や柴崎岳がこちらの枠に移ることもある。
チーム状況や、失点関与率の高さからもあって外れた遠藤航(浦和)は第2グループに依然として含まれており、川崎で圧倒的な成長を続ける大島僚太も面白い。彼らはそれぞれポリバレントな能力も持ち合わせており、W杯メンバーへの滑り込む可能性はある。また、最近存在感を高めてきているのが三竿健斗(鹿島)だ。前節清水戦では、中盤で金子翔太のボールをいとも簡単に刈り取り、前線へと自らドリブルで侵入。金崎夢生の得点を演出してみせた。これはU17W杯初戦ロシア戦の瓜生昂勢の得点時など、彼の代名詞とも読むべき流れや動きを読むセンスが光ったシーンだ。三竿もまた、センターバックをこなせるなどポリバレントな能力をもち、ムードメーカータイプでもあることから、重宝される存在にもなる。

●トップ下:序列を変えるべくやってきた小林祐希
本人の有言実行どおり、ついにトップ下の序列ナンバーワンまでやってきたが、あくまでこれは清武弘嗣(C大阪)の負傷離脱や香川真司の調子面に依拠しており、序列を捲くるチャンスが与えられたという方が正しいだろう。逆に言えば、トレーニング内で香川に勝てなければ、試合には出場できない。移籍したヘタフェで存在感を放つ柴崎岳も踏まえて、バトルが始まる。
怪我がなければ、山村和也(C大阪)はどうだったか。杉本健勇選出を含め、可能性はあったかもしれない。今後で言えば、森岡亮太(べフェレン)や鎌田大地(フランクフルト)は今後の出来次第か。

●WG:本田圭佑が出場・得点をした上で合流するのはポイントだ。
両ウイングとも明確かつ着実な結果を残している者は少ない。しかし彼らが第1グループであることも確か。南野拓実(ザルツブルク)招集の可能性もあったかと思うが、こちらも怪我のために戦列を離れてしまった。第2グループに位置するだろう宇佐美貴史(アウグスブルク)も開幕節ではベンチ外。苦境が続く。
今後は関根貴大(インゴルシュタット)の成長は見届けたい。若さを考慮しないならば、U20W杯、U17W杯と続く久保建英(FC東京U18)も面白い。

●CF:二戦連発の岡崎慎司が絶好調、対する大迫勇也の怪我はどうか。
開幕から連発弾の岡崎の嗅覚が突出しており、大迫の怪我に問題があっても対応できる。もちろん、大迫に問題がなければより良い話だが、こちらもJ1で好調の杉本健勇が控えており、「誰を招集するか」という点では完璧に近い選出を行っているという印象が強かった。元々、「杉本もしくは金崎」と明言しており、どちらの名が挙がるのかと注目されたが選ばれたのは杉本健勇。高さやタイミング等サイド攻撃からのシュートパターンの多さも起因したか。



逆に言えば、こちらも金崎が第2グループにいるものの、それ以外の言及はない。若手を除けば、最終的なメンバー構成のほとんどに当確ランプは灯っている。
その前に今、選ばれた選手たちが行うべきは「W杯への道を」切り開いていくことだ。