16日に行われた日本代表vsウルグアイ代表の試合は、戦前の予想に反して4-3の打ち合いで幕を下ろした。3戦連続の得点であり、この試合では2得点をあげたMF南野拓実がエースとしての矜持を示すと、ロシアW杯コロンビア戦以来となるFW大迫勇也の得点と代表初ゴールとなったMF堂安律が結果を残し、MF中島翔哉が1アシスト1コネクトと攻撃陣のいずれもが結果を残した。偶然ではない結果の解説と守備陣が露呈した3失点の悪癖を軸に試合のレビューを進めよう。
先制点:南野拓実、アシスト:中島翔哉
前半10分左サイドでパスを受けた中島翔哉がボールを内側へとスライドさせて斜め前方へと蹴り込む。中盤やボランチ、サイドバックとセンターバックの間を上手くついたパスに反応したのは南野拓実。右足でソフトトラップして反転し、マーク対応してきたCBゴディンを置き去りにすると、ワンタッチでさらにDFをかわしてゴールを決めた。
喫した同点弾
まずは、上記の画像を御覧いただきたい。現在、配信中の弊社ラジオにても特集させていただいたが、ウルグアイの得点パターンの多くはセットプレーであり、特に右サイド側のペナルティエリア角からのFKの得点率が異常な強さを誇る。FWスアレスが不在であったが、この得点シーンもまさに体現されたもの。ファーサイドを破壊された上で中央のカバーが間に合わず失点に至った。
勝越弾:大迫勇也、コネクト:中島翔哉
後述する4点目と比類する形だが、「見」の様相を呈さず、日本選手全員がウルグアイゴールへとベクトルが向かっていたことが全てだった。中島翔哉のシュートだけでなく、溢れる可能性も考えて最低でも1人がゴールへと向かう。
GKとしても、ひたすら追われ続けるのは嫌なもの。中島のシュートこそ掻き出せたが、詰めた大迫のシュートを防ぐことはできなかった。
再度喫した同点弾はカバーニの意地から
ミスが重なり、最後に三浦弦太がカバーニの存在を忘れてバックパスをしてしまったことで喫した失点。三浦を攻める人もいるかもしれないが、そもそも直前のシーンでPKを取られる可能性もあった。結局はカバーニの意地に近いあがきが結んだ得点。
勝越弾:堂安律、アシスト:酒井宏樹
中島翔哉が後半開始早々から立て続けにミドルシュートを放てば、MF遠藤航が中盤でガツガツとボールを奪取する。勢いが衰えぬ日本代表は、セットプレー後のネガティブトランジション時に中盤で柴崎岳がボールをカット。酒井宏樹につなぐと、走り込む姿が見えたMF堂安律へ冷静にパスを回して左足で得点。
得点:南野拓実、起点:柴崎岳、コネクト:堂安律
MF柴崎岳の縦パスを受けた堂安律がミドルシュートを放つと、こぼれ球に反応した南野拓実が
上手くミートして得点。4得点はいずれも自ら決めきることを目標に中島翔哉、南野拓実、堂安律、大迫勇也が相手のペナルティエリア内への侵入を続けた結果だった。
ウルグアイのディフェンスラインは幾度となく侵攻し続けてくる日本代表を嫌がった。能力値や過去の経験ではウルグアイが圧倒的だったのかもしれない。しかし、ボールをロストせども奪い返すために90分間立ち向かい、跳ね返されても連続で攻撃やスプリントやドリブル、シュートを放ってくる選手たちを前に萎縮した。明らかに守備陣が前から連続してプレスをはめてくるケースが時間を経るごとに減った。
不用意な最後の失点
失点はいずれもRSB酒井宏樹とCB三浦弦太の間を狙われた。攻撃は明らかにロシアW杯を起点としてレベルアップを図れているのに対し、守備は未だあの日のままだった。ベルギー戦で忘れてはならない失点を繰り返さないことは必須となる。
ロシアW杯でも、昌子源が狙われた。今回は三浦と、相手国が欧州外でプレーする上表料の少ないディフェンダーを狙ってきていることも明らかだった。しかしいずれも、狙われこそされ続けたが、マーク対応のFWと渡り合い続けた。個の接点以上にチームカバーや戦術、戦略で今後は変えられる。失点後、メンタルを落とさずにプレーし続けている三浦弦太の姿は今後に向けて大きな試金石となるだろう。